教育年報1967年(S42)-080/194page
なった。
・ 予習的課題の授業にどのように位置つけるか。
(ウ) 教科、教材の特質に応じた指導過程の研究がよく
できるようになった。
(エ) 思考過程に即した教材の配列と提示のし方がよく
なった。
(オ) 学習方法訓練の組織化と系統化と、基礎学習方法
の訓練と一般学習方法訓練がよくできるようになっ
た。
(カ) 指導過程におけるたしかめとノートの指導がよく
なった。
(キ) 個別指導がよく行なわれるようになり、授業にお
いても自由に発言できるようになった。
13) 大沼郡会津高田町立永井野小学校
ア. 校 長 長嶺寿美
イ. 主 題 「主体的学習態度を育てるための指導過
程をどうすすめたらよい力」
ウ. 成 果
(ア) 家庭学習に対するとりくみ方が変わってきた。
児童と教師の話し合いによって予習課題の引き出
しができるようになってきたし、それが家庭学習へ
の意欲づけとなってあらわれている。
(イ) 朝自習(予習課題のたしかめと授業への準備)に
よって児童の理解度のようすをしり、指導の見通し
をつけることができるようになった。
(ウ) 児童の発表力がむらなくなりなくついてきた。
発表しようとする要点をまとめ、責任ある態度で
のぞんでいる。
(エ) 発問のくふうによって、ひとりひとりの児童をた
いせつにする教師の指導態度ができてきた。
学習への喜びと意欲づけがなされている。
(オ) 思考の場、たしかめの場、練習の場としてのノー
ト作りが、学習したことを常に主体的にたしかめな
がら学習できるようになり、教師の課題に対してむ
らなくとっくんで書くようになってきた。
(カ) 学習の場だけでなく日常生活全般についても、い
ままで以上の自主的・協力的な面がうかがわれ、好
ましい姿として喜んでいる。
14) いわき市立湯本第一小学校
ア. 校 長 高木百枝
イ. 主 題 「教科の本質に基づき、児童の主体的学
習態度を確立させるために、授業の体質をどう改善し
たらよいか。」小主題「学習訓練としたしかめの充実、
ひとり立ちできる言語学習(特殊学級)。」さらに主体
的な児童の具体像として、
「・めあてをもって学習する子ども、・よろこんで
学習する子ども、・よく聞きよく話し、よく考える子
ども、・きまりを守って学習する子ども、・ねばり強
く学習する子ども。」
ウ. 成 果 基本的な実践の態度として
(ア) 正常な学校経営形態の中で、研究実践の深まりを
みた。
(イ) 正常な勤務形態、通常の予算経費の中で研究実践
をどう進めるかについて研究を深めた。
〇 主体的な学習態度としては、学習の意味を自覚さ
せその目的を達成するために、意欲的に、積極的
に立ち向かい自己を洗練していく態度を養うよう
校内の研究組織をたかめて実践にあたった。
〇 校内の学習環境の整備とともに児童は教師の発問
に対して極めて活発になり、学習内容についても
既知を土台として未知を探究するのぞましい姿に
なってきた。教師の授業研究も焦点をきめ計画的
に実践されている。
15) 双葉郡双葉町立双葉中学校
ア. 校 長 矢沢一
イ. 研究主題 「学習意欲を高めるための指導法」
ウ. 成 果
生徒の実態を分析して、研究主題にせまるために、
教材の構造化と授業の組織化について研究を進めた。
(ア) 教材の構造化についての共通理解を深め、教材の
本質と教材研究の深化を図り、授業の組織化を授業
分析による授業研究をとおして進めつつある。
(イ) 生徒指導資料ならびに実態は握と変容調査の基礎
資料のために、各種調査(新成就値の算出等)によ
り個人指導の具体化をはかるようにつとめている。
(指導記録簿を改正して)
(ウ) 効果的な学習指導法をテーマとする進路指導につ
いては、全体構造の再確認をして、年間指導計画を
改訂し、実質的な時数の確保とともに、授業研究を
進め、進学・就職指導等の適正を図り、就職生会報
等により卒業後の定着補導を行なっている。
(エ) 地域社会(PTA)の協力態勢の強化をはかり、
改善の方向がみいだされている。
16) 相馬郡小高町立金房小学校
ア. 校 長 牛渡治
イ. 研究主題 「既知事項をもとにして次の段階へと考
えさせるにはどう指導したらよいか」
ウ. 成 果
(ア) この学習をさせるために、ぜひ必要な既知事項は
何かを教師が確実につかみ、その徹底の上に次の学
習を組みたて指導することによって、児童は学習の
発展を知り、自分の力で学習しようとする意欲があ
らわれてきている。
(イ) 特に前時の学習と本時の学習との関連、これにと
もなう家庭学習と授業との結びつきをはかり、指導
することによって、児童は受け身的な学習より能動
的な学習への芽ばえがあらわれてきた。
(ウ) 教科の本質を考え、教材研究、指導技術の改善、
児童のつまづきの原因等を中心に授業研究を実施し
てきたことにより、教師は教科毎に教科の精選のし
かた、児童の主体的活動のさせかた等を会得し、日
常指導の効率化への自信を得た。
(エ) 学習方法の訓練を重視して指導したことにより、
児童はようやく家庭や学校における個人学習のしか
たや授業時における発表、診断、相互学習の方法等
を理解しはじめ、学習活動がいきいきしてきた。