教育年報1966年(S41)-125/194page

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社会教育

   第1節 社会教育一般

 1 概     要

 今日の社会は、都市も農村もめまぐるしく動いている。

 その変化はきわめて複雑多岐にわたり、急激な技術革新に

よる産業構造の変革、余暇や消費の増大、都市化現象の進行

と相まって、必然的に生活構造そのものの多様化をもたらし

め、社会教育においても、その教育の形態、方法、社会教育

対象人口の組織化等、それぞれ量的、質的に拡大の方向をた

どっている。

 この要請にこたえるため、県と市町村との緊密な協力連係

のもとに一貫性のある社会教育行政体制を確立し、県土開発

に連なる社会教育活動を強力に推進するため、本年度は下記

の努力事項をかかげ、各種の事業を実施した。

(1) 少年教育、勤労青年教育の推進充実

 1) 家庭および社会における生活指導の徹底強化

 2) 少年団体指導者、特にジュニアリーダーの養成

 3) 青年学級の整備拡充、特に都市商工等、青年学級の開

  設促進

 4) 青年国内研修による中堅青年の養成

 5) 高等学校開放講座、社会通信教育、青年の家等を利用

  しての学習活動および集団活動の助長

(2) 家庭教育、成人教育の振興

 1) 家庭教育学級の振興充実

 2) 成人学級、高令者学級等の充実

 3) 婦人学級の整備拡充

 4) 婦人国内研修の改善充実

(3) 公民館等、社会教育施設の整備促進

 1) 公民館の整備拡充

 2) 児童文化センター、青年の家等、社会教育施設の設置

  促進

 3) 視聴覚ライブラリーの充実促進

 4) 文化施設の調査

(4) 社会教育指導者の養成と指導体制の確立

 1) 社会教育指導者の現職教育の充実

 2) 社会教育委員、社会教育主事の設置促進

(5) 芸術文化の振興と文化財保護の強化

 1) 芸術文化活動の促進

 2) へき地文化の振興

 3) 文化財保護施設の強化と活用の推進

 4) 開発地域の文化財保護対策の強化

 社会教育は学校教育のように定型的なものでなく、その内

容、範囲ともにきわめて複雑多岐にわたっている。また社会

教育は明確な体系的整理も困難な状態にあり、行政上多くの

問題と反省を要する点がある。

 しかし、前にも述べたように市町村と緊密な協力体制のも

とに、他の行政機関団体との連絡をはかり、努力事項に向っ

て各種事業を遂行し、総体的にみて大きな成果をあげ得たと

考える。特に、本県に国立磐梯青年の家が設置され、この施

設の利用は広範にわたり、予期以上の成果をおさめた。また

へき地における合唱団の派遣は、へき地文化の導入に大きな

役割を果たしたものと思われる。

 2 市町村社会教育主事研修会

(1) 目   的

  社会経済の進展にともない本県社会教育のいっそうの充

 実振興を期するため、市町村社会教育主事に対し、こんに

 ちの社会教育を進めていくために必要な基礎的教養の研究

 を行ない、もってその資質の向上と指導力の強化をはかる。

(2) 期日・会場・参加者数

 1) 期 日  41.81〜8.6

 2) 会 場  県積慶寮

 3) 参加者数 24名

(3) 講   師
文部省社会教育局社会教育課成人教育係長 春日英明
文部省社会教育審議会委員青少年分米桧会長 永井三郎
国立青年の家所長 長田足穂
福島大学教育学部教授 島貫快祐
古籏安好
星光
福島市教育委員会教育庁長 三本杉国雄
福島県教育庁社会教育課長 丹野清栄
助言者福島県教育庁社会教育課員  

(4) 参  加  者

  市町村社会教育主事

(5) 研究内容および実施方法
内容 方法・時間教
わが国の社会教育現状と課題 講義・討議 5
本県社会教育の現状と課題 3
民主的団体活動のあり方 8
発達心理概説 4
私の教育観 講義 2
市町村における教育行政のあり方 講義・討議 4
倫理学の基礎理論 4
生活指導の基礎理論 4
学級講座における教育課程の編成 講義・討議・演習 6

(6) 日程
午前 午後 夜間
1   開会式わが国社会教育の現状と課題(春日) 研究協議
2 本県社会教育の現状と課題(丹野) 民主的団体活動のあり方(永井)
3 団体の運営と活動(永井) 発達心理学(古籏)
4 私の教育観(長田) 市町村における教育行政のあり方(三本杉)
5 学級講座における教育程の編成(課員) 倫理学の基礎理論(星) レクリェーション

(7) 研究会に作成した資料

 1) 昭和41年度社会教育主事研修会要項

 2) 市町村社会教育主事研修会実施報告書


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