教育年報1966年(S41)-181/194page

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県立図書館

   第1節 概     要

 1 は じ め に

 昨年度は館内サービス態勢の強化ということで大幅な模様

替を実施したが、その効果がどうあらわれたかということは、

第1に成人の利用者がはしめて3万人台に達したことと、そ

れにともなって、第2に館外貸出冊数が大きくのびて16,000

冊台になったということから(表2〜4参照) 、長年の努力

目標である「いかにして一般成人の利用を増大させるか」と

いうことが徐々にではあるが、結果としてあらわれてきたこ

とは喜ばしいことである。しかし図書館はまだまだ一般の人

にとっては敷居の高い施設である。図書館を利用しようとし

て図書館の前まで来ても玄関であきらめてしまうようなこと

がありはしないか。われわれは絶えずこういう反省の上にた

って、「受験期には図書館は超満員…」といった図書館運営

から脱却する努力を講じていかなければならない。

 次に人事面で、特に館の運営を左右する館長職において、

戦後新しい図書館の揺藍時代から営々努力し、今日の近代図

書館としての姿を作りあげた桑原善作が4月1日付をもって

退任し、後任には社会教育課長丹野清栄が兼任館長として就

任、多忙な身にもかかわらず、特に対外活動の分野において、

社会教育関係者との密接な連けい組織づくり に尽力し、地方

社会教育関係者の図書館への理解、読書活動の必要性の認識

という、今まで図書館自体では容易になし得なかったルート

の開拓という大きな業績を残した。

 明けて42年2月1日付で県立内郷高等学校教頭鈴木一が館

長に就任し、図書館も一時代を画することになるであろう。

 ついでにふれるなら郡山市図書館長山崎義人氏41年10月退

任、白河市図書館長本間昇氏42年4月退任という県内図書館

界の状況である。

 次に資料収集の面においては、資料館としての立場から、

本県に関する古文書等の収集のために緊急整備費という形で

予算確保できたことは特筆されるべきことで、今後こうした

面の収集にあたっては、県内に存在するものは、なるべく寄

贈或いは寄託の形で収集し、後世の県民への遺産として保存

したい。今年度は本県の生んだ明治の算学者佐久間纉(庸

軒:文政2年〜明治29年、田村郡船引町) の家族より氏の著

わした算学書約200点の寄贈をうけた。(佐久間纉について

は館報あづま'64の8月号参照) 。

 このように隠れた郷土の貴重な資料については、図書館職

員の力だけでは発見も困難であり、各方面の方々が絶えず、

そういう注意の眼を向けていただき、保存に協力をしていた

だきたいと希望する。

 2 図書館協議会

(1) 委員氏名

 昭和40〜41年度

  大竹謙蔵県議会厚生文教委員長

石井政男 石城郡四倉町公民館長

片平太吉 福島市立大鳥中学校教頭

三本杉国雄 福島市教育委員会教育長

白岩和夫 県立福島女子高等学校教頭

高木ツネ子 県婦人団体連合会常任理事

立谷麗子郡山市教育委員

寺内久平 NHK福島放送局長

平井 博 福島大学教育学部長

宮森啓治 県小中学校PTA連絡協議会副会長

昭和42年〜43年度

猪俣シズエ 県婦人団体連合会副会長

三瓶正弘 県議会厚生文教委員長

国分伝三 県小中学校PTA連絡協議会副会長

三本杉国雄 県立福島高等学校長

白岩和夫 県立小野高等学校長

塩川朝夫 福島民報社常務取締役編集局長

新村邦吉 福島市立西信山学校教諭

平井 博 福島大学教育学部長

松井司観 県公民館連絡協議会副会長

渡辺久 県社会教育委員

(2) 協議会の開催

 第 1 回

  日  時  11月9日

  場  所  県立図書館

  出席委員  8名

  協議事項

  〇昭和41年度図書館運営の概要について

  〇昭和41年度当初予算について

  〇望ましい図書購入費と当館の図書購入状況について

  〇対外活動の現状分析と今後の課題について

 第 2 回 (新委員による)

  日  時  3月24日

  場  所  県立図書館

  出席委員  8名

  議  長  平井  副議長 三本杉  ときまる

  報告及び協議事項

  〇昭和41年度の事業報告について

  〇昭和42年度予算について

  〇昭和42年度事業計画について

   (1) 館内奉仕計画について

   (2) 館外奉仕計画について

   (3) 普及文化事業について

   (4) 館報「あづま」の発行について

   (5) 資料の収集方針について

   (6) 蔵書目録の刊行について

  協議内容

   (1) 館内奉仕については、貸出しを図書館運営の中心

    にすえ、なるべく多くの利用者に貸出すサービスを

    前面に出し、その伸長を図るためには、現在の二階

    閲覧室を公開書架が並んだ公開書架室にし、閲覧室


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