教育年報1966年(S41)-182/194page

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    と貸出室を分けるパターンにしたい。

   (2) 利用者が図書館へ足を運べる地域(図書館を中心

    として)及び、利用する層とその図書について具体

    的に把握する必要がある。

   (3) 対外活動については、県内各地の現状にかんがみ

    まだまだ第一線図書館としの移動図書館を巡回させ

    るべきである。それには車と図書の増加ということに

    努力をしなければならない。

   (4) 資料の収集にあたっては後世に残すべき貴重な資

    料はもらすことのないようにしたい。これについ

    ては特に今年度から緊急整備費という予算措置もで

    きたので、万全を期したいが、委員各位にもせめて

    県内に存する貴重資料等については眼をむけていた

    だきたい。

  第2節 整理事務

 1 資料の収集

 資料の収集にあたっては、前年度にひきつづき、各部門の

参考図書、学術書などの基本的な図書を重点的に収集するこ

とに努めた。一方、昭和41年度の資料購入費は、館内用図書

215万円、館外用図書160万円であった。このうち館内用資

料購入費で購入した図書は1,616冊で平均単価は1,516円で

あった。冊数で前年比4.3%、平均単価では26.3%の上昇率

である。ちなみに、日本における年間出版点数は、出版年鑑

によると新刊のみで約13,000点であるから、本館における年

間購入冊数は、年間出版点数の約12%にすぎないわけである。

したがって、利用者に対する資料の提供も充分でないし、貴

重な資料の相当数の購入を見合わせざるを得ない現状である。

表1   昭和41年度年間増加冊数(分類別)
  購入 寄贈 編入
(館外奉仕用)        
総記 86 23 145 254
哲学 63 2 6 71
歴史 258 31 31 320
社会科学 180 169 142 491
自然科学 45 4 17 66
工学・工業 45 12 38 95
産業 70 36 50 156
芸術 68 62 48 178
語学 18 0 7 25
文学 293 28 20 341
児童 28 0 0 28
小計 1,154 367 504 2,025
(館外奉仕用) 4,053 337 1 4,391
総計 5,207 704 505 6,416

 2 寄贈図書

 中央官庁や各種団体の報告、諸統計あるいは民間会社の社

史、研究、宣伝、紹介物、また大学、研究所等の研究紀要など

の貴重な資料は、例年数多く寄贈されてきたが本年度は図書

1,744冊、新聞80種、雑誌216種に達し、これらの資料は、

利用者の調査研究のための貴重な資料として分類整理し、利

用に供した。

 3 整     本

 整本の仕事は、新聞、雑誌などの合本製本と利用のはげし

い自動車文庫、貸出文庫等の図書、館内閲覧用の修理などで

あるが、本年度処理したのは、一般図書1,024冊、新聞合本

384冊、雑誌合本1,158冊、その他620件であった。また県内の

学校図書館関係者の要請に応えて、技能員を派遣してつぎの

2ヵ所で簡易製本技術の指導にあたった。

 簡易製本講習会

 期 日 昭和41年10月26日

 会 場 県立郡山女子高等学校

 主 催 県立高等学校司書研修会

 参加者 県立高等学校図書館主任、司書約30名

 期 日 昭和42年2月28日

 会 場 郡山市立赤木小学校

 主 催 郡山市学校図書館教育研究会

 参加者 小・中学校図書館主任、司書補約30名

 4 蔵書目録

 昭和30年から、重点継続事業の一つとして着手した蔵書目

録の公刊は、昨年度の「文学篇2」をもって、郷土資料をふ

くむ全部門を一応完成した。本年度は各部門にわたるその後

の増加図書約18,500冊を収録して「増加図書目録」を刊行し

た。この目録の刊行にようて、今後に予定される増加図書目

録は年刊の形で提供できるようになった。

 5 図書の選定

 自動車文庫、貸出文庫等のための館外用図書は、学識経験

者10名に図書選定委員を委嘱し、毎月第2水曜日を定例日と

して選定委員会を開催し2,400冊の図書を選定した。

 福島県立図書館図書選定委員

 (任期は41年4月から42年3月まで)

  片平幸三福島市立北信中学校教諭

喜吉亮 福島大学付属小学校教諭

朽葉繁子 労働省福島婦人小年室長

佐々木信夫 桜の聖母短期大学助教授

柴生由潤 医師

白石マツ 福島県婦人教育指導員

清野彦吉 福島県史編纂室嘱託

田村由岐 主婦

西山泰三 福島県農業協同組合講習所員

八木美代子 主婦

  第8節 館内奉仕

 「公共図書館の本質的な機能は、資料を求めるあらゆる人

々やグループに対し、効果的にかつ無料で提供するとともに

住民の資料要求を増大させるのが目的である。」といわれてい

るように、従来の館内閲覧中心から脱却して貸出業務に主力

を注ぐことが、今後の公共図書館が利用者に対するサービス

の向上であると考えられるので、


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