教育年報1966年(S41)-129/194page

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 ての学習活動および集団活動の助長

 少年の生活指導については、今日の青少年非行の増加の問

題から、社会的関心は高まりつつあるが、市町村の少年教育体

制については、全県的な盛り上りに至っていないので、これ

が確立をはかるため、少年生活指導研究協議会を開催し、少

年生活指導に対する共通理念のもとに積極的に少年教育に取

り組む体制づくりに努めた。これとともに、少年の団体活動

をとおしての健全育成の面からの問題点として、ジュニアリ

ーダーの不足があげられるので、これが積極的な養成に意を

用いて少年団体活動の促進を図った。

 勤労青年教育については、農村青年の都市への流出は青年

の学習組織化を困難とし、青年学級から青年教室へと移行し

た市町村も現われたが、15〜17才までの年少青年は3か年の

学年制、昼間制による年少学級、または勤労青年学校、18才

以上の青年はコース制による年長青年学級を基本として継続

的・系統的な魅力ある学習とするため、青年学級生大会等を

とおして改善充実を図るとともに、都市商工等青年学級の開

設に意を用い、その振興に努めた。なお、青年学級の現状は

昭和41年3月末の実績調査によれば109学級、5,557名が参

加学習に励んでおり、勤労青年のための公教育機関として重

要なものであり、地域社会の認識を高めるための方策も考え

ていかねばならない。

 青年団体活動の育成助長については、地域青年団体が団員

の減少、マンネリ化した行事を踏襲しているという中で、こ

れをのりこえ青年自体の活動として充実向上させるためには

指導者はもちろん、中堅青年の養成こそ重要な課題であり、

それらを核として小集団活動により盛り上げるため、青年国

内研修、青年団体指導者研修会をとおして、これが養成を図

るとともに健全な地域活動を推進するための基礎づくりに努

めた。特に、今年は国内研修を北海道において実施した結果

悪条件の中で開拓精神にもえて意欲的に地域づくりに取り組

んでいる姿に接し、大きな刺激となり、自信と意欲を与えた

ものと思われた。

 また、中学校を卒業し、直ちに就職した青年を対象とした

新就職者研修会は、職業人・社会人としての自覚を高めると

ともに団体活動に積極的に参加する動機づけとなり大きな効

果が認められるので、都市における勤労青年の組織化のため

にも、今後、大いに意を用いなければならないところである。

 本年は、事業を進めるにあたって、猪苗代町に建設された

国立磐梯青年の家を利用したが、青少年指導に大きな効果が

認められるので、今後、積極的に活用し、教育効果を高めて

いくべきであると考えている。

 2 少年生活指導研究協議会

(1) 趣    旨

  社会における少年の生活指導の充実のため、市民性の陶

 冶を課題として、少年団体の指導者養成、少年団体の育成

 を実施しているが、これら事業の成果の普及と、よりいっ

 そう効果的な事業の運営をはかり、あわせて地域の実情に

 応じた、少年教育振興方策について研究協議する。

(2) 期日 41.6.2〜4

(3) 会場 耶麻郡猪苗代町 国立磐梯青年の家

(4) 講師 県立会津高等学校長  田中平作

     国立磐梯青年の家 専門職

     県教育庁 社会教育課員

(5) 参  加  者

 1) 市町村社会教育委員

 2) 市町村教育委員会少年教育担当者

 3) 子ども会、少年会、BS、GS等少年団体の育成団体

  代表

 4) 少年の生活指導に積極的にとりくんでいる者

(6) 内    容

 1) 講義  「少年指導のための望ましい人間像」

 2) 事例発表「わが市における少年団体指導者育成につ

  いて」 会津若松市教育委員会

 3) 全国子ども会等少年団体育成指導委員研究協議会の状

  況報告 南会津郡下郷町教育委員会

 4) 研究協議 「市町村における少年生活指導計画につい

  て」

  ア. 子どもの生活実態のは握と余暇利用について

  イ. 少年団体指導者の計画的養成

  ウ. 子ども会等の育成組織と活動

  エ. 子どものための施設とあそび場

  オ. その他少年生活指導の諸問題

 5) 実技 歌とキャンドルサービス

 6) 効    果

   少年教育に対する一般的関心はたかまりつつあるが、

  地域における施策がいまだじゅうぶんでない。 これが

  推進にあたっている関係者が、各地との交歓をとおして

  子ども会の育成、生活指導の重要性を理解し、これから

  の地域の子ども会指導に自信と意欲を持つことができた。

 3 少年団体指導者研修会

(1) 趣    旨

  子ども会等少年団体の育成指導にあたっている者または

 あたろうとする者に対して、その育成指導に関して必要な

 知識・技能を習得せしめ、もって県下少年団体の育成に資す

 る。

(2) 期日・会場・参加者数
対象地区別 期日 会場 参加者数
県南方部 41.7.22〜24 塙町公民館 48
会津方部 41.8.8〜11 田島町会津経営伝習農場 53
浜方部 42.1.6〜8 浪江町体育館 72
県北方部 42.1.5〜7 飯坂町公民館 32
目的団体 41.10.22〜24 耶麻郡猪苗代町国立磐梯青年の家 30

(3) 講   師
福島大学教育学部教授 田口孝之
ボーイスカウト福島県連盟事務局長 宮崎義宜
郡山市青少年団体連絡協議会指導員 石渡正道
福島大学教育学部助教授 徳田安俊
いわき市湯本公民館長 国井一美
富岡第一中学校教頭 山田良
郡山市教育委員会保健体育課主事 国馬善郎
郡山市立橘小学校教諭 菊地理夫
県立会津高等学校長 田中平作
南会津郡下郷町教育委員会教育長 弓田四郎


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