考え方などの実態調査である。2部(C2)は、子どもの
友人を「学校での友だち」「家に帰ってからの友だち」
「異性の友だち」の3つに分け、学校の友だちについて
は、親友の有無、友だちとの話し合いの内容、友だちへ
の信頼感・遠和感などについて、家に帰ってからの友だ
ちについては、つき合っている友だちの人数、つき合う
度数・内容についての実態などについて、異性の友だち
については、異性の友人の有無、種類、異性の友人をも
つことへの欲求、男女交際の諸経験、異性の友だちに対
する親の態度などについての実態調査である。
3部(C1)は、共同調査問題の原案にはあったが、種々
の事情で共同調査からはずされたもので、しかし本県と
しては、重要と思われる問題の追加調査である。したが
って、調査結果は、「調査の結果と考察」の家庭におけ
る人間関係(家庭のふんい気、父母への信頼と愛情)友
人関係(友人の形成過程)等に部分的にはいっている外、
教師に対する意識、教師観の基礎になったものである。
なお、3部の調査問題中、1と2は、大阪府下教育研
究所共同研究の調査問題を若干修正して使用させていた
だいた。
8.研究結果の普及
研究結果については、本庁ならびに教育事務所の指導主事
への研究中間報告会、研究紀要の刊行などをとおし、その内
容の理解をはかり、指導の資料として活用されるよう、その
普及にも配慮した。
(1) 所報および研究紀要の発行
教育に関する調査、研究の結果得られた資料や、教育内容
方法の改善のための必要と思われる資料を提供するととも
に、当教育研究所の研究内容を広報し本県教育の向上に資
する目的をもって「研究所報」を年5回発行し、それを県
内の小・中・高校に配布し、活用に供した。
さらに、当教育研究所で取りあげている研究については、
その結果を「研究紀要」として発刊し、各学校に配布し、
指導改善のための資料として活用できるようにしている。
本年度発刊の所報のおもな内容および紀要は次のとおりで
ある。
1) 研究所報の内容
ア. 学習理論の学習について (10号)
イ. 主体的学習について (11号)
ウ. 科学的ということ(教育研究の進め方) (12号)
エ. 学習指導改善をすすめるために (13、14号)
2) 研究紀要
ア. 地域研修生の研究報告書(第3期生)
イ. 福島県標準・診断学力検査結果の分析研究(紀要55)
ウ. 実態調査からみた子どもの人間関係(紀要56)
(2) 研究報告会
研究所がおこなっている各種の研究の内容について中間
報告し、研究の進め方について意見をもとめ、充実した研
究とするためとともに、研究の内容を理解し、指導のため
の資料として活用することを目的として、本庁および教育
事務所の指導主事への中間報告会を行なった。
1) 期日、内容
昭和42年2月17日・18日の両日
ア. 第1日、研究内容の報告(所員)
〇戦後の福島県における教育史の研究
〇地域教育振興に関する研究
〇高等学校における学力形成過程の研究
〇学習指導法の改善に関する研究
〇生活指導に関する研究
〇全国学力調査結果の分析的研究
イ. 第2日 研究所長の発表と懇談
〇学習指導改善をすすめるために (研究所長)
〇現場における研究の推進についての懇談
2) 会場、参加者
ア. 会場は福島市飯坂町、福島県婦人会館
イ. 参加者 本序および教育事務所指導主事
第3節 研 修
研究所において行なう教職員の研修は主として、長期的に
行なわれる研修および、教育研究法を習得し、地域の教育活
動の推進をはかることを目的とする研修で、本年度に実施し
た研修事業とその内容は次のとおりである。
1 長 期 研 修
(1) 目 的
研究所でとりあげている研究に現場の教員を参加させ、
学習指導法および教育研究法を体得させ、学校および地域
における教育活動の推進者とする。
(2) 研究内容
1) 国語、社会、算数、数学、理科、英語についての教材
研究
2) 児童・生徒の認識、思考過程の分析
3) 望ましい学習指導法
4) 学習指導と生活指導の統合
5) 小学校、中学校一貫した教育の進め方
6) 高等学校における数学、英語の学習指導法
7) 福島県診断・標準学力検査問題の作成
8) 福島県における戦後の教育変遷
9) 全国学力調査結果の分析
(3) 研究の場所
1) 福島県教育研究所
2) 「地域教育振興に関する研究」の実験学校、伊達町立
小、中学校
3) 「学習指導法改善のための研究」の実験学校、福島市
立松陵中学校
(4) 研修の期間
昭和41年4月1日より昭和42年3月31日までの1ヵ年間
(5) 研修員
本年度は、中学校教諭5名、高校教諭2名計7名で、担
当教科の内訳は、国語2、社会2、理科2、英語1となつ
ている。
2 地域研修指導者養成講座
(1) 目 的