教育年報1967年(S42)-144/194page
4 文化財の調査
(1) 指定候補文化財調査
調査物件 所在地 調査月日 調査者 石造阿弥陀三尊来迎供養塔 岩瀬村 7.26〜27 田中委員 板碑供養塔 〃 〃 〃 桐文木彩漆笈 須賀川市 8.5〜6 高瀬委員 摺上川峡谷 福島市 8.10〜12 三本杉委員 仏立寺の古鏡 相馬家系図 相馬市 〃 8.7〜9 庄司委員
菊池委員熊野神社本殿、円満寺観音堂 喜多方市
西会津町8.10〜13 草野委員 古民家調査 白河市
西郷村8.6〜8 〃 木造大田如来坐像ほか 郡山市 7.9 菊池委員
田中委員束松、駒止湿原 会津坂下町
昭和村9.22〜24 吉岡委員 明治建築、古民家 桑折町 2.22 草野委員
(2) 東北縦貫自動車道建設地域埋蔵文化財調査
東北縦貫自動車道の建設によって破壊される埋蔵文化財
の適正な保存をはかるため、決定路線区域の埋蔵文化財所
在調査ならびに、発掘調査のため予備調査を実施した。
1) 所 在 調 査
決定路線の発表に伴い、関係市町村教育委員会ならび
に地元の考古学研究者の協力を得て、埋蔵文化財の所在
状況の確認調査を行なった。
調査区間 調査月日 埋蔵文化財碓認数 須賀川〜二本松 6月20日〜7月1日 25ケ所 西郷〜須賀川
二本松〜安達12月7日〜15日 29ケ所
2) 予 備 調 査
所在調査によって確認された埋蔵文化財の規模・性格
等を調べ、発掘調査計画書を作成するため、埋蔵文化財
調査委員(考古学専攻者9名)による予備調査を実施し
た。
〇 期 間 2月10日〜3月25日
〇 調査数 38ヶ所
(3) 新産地区民俗資料調査
新産都市地区において開発事業が急速にすすめられるの
に伴い、地域住民の生活様式が急変し、このため生活・生
産等に関する民俗資料が消滅・散逸する現状にあるので、
用具等の収集保存を中心とした有形・無形の民俗資料の詳
細調査を実施した。
〇 調査期間 42.8.8〜13日 (6日間)
〇 調査員 県文化財専門委員(民俗担当)および県内
民俗学研究者
〇 調査地区 いわき市旧鹿島地区
〇 調査内容 衣食住、生業、一生の儀礼、年中行事、昔
話と伝記、民謡わらべうた、民俗芸能、村
の組織等
(4) 民俗芸能緊急調査
文化財保護委員会では、民俗芸能の無形文化財の指定を
すすめるため、昨年に引続き全国各地の民俗芸能のうち、
特に重要な価値を有するものの緊急調査を実施することに
なり、本県では次の民俗芸能が選ばれ、委託を受けて記録
作成を行なった。
〇 対象芸能 御宝殿の田楽と獅子舞 (いわき市勿来)
〇 記録内容 8ミリ映画 (カラーを含む)録音、写真(カ
ラースライドを含む)、文書記録
(5) 重要遺跡調査
文化財保護委員会からの依頼により、重要遺跡の緊急指
定のための資料作成を次のとおり実施した。
(遺跡名) (所在地) (担当者)
神谷作古墳群 いわき市平 渡辺一雄
桜井遺跡 原町市 竹馬国基
天神沢遺跡 鹿島町 〃
横手廃寺跡 〃 渡部晴雄
上野尻遺跡 西会津町 梅宮茂
外出遺跡 〃 鈴木啓
亀ヶ森遺跡 会津坂下町 小滝利意
鎮守守古墳 〃 〃
原田遺跡 塩川町 〃
蟹沢浜遺跡 猪苗代町 〃
(6) 民俗芸能所在調査
県内各地に遺存する民俗芸能を広く調査し、記録作成等
保存を講すべく所在、伝承記録作成等を行なった。
5 文化財の普及・公開
(1) 第17回県民俗芸能大会
県教育委員会、会津坂下町、同教育委員会、福島民友新
聞社の共催により、主として会津方部に伝承されている民
俗芸能を一般公開し、あわせて、出演芸能の記録作成を行
なった。
〇 期 日 42.9.2
〇 場所 会津坂下町体育館
〇 上演種目
栗生沢の三匹獅子 田島町 栗生沢若者団
西勝の彼岸獅子舞 会津高田町 彼岸獅子保存会
坂下の大神楽 会津坂下町 坂下町大神楽保存会
栗村神社御田植祭 〃 栗村神社御田植祭保存会
伊佐須美神社の大 会津高田町 伊佐須美神社楽々神楽
相馬民謡と踊り 相馬市
冬木沢の空也念仏 河東村 空也念仏光陵会
本郷甚句 会津本郷町
(2) 第9回北海道・東北ブロック民俗芸能大会
8月20日岩手県盛岡市公会堂において、北海道・
東北各県教育委員会の主催による北海道・東北ブロック民俗
芸能大会が開催され、本県からは、東白川郡玉川村の
「花笠念仏踊」が出演した。
(3) 巡回文化財映画会
国民一般の文化財に対する理解と関心を深め、文化財保
護思想の高揚をはかるため、文化財保護委員会の企画によ