教育年報1967年(S42)-173/194page

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  ア.  第一次案の作成

    4月から6月中旬まで、上記の事前研究に併行して、

   第一次案を作成、学力検査問題作成審議会にかけた。

  イ.  第一回問題作成審議会 (6月27日)

    この審議会では、問題領域や観点の設定、ならびに

   既に作成されている問題の内容について検討を加えた。

    なお、問題作成審議会の構成は次のとおりである。

   〇 国 語 部 会

     福島大学教育学部助教授  鈴木久

     福島大学教育学部講師   渡辺義夫

     県教育庁指導課指導主事  斎藤正夫

     県教育庁指導課指導主事  宇田哲雄

     福島大学附属小学校教諭  三浦和夫

   〇 算 数 部 会

     福島大学教育学部教授   小泉孝治

     福島大学教育学部教授   紺野正平

     県教育庁指導課指導主事  村上啓正

     県教育庁指導課指導主事  岡部一三

     福島大学附属小学校教諭  北沼完

  ウ.  第二回問題作成審議会 (10月23・24日)

    この審議会では、第一回問題作成審議会で決定され

   た問題領域や観点をもとにして作成した第一次案の問

   題内容の妥当性について検討した。

  エ.  予備テスト (12月12日)

    第二回問題作成審議会で決定した問題の小間の正答

   率の配列が適当であるかどうかを検討し、問題の修正

   や補充の資料を得るために実施した。標本校は、地域

   類型と学校規模を考慮して9校を選定した。

  オ.  第三回問題作成審議会 (1月10日)

    この審議会では、予備テストの結果から修正補足し

   た第二次案について検討を加え、本テストの成案を作

   った。

(3) 標準化のための調査

 1) 標 本 校

   標本校の決定にあたっては、地域類型と学校規模によ

  り無作為抽出で31校を選定した。なお、各教育事務所管

  内に標本校がゆきわたるように配慮した。

   算 数  小学校3年 延2,482名

   算 数  小学校4年 延2,407名

   国 語  小学校6年 延2,756名

 2) 本テスト (3月5日)

   標本校における本テスト実施にあたっては、各教育事

  務所の指導主事をテスターとして派遣し、学校側のテス

  ト補助員の協力によって実施した。調査終了と同時に答

  案を回収し、採点・集計などの処理は研究所がおこなっ

  た。

 3) 標 準 化

   採点の結果から、正答率、標準点を算出することにな

  るが、この表の活用によって、この調査の目的が達成さ

  れるわけである。標準点は、標本誤差をなくすために換

  算Tスコーアで示すことにした。検査を実施した学校へ

  は、その結果を通知し、さらに、答案の分析をおこなっ

  て「診断と指導」の資料を報告書にまとめ、各学校に配

  布することになっている。

 6 「家庭と子ども」に関する研究

(1) 趣     旨

  昭和42年度から向こう3か年間、全国教育研究所連盟の

 共同研究として「家庭と子ども」に関する研究がとりあげ

 られた。

  本研究所としては、新産都市「いわき」「郡山」、およ

 びその周辺の農山村に焦点をあてて調査研究を進めるとと

 もに、それらの成果をもとにして積極的にこの研究に参加

 するものである。

  本稿では、研究計画というよりは、むしろそれ以前の、

 いわば研究の基本構想というべきものにふれることによっ

 て、研究の発想・背景・概略を明らかにするとともに、本

 研究の方向(視点)を明確におさえておきたい。(以下、

 主要事項については"共同研究資料No.2"より抜粋)

(2) 目     的

  日本の家庭が、今日いかなる教育機能を果たしつつある

 かの実態を、家庭の教育機能をささえている条件と子ども

 の生活や意識の上にみられる問題点との関連において明ら

 かにし、これからの家庭教育のあり方を考えていくのに必

 要な基礎資料を得ようとするものである。

  (注 = 基礎資料を提供する対象は、家庭の両親、社会教

 育機関、学校等 ―家庭の機能を代行しつつある機関が考

 えられる。)

(3) 研究内容の基本構造

1 基底的条件
(注=間接的な背景、今回の直接的な
調査の対象とはしない)
2 家庭の教育機能をささえる条件の分析
(注=3をささえる直接的な背景。)
a. 日本の社会の体質がつくりあげて
いる社会意識
a. 家庭の両親、保護者の社会意識
―子ども観
―家庭生活観
b. 社会の変化にともなってみちびき
出された社会生活上の問題点
b. 家庭生活の実態
―所属する社会階層
―家族構成
―親と子の接触度
c. 家庭の機能そのものの変化縮少。 c. 家庭外の集団や機関の果 して
いる役割と家庭に対する要望や期待
3 家庭の教育機能の実態の分析
(注=今回の調査の中核となるものである)
4 子どもの生活と意識の実態の分析
(注=2と3を子どもの側 からチェックする。)
a. 親の教育観
―子どもへの期待感
―発達についての認知度
a. 親の考え方に対応して
(2、3のaに対応して)
b. 家庭教育の実態
―しつけの重点
―しつけの担当者
―しつけのパターン
―しつけの方法
(注=ここでの"しつけ"は、"日常生活における
基本的行動"のみではない。
むしろ"家庭における両親の教育行動"
の意に近い。)
b. 子どもの生活の実態、そこにみられる問題点
(注=方法的には二つ考えられる。
1. 両親の考えを先に聞いておき、
「親はこのような考えだがあなたはどう思うか」と聞く。
2. 親と子どもから同一の解答を求めその差をみる。)

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