教育年報1965年(S40)-199/213page

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県立図書館

   第1節 概     要

 1 は じ め に

 昭和40年度は、当館の努力目標実施計画として設定

された〇図書館分館の充実、〇ブックモビール活動

の強化、〇館内・館外用図書の充実、〇郷土資料の整

備の各事項を念頭におき、館内・館外の奉仕活動を強

力に推進した。

 幸いに理科教育センターの竣工にともない、従来当

館舎内にあった教育研究所、理科センターが転出した

ことにより、閲覧席の拡張、参考室の拡張整備が実現

できたこと、更に小型移動図書館車の購入により館外

奉仕態勢が強化されるなど奉仕条件が徐々に向上した

ことが大きな力となった。

 努力目標実施計画については、勿論単一年度におい

て実現したりその成果が表われたりする性格のもので

はないが、実施状況は次のとおりである。

 第1に図書館分館の充実とブックモビール活動の強

化については総合的にみてある程度の成果をあげ得た

と思われる。

 現在当館における館外奉仕活動方式としては、制度

的に1)各分館・本館における貸出文庫、2)ブックモビ

ール、3)市町村公民館を利用しての巡回文庫の3方式

となっているが、この方式がはじめてとられた当時とは

奉仕関係機関の機能も、利用者側の条件も大きく変っ

て来ているために、館外奉仕活動を効果的に行なうた

めには、その地域の奉仕関係機関の条件と利用者側の

条件に検討を加えて、3方式を結びつけての効果的な

運用が必要となって来ている。従って、本年度は今後

のモデルケースとしての意味合いも兼ねて3方式をあ

る程度結びつけての館外奉仕活動を行ない利用者の漸

増をはかることができた。

 一方これらの活動強化は図書購入費とうらはらの関

係にあることは論をまたないところであり、この点が

大きな悩みとなっている。

 第2に館内・館外用図書の充実について本年度の状

況は、第2節にその詳細を掲げたとおりであるが、当

館は、県立図書館本来の業務のほかに、市立図書館的

な機能も相当程度果さざるを得ない現状にあるため、

現在程度の予算の中では、この2面の機能を果すべく

資料を整備することは不可能である。

 資料の活用については、利用のための索引カードの

整備、蔵書目録の刊行その他鋭意努力を重ねて来てい

るが、予算の制約から発行図書に対する収書図書比率

があまりにも低い現状は、県民一般の図書館利用意欲

を向上させるための最大の障害となっている。

 幸いに県勢振興計画の中で市立図書館の設置が策定

されており、この計画が実現されるときは、本館の機

能も専一化され、このことに伴って資料の整備もかな

り促進できるものと期待している。

 第3に郷土資料の収集および整理保存についてであ

るが、このことについては、当館として資料の収集に

つとめるとともに蔵書目録(40年度「郷土資料増加目

録」)を刊行する等整理保存に努力をして来ているが、

更に広い視野に立って、県内にある貴重な資料の散逸

を防ぐ考えから、県史編纂会議、県史学会等関係機関

と緊密な連携を保ち、あらゆる機会をとらえて資料保

存のPR対策に力をいれてきた。

 2 図書館協議会

(1)委 員 氏 名

  大竹謙蔵  県議会厚生文教委員長

  石井政男  石城郡四倉町公民館長

  片平太吉  福島市立大鳥中学校教頭

  三本杉国雄  福島市教育委員会教育長

  白岩和夫  県立福島女子高等学校教頭

  高木ツネ子  県婦人団体連合会常任理事

  立谷麗子  郡山市教育委員

  寺内久平  NHK福島放送局長

  平井博  福島大学学芸学部長

  宮森啓治  県小中PTA連絡協議会副会長

(2)協議会の開催

第1回協議会

  日  時  7月21日

  場  所  県立図書館

  出席委員  全委員

  協議事項

   ・図書館資料の整備について

   ・小型移動図書館車の運行について

   ・館内の配置替えについて

   ・館内組織及び事務分掌について

   ・館長の海外出張報告

第2回協議会

  日  時  11月16日

  場  所  県立図書館

  出席委員  8名

  協議事項

   ・昭和41年度事業重点事項の策定について

   ・昭和41年度当初予算要求について

第3回協議会

  日  時  3月18日

  場  所  県立図書館

  出席委員  9名

  協議事項

   ・昭和40年度図書館運営の概要について

   ・昭和41年度当初予算について

   ・昭和41年度運営計画について


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