教育年報1965年(S40)-201/213page
に第1集を刊行してから10年を経ているので、その後
の増加資料を収録した「郷土資料増加目録」を刊行し
た。これで、昭和30年3月に、その第1着手として、
郷土資料目録を刊行してから、11年の年月を費して、
本年度をもって予定どおり、全蔵書目録公刊事業に一
応の終止符を打つことができた。その後各部門毎に増
加した分については、逐次追刊していく計画である。
既刊の蔵書目録は次のとおりである。
第 1集 郷土資料蔵書目録 30年3月
第 2集 蔵書目録 総記、哲学篇 31年3月
第 3集 〃 歴史篇 33年3月
第 4集 〃 社会科学篇 35年3月
第 5集 〃 自然科学・工学篇 36年3月
第 6集 〃 産業篇 37年3月
第 7集 〃 芸術篇 38年3月
第 8集 〃 語学・文学 1篇 39年3月
第 9集 〃 文学 2篇 41年3月
第10集 郷土資料増加目録 41年3月
5 図 書 選 定
館外奉仕用図書については、福島市内の各層から10
名の図書選定委員を委嘱し、毎月定例選定委員会を開
いて2,600冊の図書を選定した。
福島県立図書館図書選定委員(任期は39年4月から
40年3月まで)
片平幸三 福島市立北信中学校教諭
国分理 福島県土木部専門委員
(40年9月解嘱)
朽葉繁子 労働省福島婦人少年室長
(40年10月委嘱)
小林清二 福島大学学芸学部助教授
柴生田潤 医師
鈴木敬治 福島大学学芸学部助教授
西山泰男 福島県農業協同組合講習所教務主任
田村ユキ 主婦
茂木宏哉 不二物産社長
八木美代子 主婦
山田舜 福島大学経済学部助教授
第3節 館 内 奉 仕
昭和33年現館舎が新築された当時から同居していた
教育研究所が理科センター新築にともない移転したの
を機会に、館内の効率的な利用を考えて、大幅な模様
替えを実施した。
1) 一階は館長室、事務室(総務、整理、奉仕)、
整本室を集約して管理棟とし、児童室はもっとも
入りやすくということから玄関に近接した旧展示
室を当てることにした。
2) 二階は図書館のメエンストリートとして、従来
の開架図書は勿論のこと、近代図書館の重要な機
能を果すための参考室の充実をはかるとともに、
一般人の快適な図書館利用ということから、読書
室を30人20人収容の小室をあてることにした。
3) 三階は比較的図書館資料の利用の低い高校生を
男女別に分け、自由に勉強できる学生生徒室とし
た。
1 利 用 状 況
(1)利用者
利用者総数(表3)は86,067人と過去5カ年の10
万台を割ったことになるが、これは昨年度後半より
実施した指定座席制の結果によるものと考えられ、
児童、生徒、学生が昨年度より24,647人減となって
おり、一般人は昨年度25,418人、今年度は25,390人
とほとんど変りはみられない。むしろ高校生も図書
館の収容能力を感知し、従来の退校時に一時に殺到
するという弊害が除去され、利用者も図書館も落着
いたムードになったことは、現在の座席数、
児 童 42
中 学 生 46
高 校 生 158
大 学 生 40
一 般 44 計 330
外に参考席 28 合計 358
から見て、読書環境まで阻害して入館者の数にこだ
わることよりは、むしろ妥当な状況ではないかと考
えられる。
次に月別にその状況(表4)をみると、開館日数
とも関係するが、なんといっても冬期間の12、1月
そして2月の10,916人がピークとなっている。これは
学生生徒の学年末更に上級学校への入試のためとい
うことがそのまま現れているが、一般人についても
2月は3千人台となっており、学生と相対現象を示
しているのは興味深い。もっとも少ないのは4月で
一日平均2百人を割っているのは年間を通してこの
月だけであり、従来図書館の行事としている"ばく
書"(利用規則により10月の連続した10日間)など
も、年度始めの4月に実施して、すっきりした
形で、その年の奉仕活動に望むことが、もっともよ
い方法ではなかろうかと考えられる。
(2)読書傾向(資料の利用状況)
利用総数44,137冊は昨年度の59,090冊から比較す
ると著しい減少を数字の上で示しているが、これは
今年度から参考図書は従来の3倍の約1,000冊を公
開して、いちいち利用票に記入しないで閲覧しても
らうシステムをとったため、数の上でこれらのもの
が従来と異ってのって来ないためと考えられる。辞
書、事典、年鑑類を僅か一つの言葉、一つの事柄を
調べるのにその都度利用票に記入しなければならな
いということの繁雑さを、統計のための利用であっ
てはならないということから、改めたのである。
実際には28席の参考室はいつも満員で、一般、学
生生徒を問わず、各人が自由に資料を駆使して調査
研究を行なっており、参考室の充実が近代図書館の
大きな役割と考えるなら、更に拡充強化する方向に
向わなければならない。
次に各部門別による利用状況は(表5)のとおり
であるが、もっとも多いのはやはり文学の23.3%で
あるが、年々これの占める割合が減って来ており、
総体的な利用に移行していることがみられる。特に
文学の館内における利用者は調査研究が主となり、
読みものは館外に貸出して利用という傾向がはっき