教育年報1967年(S42)-146/194page

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も、ようやくその成果が見えはじめたというのが現状である。

 本年度は、県推進委員も非常に熱心に協力されて、推進事

業場に対し、数度にわたって訪問指導を実施するなど、また、

事業場間の交流視察を行なってその実をあげている。本年2

月各事業場と県推進委員の合同研究協議会を中央・地元の講師

を交えて開催されたが、やはりいくつかの問題が今後に残さ

れた。それは、労使協調の問題であり、この運動推進にあた

っては、最も重要なことである。この運動では、労働運動な

どには全く介入するものではなく、労使双方の理解を必要と

する。

 来年度は、県内にさらに推進事業を選定拡大して、運動の

盛りあがりをはかりたい。また、推進内容としては、各事業

場間の視察交流、現場における話し合い、事業場内での研究

集会等が最もし激的であり、効果的であると思われる。現在

最も活発にこの運動を展開し、研究している事業場は、次の

とおりである。

  郡山市  日本全薬工業株式会社

   〃   福島県中央信用販売株式会社

  須賀川市 笠原工業(株)須賀川工場

 3 環境づくり市民運動

 この運動は、都市部を対象としたいわゆる町づくり運動で

ある。従来は、国土美化運動と称して、実践活動を主体とし

た外形的運動であることをスローガンとしたが、昭和42年度

からは名称も「環境づくり市民運動」と改めて、生活環境に

最も多くの問題を有する都市・市街地を重点対象とし、従来

の実践活動にあわせ、その終局の目的を、各地域、職場、学

校、家庭などを通じて、よき市民であるための市民性を高め、

公共精神をやしなうなど、精神的な運動をめざしたものとな

った。

 現在県内には、福島市にモデル地区として、松木町親和会

が推進委員会を結成し、郡山市では従来からの「まちをきれ

いにする会」が当協議会の運動に呼応して共に推進をはかっ

ている。また、会津若松市では、市の婦人会などが中心とな

って、現在全市的推進組織ができており、市民会議にまで発

展している現場である。

 今後は、関係者による研究集会などにおいての情報交換、

優秀地区の現場視察等を活発に進める必要がある。

 4 生活学校運動

 家庭生活全般にわたって主体的な生活態度を確立すること

をねらいとして、とくに混乱をひき起こしている消費生活の

面に焦点をあわせて運動を展開するものである。生活学校は、

ただその場で学ぶだけでなく、そのあとにつながる生活改善

運動が展開されることを目的としている。即ち、単なる「く

らしの工夫」である消費だけの勉強で終わるのなら、特に目

新しいものではなく、いわゆる事後処理が大切である。

 現在県内には、いわき市の勿来生活学校が2年校として、

同じく四倉生活学校と郡山生活学校が1年校として計3校が

あるが、43年度にはさらに2校を新設する予定である。


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