教育年報1965年(S40)-110/213page
でおさえることがだいじである。
イ.教材研究の方法について
現象一変化するもの一変化させるもの、この
3つの形で教材研究をすると容易である。
ウ.星の観察について
星を見つけだす方法は、教室の中で教えねば
ならないので、次のことを考えていきたい。
〇子どもは空間の把え方が困難であるので、みつ
ける手だてが必要である。つまり線とせず、面
で促えさせる。不透明な用紙に虫ピンで穴をあ
け、何月何日何時の星座を早見盤でつくって、
方位と角度をあらかじめ計算してスクリーンを
ななめにし、幻燈機で写す。3回も見せ、いろ
いろな形に書いた北十七星をわたし、実際に見
たように背景に貼らせる。
3) 体育部会
〇へき地教育における年間計画、実際指導面につ
いての研究。
ア.指導計画の基本態度について
現行学習指導要領の目標の再確認と分析・検
討を試みる必要がある。目標を具体的に把握し、
次いで教材研究へと進むべきである。目標の分
析(身体、能力等の面から)と教材の研究との
両者の密接な結びつきにおいて実践すべきと考
える。
イ.教材のおろし方について
遊びの中から出発し、全体におろし個々に流
していく方法、模倣の場合、教師の指示だけで
なく、児童に発見させて形を形成していく流し
方もある。
4) 家庭部会
〇複式学級家庭科学習指導計画例についての趣旨
の説明と現場の実際指導の間題点の研究
ア.趣旨説明
家庭科指導に当り、指導者自身が家庭科の意
義を理解し、明確な信念をもたねばならない。
家庭は技能が重要な地位を占める。ここでいう
技能は、実際的な生活のしかたを身につけ、他
の知識や理解とあいまって活用し、実際的に価
値ある生活目的を有効に達成していく能力を意
味している。したがって偏重しないように注意
を要する。
イ.指導上の留意点
児童の発達段階や経験の理解をすることがた
いせつである。
学習目標を児童にじゅうぶん把握させること
である。
資料の活用を重んじ、自主的、自発的な学習
が実践できるように指導すること。
以上研究協議の一部を掲載したが、複式学級担当者
には有意義な講座であった。
4 山村教育研究会
(1)中通り地方
1) 期日 10月15日
2) 会場 田村郡小野町立夏井第一小学校
3) 研究主題
「へき地、小規模学校の特殊環境にある、家庭
学習はどうずればよいか」
(2)研究内容
子どもたちをとりまく農山村という母体環境を改
善しなければならないことに着目し、なかでも父兄
の教育に対する関心を高めることによって、家庭学
習をいっそう充実させる素地をつくっている。
低学年には予習より復習を、子どもに宿題につい
て興味をもたせるには、子どもに理解できる課題で
なければならない。そのためには、低学年では、復
習、ドリルの問題を課し、きょうの学習への結びつ
きを考え、処理のし方にも適切な方法が取られてい
る。
1) 家庭学習のくふう
従来の指導計画に改善を加えた点(算数)
〇目標の明確化と教師、児童との共有化をはかる
ために、単元の目標を具体的に分析して1時間
毎に区分し、
教師からみて―目標 としてかかげたこと。
児童からみて―学習課題
学習課題を達成するために、あすの仕事と、そ
の手順を児童とともに話し合ってきめ、目的、
内容、方法について方向づけて「予習課題」と
している。
2) 家庭の協力
ア.学校における学習のあり方を知ってもらうこ
と。
〇1ヵ月1回の参観日に予習的課題をとりあげた
学習を参観してもらう。
〇家庭訪問、部落懇談会の折に働きかけ、理解を
深めてもらう。
イ.家庭学習のさせ方について正しい認識を持つ
てもらうこと。
〇学習しやすい環境をつくる。学習用具、机など
の整備と学習しやすい明るい静かなふんいきの
醸成につとめるとともに、児童に学習の時間を
じゅうぶんに与え、仕事や遊びのバランスを考
慮し、特にテレビを家族が見る時間と、児童の
勉強する時間の調整をはかっている。
3) 分科会(小学校部会)
ア.研究主題
「山村へき地小規模学校の特殊環境にある家
庭学習はどうずればよいか」
イ.研究発表者 夏井第一小学校教諭 牧口高儀
小島小学校田代分校教諭
大槻太
ウ.研究協議