教育年報1966年(S41)-173/194page

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          第2次実験授業

  ア. ね ら い

    第1次実験授業でとらえた問題点を解決し、思考力

   を育て認識を深めるための学習指導の条件をは握する。

  イ. 仮   説

    個別学習と集団学習の相補は、学習者個々の思考を

   育てるのに役立つ。

   〇個別学習は、課題意識を持続させ、かつ思考の素材

    としての事象、事実の獲得、概念化、心像化に有効

    で個々の思考のための前提条件を満たすのに役立つ。

   〇小集団学習は、学習者個々の思考結果を基礎にして

    小集団を構成する学習者個々の総和以上の働きをも

    ち、個々に応じた学習を成立させるのに役立つ。

  ウ. 結果についての要約

    課題意識の持続は種々の要因のなかで、個別学習に

   よって自ら探究する操作によることが効果をあげるひ

   とつであり、小集団学習では、個別学習による学習結

   果がひとりひとりに保持されていること。小集団

   学習のための学習方法の訓練が徹底されていることが

   機能的相補の要ていである。

          第三次実験授業

  ア. ね ら い

    第1、2次実験授業の結果残された問題を究明し、

   思考力を高める学習指導の条件について資料を得る。

  イ. 仮   説

    地理的思考力は学習指導過程において

   〇分布認識、関係認識、地域性認識の段階の構成、

   〇学習者が課題意識をもち、課題意識に支えられて自

    ら追求する過程

   とが有機的に関連させて構成された時に高まる。

  ウ. 結果についての要約

    分布認識による地域構造の見通しと学習者自らによ

   る関係は握の探究操作は、課題意識を強め、持続させる。

   これらは地理的思考力を高めるひとつの要件であると

   考えられる。

 3) 今後のみとおし

   第3次実験授業および各調査の結果を総合し、明年度

  以後の実験研究についての仮説をたて、2年(歴史的分

  野) の学習指導についても研究領域をひろめたい。

         ―英  語  科―

 1) 研究の対象  中学1年

 2) 学力の実態調査

  ア. 福島県診断・標準学力テスト問題による。

   ・対象 前年度一年生全員 41・5・中旬実施

  イ. 全国学力調査問題による。(昭和40年度の調査問題)

   のうち、放送による問題を除いたもの。正味36分)

   ・対象 前年度一年生全員  41・6・中旬実施

  ウ. 福島県診断・標準学力テスト問題による。

   ・対象 本年度一年生全員  42・3・中旬実施

  エ. 全国学力調査問題による。 (イに同じ)

   ・対象 本年度一年生全員  42・3・中旬実施

    前年度一年生についてみると、福島県診断・標準学

   力テストの結果は県標準よりやや上まわっている。

   (学力偏差平均53.2) 。全国学力調査問題では「発音」

   「語の意味」 「文の意味」「語の運用」はほほ全国な

   みであるが、「文の転換」「文型の運用」の到達率は、

   それぞれ59%、78%とかなりの低率を示している。こ

   れを技能面に視点をすえて見ると「聞く・話す」技能

   は全国なみであるが、「読む」技能(内容は握) はや

   や劣り、「書く」技能(英文構成) にはかなりの問題

   が残されているといえる。

 2) 意識の実態調査

   ・対象 本年度一年生全員

  ア. 第一次意識調査  41・ 5・中旬実施

  イ. 第二次意識調査  41・10・中旬実施

  ウ. 第三次意識調査  42・ 3・中旬実施

    「進路希望」「好きな教科」などの一般的な調査項

   目のほかに、とくに生徒達が授業および家庭で、ひと

   りでたちむかう学習活動の場をとらえ、どこにどのよ

   うな抵抗感をいだくものであるか。またそれらが学習

   の進展につれてどのように変容するものなのかを知る

   目的でおこなわれた。1、2回の間で、もっとも目立

   っている点は

   (ア)授業では「英問英答」と「口頭英作」に抵抗感が

    増していること。

   (イ)家庭学習では、当初暗唱に対してあまり抵抗感を

    いだかなかった女子が、2回目ではかなりの抵抗感

    を示すようになっていること。男子は1、2回とも

    女子は2回目、暗唱と書取練習とに対する抵抗感が

    ほとんど一致していることである。

     このことは、生徒にとって暗唱(話すこと) 書取

    (書くこと) との間にきわめて密接な関連があるこ

    とを示し、それゆえに暗唱と書取練習とを有機的に

    学習させ得る指導法とその学習方法訓練が必要であ

    ると思われる。

 3) 授業研究

  ア. 第一次授業研究  41・6・中下旬

    一般的な指導過程における各学習活動の効果的な運

   用を中心命題とする授業整備。

  イ. 第二次授業研究  41・9・中下旬

    第一次授業研究をもとに、四技能を有機的に習得さ

   せる指導過程および個人練習と全体練習の効果的な結

   合を中心命題とする授業整備。

  ウ. 第三次授業研究  41・11・中下旬

    第一・二次授業研究をもとに、生徒の類推力による

   学習推進を中心命題とする実験授業。

 4) 教材研究および各種指導法の検討

 5) 今後のみとおし

   本年度みいだされた問題点の総合的な検討にたって、

  明年度以後の実験研究についての仮説をたて、中学一年

  の学習指導法の改善をはかりたい。

 5 高等学校における学力形成過程の追跡的

   研究

(1) 研究の目的

  高等学校入学時における学力と入学後の成績との関係を


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