教育年報1965年(S40)-109/213page
イ.改善へのはたらきかけ
〇学校の実状と計画を教育委員会、役場に話し、
協力をもとめる。(充実計画書の提出)
〇P.T.Aに実情を話し協力を求める。
ウ 改善実施
〇教具資料室の改善
教具資料室がないため毎年購入した備品は
各教室や物置きの片すみにおかれ、使用に不
便であったが資料室ができてからは、資料教
具のあり場所が決っているので、使用が便利
であること、備品がながもちし保管管理がよ
いことなどの貴重な発表であった。
(5)分科会
1) 第1分科会(校長部会)
ア.研究協議内容
人事交流、教職員の住宅建築について、へき
地教員の優遇策、完全給食、へき地教育策等。
2) 第2分科会(教頭部会)
ア.研究協議内容
現職教育の計画の立案と実践について、授業
分析の方法、研修旅費、中堅教員派遣制度、
栄養士の配置、宿直と警備員、複式学習指導法の
研究。
3) 第3分科会(分校主任、教諭部会)
ア.研究協議内容
効率的な学習指導、複式カリキュラムの編成、
視聴覚教材の利用、分校予算の独立、公民館の
運営、本校と分校との連絡等。
(6)全体会
1) 分科会報告と質疑
2) 講演「学校経営の基本問題とへき地教育につい
て」
講師 福島大学学芸学部教授 宮口春雄氏
へき地教育における学習指導上の問題点につい
て講演があり参加者一同深い感銘をうけ、明日か
らの学習指導にじゅうぶん役だてていけるもので
あった。
2 文部省へき地研究学校発表会
2ヵ年継続研究を行なった双葉郡浪江町立津島小学校
の研究発表を10月20日(水)に開催した。当日は、
県下へき地学校に勤務する教職員130名の参加を得て、
学校経営ならびに学習指導を中心とした研究が行なわ
れた。学校長を中心とした教職員の素晴しい研究に一
同深い感銘をうけた。本県におけるへき地教育振興に
大きな示唆をあたえたものと思う。
(1)研究主題
「国語科における読みを深めるための学習指導は
どうしたらよいか」
(2)研究内容
国語科指導上の問題点と対策として、へき地の子
どもたちは、一般に読字力、読解力が低いことを問
題として、その解決として読書力をつけるため、昭
和38年度から読字力、書写力を伸ばすため各学年の
目標とする文字の段階を確め、ドリルブックを作成
した。それぞれの能力段階に応じ指導し習得につと
めた。また午後5時のサイレンを合図に10分間朗読
を実施し学習の場を家庭にもつことによって本を読
む習慣を身につけさせた。父兄も読むことへの関心
をもち、重要性を認識した。
1) 読みを深めるための学年目標の設定
2) 語い指導について(基本的な語い、文脈に即し
てわかる語いについては特に力を入れて指導した)
3) 語法指導について(文の主述、文の中の修飾、
被修飾の関係をとらえる)
4) 接続助詞の指導(初歩について指導、語の使い
方に注意させ応用できるようにした)
5) 文の成分や構造について整理し、読みとらせる。
6) 教師の発問、板書、ノートの使い方について
7) 現職教育体制の確立(教室訪問、授業研究、ひ
とり1研究の推進)
8) 教育環境の整備(教室経営のくふう、学校環境
の整備)
3 東日本へき地教育指導者講座
(1)目的
へき地学校における重要なる課題を研究協議し、
指導者としての指導力を高め、へき地教育の改善に
資する。
(2)期日 9月6日、7日、8日
(3)会場 福島市立山之内小学校 (算数)
福島市立茂庭小学校滝野分校 (理科)
川俣町立山木屋小学校坂下分校 (体育)
福島市立中野小学校大滝分校 (家庭)
(4)研究内容
1) 算数部会
〇小規模学校において算数の指導を効果的にする
にはどのようにすればよいか。
ア.直接指導と間接指導について
間接指導においては、児童に自分たちのする
仕事の目あてを、「どこを」「どのように」す
るのかはっきりさせておくことが大切である。
直接指導がよく、間接指導がわるいのではない。
問題は学習しているかどうかである。
イ.同単元指導の利点
生活に結びついた指導、同じ素材や資料で興
味をもたせ、同じ雰囲気で学習させることがで
きる。
2) 理科部会
〇理科における同単元指導はどのようにすればよ
いか。
ア.指導計画の作成について
計画作成の基本的なものは、学習指導要領で
ある。子どもの物の見方、考え方、扱い方を育
てるにはどうするか、操作の手だてになる具体
的なものは領域である。つまり指導要領と領域