教育年報1965年(S40)-092/213page
究を行なった。
4 福島県立須賀川高等学校
(1)課程、学科 全日制普通科、商業科
(2)研究主題 学力の向上―特に学業成績
の振わない生徒を対象として―
(3)研究計画および成果
1) 基本調査 それぞれの学年について、入試成
績、入学後の学業成績(国、数、英)、知能検査
の結果を調査し、そのなかから学力向上の問題点
を抽出しようとした。さらに、問題を持っている
生徒に対しては、家庭環境、学校または学級にお
ける人間関係を追求し学力向上の方策を樹立しよ
うとした。
2) 授業の充実 授業における学習過程を検討し、
教材や生徒の実態に応じて学習の組織化をはかっ
た。また、各教科ごとにノートの整理のし方、板
書のあり方を検討し、教科の指導方策を樹立した。
5 福島県立大沼高等学校
(1)課程、学科 全日制普通科、農業科、畜産科、
家政科
(2)研究課題 教科学習指導の技術研究
(3)研究計画および成果
1) 教科ごとに学習指導技術の現状を検討し、問題
点をさぐる。
2) 教科ごとに具体的計画をたて、日常の授業実践、
授業研究、研究会をもち、全職員の協力により研
究を推進する。
教科ごとに話法、板書、ノート指導、グループ学
習、学習環境の構成の小主題から1ないし2を選び、
一週一回の研修日および一教科一回の研究授業を実
施し、研究を進めた。
6 福島県立四倉高等学校
(1)課程、学科 全日制普通科、家政科、水産
製造科
(2)研究課題 調和ある学力向上を図るため
の実践的研究。
(3)研究計画および成果
1) 生徒の生活等に関する実態調査、生活の調査で
は、家庭学習に使われる時間が30分以内である者
が全体の46%に達し、1時間の者も含めると78%
になっている。一方、テレビ等娯楽に使っている
時間が2時間以上の者は81%になっている。この
逆転している関係をいかに改めていくかが今後の
課題である。
2) 生徒の学力に関する実態調査、田研式学習指導法診断検査
によってみると、学習法の上の部に属
する生徒は極めて少なく、中および下に属する生
徒が多い。一方、知能検査の結果によって見ると、
中位の編差値をもつものが多い。これは、学習法
に欠陥があることを示すものであるから学習法の
改善、家庭学習の指導が行なわれれば学力が向上
するものと思われる。
3) 各教科の学力調査とその対策
〇国語科 予習テスト(読み、書き、単語の意味)
問題プリントによる学習
〇社会科 指導の基本的事項をおさえる。視聴覚教
材の利用、発問のくふうなどにより考えさせる学
習を進める。
〇数学科 単元ごとの予備指導、個人診断表の作成
〇理科教材の精選、ドリルテストの計画的実施
〇英語科 平易な副読本の使用、板書の研究
上記以外の教科でもそれぞれ具体的な対策をたて、
学習法の確立につとめた。
7 福島県立小高農業高等学校
(1)課程、学科 全日制農業科、畜産科、家政科
(2)研究主題 生徒の能力の実態に即した教
育課程の編成と学習指導法の研究
(3)研究計画および成果
学力向上企画推進委員会を組織し、研究を推進す
る。
1) 生徒の実態をとらえ、自主的に活動できる学習
環境を構成し、指導法を研究する。
2) 現職教育の組織を整備し、教材研究を深め教育
課程の改善充実を図る。
3) 教科指導、特別教育活動、学校行事等の関連、
位置づけ、時間配当等について検討を加え、教育
課程全体の適正化を図る。
福島県視学委員の学校訪問
(1)視学委員設置の目的
本県の現職教育および学校における教育活動のあ
りかたについて、専門的な見地からの援助を得て、
児童生徒の学力向上対策の充実をはかるため、
福島県視学委員を設ける。
(2)任 務
福島県教育委員会の計画に基づき、次のことを行なう。
1) 本県の現職教育のありかたについて、教育長の
諮問に応ずる。
2) 本県の小・中・高等学校を訪問し、教育活動の
ありかたについて、教職員の指導助言にあたる。
(3)委 嘱
本県内の学識経験者の中から教育長が委嘱する。
(4)本年度の視学委員とその視察について
1) 視学委員名と視察対象
ア.学習指導 福島大学教授 島貫快祐
訪問校名 田村高等学校
大越中学校
滝根小学校
イ.生徒指導 福島大学助教授 工藤正悟
訪問校名 若松女子高等学校
若松第二中学校
河東第一小学校