教育年報1965年(S40)-188/213page

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   ・研究討議、全体会議

   ・国語、社会、算数、理科、研究運営の分科会

    にて研究討議

  イ.第2日 研究報告、教育懇談

   ・複式学級における学習指導法の研究報告

   ・研究をささえる基礎理論について

   ・教育研究に対する構想についての教育懇談

  ウ.会   場

   ・安津町立油井小学校

   ・福島県教育研究所

  エ.参 加 者 本庁ならびに出張所の指導主事

 2 望ましい学習指導法の組織化の研究

(1)研究の目的

  この研究は、昭和37年度より4か年継続して行な

 なわれてきた研究である。今年度はその最終年度に

 あたる。

  この研究の目的は、ひとりひとりの子どもが自主

 的、自発的に学力を身につける学習ができるように

 するため、家庭における家習を学校における学習に

 くみいれることによって子どもの学習のレディネス

 を高め、学習指導の個別化やたしかめの理論にささ

 えられた学習指導法を組織化するしかたを明らかに

 することにある。

  この研究は実験学校を設けて行なわれたアクショ

 ンリサーチによる研究であるので、 実践をとおし

 て理論的な考え方に修正を加えながらすすめられた

 ものである。

  特に、研究の最終年度にあたるので、今まで明ら

 かにされた理論的な考え方を整理するとともに、検

 証のしかたに焦点をおいて行なわれたのである。

(2)研究の内容

  この研究のもとになる基本的な考え方は、"主体

 的な学習"ということと、"組織化"ということで

 ある。

  さきの"主体的な学習"とは、真理を行為に具現

 し、望ましい自己変革をとげようとする全人的な能

 動性に根ざす学習をいうのである。いわば、子ども

 たちのひとりひとりが全力をあげてみずがらすすん

 さ学習にとりくむことである。それには、子どもた

 ちが、ひとりでたち向いみずから高めようとする情

 意的なあり方を強調することである。

  つぎに"組織化"ということであるが、指導法に

 おいて"望ましい"といわれるものは、ただ一つの

 考え方だけではいけない。いくつかのものが統合さ

 れて望ましいものになり得る。それには、厳密にそ

 れ自体を分析して得た要素を全体の中に位置づけ、

 役わりをもたせることである。

  以上の考え方にもとづいてなされたくふうの一つ

 が"予習的課題による学習"なのである。

  予習的課題による学習は、つぎのようなものである。

 1) 家庭で行なわれる個人学習である。

 2) 予習や復習を予習の方向にととのえることであ

  る。

 3) 予習や復習を問題の形でとりくませることである。

 4) それ自体ねらいをもつのではあるが、あくまで

  授業充実のための手だての一つである。

 5) 授業のまとめの段階で、"もっと勉強したい"

  という気持ちにささえられて構成されるものであ

  る。

 この方法を充実させるには、教師の指導技術を練磨

 しなければならない。すなわち、教師の指導計画立

 案にあたっては、子どものレディネスを正しくとら

 え、子どもの能力にみあった教材を精選し、時間が

 過度にのびたりしないようにするとか、子どもの聞

 きとり聞き分けや完成されたセンテンスによる話し

 方、書き方、話し合いのしかたを訓練するとか、家

 庭に対して、子どもが学習しやすいふん囲気をつく

 るなどの機能的な協力を育てるとかなどに心がける

 ことである。

(3)実践にみられる変容の状態

 1) 子どもの学力

   福島県標準、診断学力テストの結果でみてみよ

   う。
  国語 社会 算数 理科
4年 39年度の4年 62.2   60.1  
38年度の3年 60.0   57.8  
5年 39年度の5年 63.5 57.1 60.6 54.5
38年度の4年 57.7 53.6 58.4 52.2
6年 39年度の6年 62.5 59.6 60.8 60.0
38年度の5年 56.7 54.5 58.1 53.8

 (注)・数値は学力偏差値である。

    ・同一の子どもの2か年の比較である。

 わずかずつではあるが、向上のあとがはっきり

みられる。ことに6年の国語、理科については約

11%ののびが認められる。これを、領域別にみた

次の表ではさらにはっきりしている。
〈国語〉 読字 読解 鑑賞 語句 ことば 書字 平均
39年度6年 63 61 60 60 66 65 62.5
38年度5年 57 57 56 55 57 58 56.7

 それぞれ約6〜16%ののびがみられる。特に、

読字、書字、ことばに関する領域において、めだ

ったのびがみられる。
〈社会〉 地図資料 年表資料 統計資料 地域間の関係 うつり変わり しくみ 自然との生活 関連 平均
39年度6年 63 54 57 60 62 62 55 64 59.6
38年度5年 57 52 57 57 53 56 53 51 54.5

 それぞれ約4〜24%ののびがみられる。特に、

関連的なみかたやうつりかわりに対するみかた、

考え方に、いちじるしいのびがみられる。
〈算数〉 数と計算 量と測定 数量関係 図形 問題解決 平均
39年度6年 58 61 60 66 60 60.8
38年度5年 57 58 60 64 58 58.1


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