教育年報1965年(S40)-195/213page

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   して各教科10校(450名)を選定した。なお、

   中学3年の社会・理科の場合、この時期では

   未学習の部会もあると考えられるので、高等学

   校の生徒(約400名)を対象に実施した。

  エ.第二回予備テスト 12月4日または16日

    第一回予備テストの結果から修正補充した問

   題の統計的な妥当性、および所要時間の過不足

   を検討するための材料を得るために実施した。

   なお、標本校の選定は、第一回の予備テストと

   ほぼ同じ規模で行なった。ただし、中学校3年

   の教科については、今回は当該学年で実施した。

  オ.第二回学力検査審議会 1月10日

    第二回の予備テストの結果から修正補足した

   第二次案について検討を加え、本テストの成案

   を作った。なお、審議会の構成は第一回と同じ

   である。

(3)標準化のための調査

 1) 標 本 校

   標本校の決定にあたっては、地域類型と学校規

  模によって層化し、比例割り当てによって、無作

  為抽出を行なった。なお、各出張所管内に標本校

  がゆきわたるように配慮した。

   国語  小学校1年   1,080名

   英語  小学校2年   1,030名

   英語  中学校1年   1,660名

   社会  中学校3年   1,720名

   理科  中学校3年   1,670名

 2) 本テスト3月1日中学校 3月2日小学校

   標本校における本調査実施にあたっては、各出

  張所の指導主事を調査立会人として派遣し、学校

  側のテスト補助員の協力によって実施した。調査

  終了と同時に答案を回収し、採点・集計などの処

  理は研究所が行なった。

 3) 標 準 化

   採点の結果から、正答率・標準点を算出するこ

  とになるが、この表の活用によって、この調査の

  目的が達成されるわけである。標準点は、標本誤

  差をなくすために換算Tスコーアで示すことにし

  た。検査を実施した学校へは、その結果を通知し、

  さらに、答案の分析を行なって「診断と指導」の

  資料を報告書にまとめ、各学校に配布することに

  なっている。

 6 全国教育所連盟共同研究

   ―生活指導に関する研究―

(1)研究主題

 1) 全国教育所連盟、「現代の子どもの理解とその

  指導に関する研究」

   この研究主題に迫るために、参加研究所が次の

  5グループに分かれ、それぞれの角度から研究が

  すすめられている。

  Aクループ 「子どもの労働と労働観・職業観に

  関する研究」

  Bグループ 「子どもの生活とモラルに関する研究」

  Cグループ 「子どもの人間関係に関する研究」

  Dグループ 「子どもの学習と文化に関する研究」

  Eグループ 「子どもの問題行動や非行に関する研究」

   本県としては、Dグループに所属し、研究の一

  翼をになってきたわけである。

 2) 福島県、「小学校児童の主体性の形成過程」

(2)研究の目的

  激しい外的諸条件の変ぼうと、その強い影響の中

 で、児童が主体的に一つ一つの事象を判断し行動す

 ることは容易なことではない。

  そこで、児童の家庭における学習と余暇生活の実

 態をとらえ、その問題点を究明して、主体性形成の

 一助にしょうとするものである。

  すなわち、これらの実態や問題点を明らかにしな

 がら、学習面では、「予習的課題」による家庭学習

 を基礎にして、個別に学習したり、フィードバック

 したりすることによって主体的な学習態度を形成し

 ようとするものである。また、生活面では、児童に

 自分の余暇生活の内容を反省させ、その調和を考え、

 充実させることによって、みずから生活を規制し、

 生活課題を解決できる主体的な生活態度を形成しよ

 うとするものである。

(3)研究の内容・方法

 1) 児童の家庭における学習生活の実態や問題点を

  究明するために

  ア.家庭学習の時間と内容

  イ.家庭学習に対する興味

  ウ.家庭学習の習慣について調査する。

 2) 児童の家庭における余暇生活の実態や問題点を

  究明するために。

  ア.児童の余暇生活の内容と生活のバランス

  イ.児童のテレビ視聴の時間と内容、について調査する。

 3) 家庭学習や余暇生活についての父兄の考え方に

  ついて調査する。

   実験群、統制群とも、一週間の継続調査とし、対象を

  小学校3年〜6年においた。ただし、項目・内容によっ

  て、選定範囲を考慮した。父兄についても同様である。

(4)結果の概略

 1) 家庭学習の時間

  ア.平均時間と余暇の中でしめる割合

  イ.平均時間の分布

    一日ひとり平均時間は、60分〜80分が全学年

   を通じてもっとも多い。

    男女を比較すると、全学年とも、男子に比べ

   て女子の方が学習時間を多くとっている。この

   ことは、20分以下(40分以下でも同じ)に女子

   が少なく、141分以上に女子が多いことからも

   うかがうことができる。

   高学年にすすむにつれて、学習時間が多くなる

   のは当然のことであるが、特に5年の女子、6

   年の女子には、長時間勉強するものが多い。

    日曜日になると、20分以下の児童が多くなる

   のは、今後の問題点になるであろう。しかし、

   長時間勉強する数も増えているので、授業日に

   家庭学習をする習慣は、日曜日になっても持続

   されるものと思われる。

    平均時間を成績別にみると、当然のことであ

   るが、成績が「上位→中位→下位」の順に、学


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