第11節 学校図書館
1 概 況
文部省では、例年どおり、学校図書館司書教諭講習を実施
するとともに、学校図書館研究協議会を開催した。学校図書
館の学校教育における位置を明確にし、特に、教育課程の効
果的な実施に役だつ学校図書館の運営を期待しているようで
ある。
この「教育課程の展開に寄与し、学習指導の効率化を目ざ
す」、いわば「組織化された教材センター」としての学校図
書館のあり方については、本県においてもかなり大きな関心
が持たれるようになり、その実績も上がりつつある現状であ
る。
また、目まぐるしいマスコミの影響下にある現代の生活で
は、読書による豊かな、おちついた人間形成の重要性が強調
される。この風潮を反映してか、原町市で開かれた福島県学
校図書館研究大会では、「人間形成のための読書指導」に焦
点を合わせて、授業や研究・討議が行なわれた。時宜に適し
たものといえよう。
なお、学校図書館の施設・設備の充実度、各種資料の収集
整理・活用等の組織化の度合い等には、依然として、相当な
地域差や学校差が見られる現況である。
いわゆる「学校司書」の公費化については、従来、県立学
校の司書部会代表が中心となり、県教育委員会その他関係機
関に対し、陳情を重ねてきていた。幸い、昨年度より、逐次
司書手当の一部として補助金が数校に配分されるようになっ
た。しかし、その身分を保障して、生活の安定をはかるため
には、公費採用の職員とする施策の促進が、いよいよ望まれ
るわけである。
2 文部省主催の学校図書館研究協議会
昭和41年12月13日〜14日の2日間、国立教育会館を会場と
して開かれた。標記協議会における研究主題と、本県よりの
参加者氏名を列記すると次のとおりである。
(1) 研究協議の主題(各部会共通)
1) 学習指導の効果を高めるための資料の収集、組織化、
提供について
2) 学校図書館が行なう読書指導について
(2) 本県よりの参加者名薄
1) 小学校部会
いわき市立長倉小学校教頭 斎藤正夫
2) 中学校部会
いわき市立湯本第一中学校教頭 根本透
県教育庁指導課指導主事 斎藤正夫
3) 高等学校部会
県立湯本高等学校教諭 鈴木秀枝
3 第17回福島県学校図書館研究会原町大会
(1) 研究主題
「教育課程の中で学校図書館をどのように役だたせるか。
また、人間形成のための読書指導はどのようにすればよいか。」
(2) 主 催
福島県学校図書館協議会 原町市教育委員会
相馬地方小中学校教育研究会
双葉地方小中学校教育研究会
(3) 後 援
福島県教育委員会・相馬地方小中学校長協議会・双葉地
方小中学校長協議会・相双地区高等学校長協議会
(4) 期 日
昭和41年11月7〜8日
(5) 会 場
原町市立原町第一小学校(小学校部会、全体会)
原町市立原町第三中学校(中学校部会、高等学校部会、
司書部会)
(6) 講 師
全国学校図書館研究協議会事務局長 松尾弥太郎
福島県教育庁指導課指導主事 斎藤正夫
(7) 分科会における研究テーマと発表者
1) 小 学 校
ア. 「学習指導における読書指導」
古内裕務(富岡二小) 藤田広彦(白河一小)
イ. 「家庭における読書指導」
田野入車徳(八幡小) 佐藤栄覚(大平小)
原正昭(湯本小)
2) 中 学 校
ア. 「人間形成につながる読書指導」
佐藤千春(金房中) 木村験一(北信中)
イ. 「特別教育活動における読書指導」
井戸川次男(双葉中) 須藤善蔵(平三中)
3) 高等学校
「特別教育活動における読書指導」
鈴木正之(相女高)
4) 司書部会
「図書館運営の新しい構想」
鈴木修平(入遠野小) 小林都(芳賀小)
4 県立高等学校図書館司書研修会
(1) 期日 昭和41年10月25〜26日
(2) 場所 県立郡山女子高等学校
(3) 内容 「目録のとり方とカード記入について」、「製
本技術について」等、図書館実務の研修
第12節 教育研究団体
1 自主的教育研究団体
(1) 自主的研究団体育成の経過
年度 目標 実施概要 昭和38年度 団体の整理と統合 昭和37年度において県国語教育研究会外34団体あったものを
予算の効率化を図るため17団体に整理統合した。昭和39年度 団体の整理統合と組織の確立 上記17団体をさらに10団体に統合し組織機構を整備し、
各団体の基礎を確立した。昭和40年度 研究財政の確立 昭和39年度をもって研究組織が確立したのでこれが
健全育成を図るため、財政の確立を図った。