教育年報1967年(S42)-171/194page

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  本研究は、福島県の実情に即し、このような欠陥を改善

 し、教科の本質を生かした、発展的な学力を育成するため

 の学習指導法を実験研究によって究明し、本県における学

 習指導改善の資料にしょうとするものである。

(2) 研究の対象と方法

 1) 研究教科

   社会、理科、英語とする。ただし、理科は2年次より

  おこなう。

 2) 実験学校

   福島市立松陵中学校に委嘱する。

 3) 年次計画

   3か年継続研究とする。

  ア.  第1・2年次(昭和41・42年度)

    文献研究、仮説設定のための調査および授業研究、

   仮説の設定。

  イ.  第3年次(昭和43年度)

    実験授業を中心とした仮説の検証と研究のまとめ。

(3) 本年度(研究第2年次)研究の概要

        ―社  会  科―

 1) ね  ら  い

   主体的に問題解決学習にとりくむための指導過程の組

  織化をはかり、問題解決学習が発展的な学力の育成に有

  効であることを、実証的に研究し、学習指導の改善に資

  したい。

 2) 内    容

  ア.  学力の実態調査

   (ア) 福島県診断 標準学力テスト (小学6年)

      対象 1年生全員 昭和42年 6月実施

   (イ) 福島県診断 標準学力テスト (中学1年)

      対象 1年生全員 昭和43年 3月実施

  イ. 授業の実態調査

   (ア) 平常の授業観察 〇 学力検査にあらわれた学力の

   (イ) 授 業 研 究  欠陥の要因をさぐる。

  ウ.  仮説の樹立

    問題意識の保持発展、学習課題(学習の目標)につ

   らぬかれた問題解決の過程、思考操作、技能の習熟が、

   ひとりひとりの生徒に適したものを設定することによ

   って、問題を解決する力を高めることに有効であろう

   という仮説を設定した。

  エ.  検証構態の樹立=(実験授業)

   (ア) 第1回 題材 階と唐     43年  5月

   (イ) 第2回 題材 武士のおこり  43年  6月

   (ウ) 第3回 題材 濃尾平野の農業 43年  7月

   (エ) 第4回 題材 北海道の農業  43年  9月

   (オ) 第5回 題材 身分制度    43年  9月

   (カ) 第6回 題材 日本の農業   43年 10月

 3) 今後の見とおし

   検証構想に基づき実験授業を実施し、学習指導法の改

  善をはかっていきたい。

        ―理     科―

 1) ね  ら  い

   発見学習を効果的にするための指導過程の組織化と、

  発見学習が発展的な学力の育成に有効であることを、実

  証的に研究し、学習指導の改善に資したい。

 2) 内    容

  ア.  学力の実態調査

    実験学校の理科の学力を概観し、さらに、観点別、

   領域別に分析し、理科学習指導上の問題点をは握する

   ために実施した。

   (ア) 福島県診断 標準学力テスト (小学6年)

      対象 1年生全員  昭和42年6月実施

   (イ) 昭和40年度全国学力調査問題によるテスト

      対象 2年生全員  昭和42年6月実施

   (ウ) 福島県診断 標準学力テスト (中学1年)

      対象 1年生全員  昭和43年3月実施

  イ.  授業の実態調査

    平常の授業観察と授業研究をおこない、学力検査に

   あらわれた学力の欠陥の要因をさぐろうとした。

   (ア) 第1回授業研究     昭和42年6月

      題材  「水のなりたち」   (1年)

   (イ) 第2回授業研究     昭和42年11月

      題材 「浮    力」   (1年)

  ウ.  仮説の樹立

    知識注入に傾斜した学習指導を改善し、発展的・創

   造的な学力を生徒の身につけさせるためには、発見学

   習の理念と手法を導入することが有効であろうという

   仮説を設定した。

  エ.  検証構想の樹立

    発見学習を取り入れて、学習指導法を改善していく

   ために実験授業によって、次のことがらを究明する。

   (ア) 発見学習の指導過程をどのように組織化するかを

    究明する。

   (イ) 発見学習によって、転移力のある学力が育成され

    たかを測定し、発見学習の有効性を確かめる。

  オ.  第1回実験授業   昭和43年2月

     題材 「状態変化」   (1年)

    発見学習過程による授業において、教師の役割はい

   かにあるべきか、生徒の実態はどうか、教材の性格か

   らみて適している教材かなどを考察した。

 3) 今後の見とおし

  発見学習に適した教材を中心に実験授業を実施し、指

 導過程の組織化を実証的に明らかにし、発見学習は転移

 力のある学力を育成するために有効であることを検証し

 ていく。

        ―英     語―

 1) 研究のねらい

  ア.  機械的口頭練習の弊害を除去するために、日・英両

   語の発想や文の構造の相異を理解させる操作手順をう

   ちたてる。

  イ.  均衡のとれた4技能の運用力を高めるために、各活

   動段階での各技能の位置づけや関連を明確にする。

 2) 研究内容

  ア.  英語科における指導過程の組みたての再吟味。

  イ.  学習活動の型の確立と学習方法訓練の理論構成。

  ウ.  各段階ごとの各技能の設定と段階間の各技能の関連

   は握。


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