教育年報1967年(S42)-174/194page

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c. 家庭外の集団や機関に対
する教育的期待
c. 家庭外の集団や機関にお
ける生活の実態

(4) 研究問題設定の視点

  1については、今回の研究からははずされるが2・3の

 基底(背景)となるものなので、次の三点をふまえておく

 必要があろう。

  その一、親の子ども観、家庭生活観、教育観には、日本

 人固有の意識がはたらいていること。その二、技術革新の

 進行、消費生活の変ぼう、マス・コミ文化の浸透などが、

 家庭の教育機能に影響を与えていること。その三、社会の

 変ぼうにともない、家庭それ自身の機能が縮少し質的に変

 化してきていることである。

  2について、aについては、親は、子ども(家庭あるい

 は家庭生活)を本来どういうものとしてみているかが問題

 になるであろう。bについては、フェース・シートでとら

 えられる程度のおおまかな分類を考えている。

  3について、aの"発達についての認知度"では、親が

 子どもの身体的、情緒的、社会的、知的発達について、ど

 ういう認知のしかたをしているかを明らかにしていくこと

 が、ねらいになる。親の中には、子どもの発達の実態をみ

 ないで、親の側からだけの見方をしょうとしている傾向が

 みられる。つまり、外面的な規準による評価、成績主義、

 結果主義、標準にひきずられる傾向などである。

  4について、cでは、家庭外の集団や機関の生活や学習

 に、どの程度参加し、何を得ていると感じ、参加の意味を

 どうとらえているかなどを明らかにする。

 7 研究結果の普及

 研究結果については、本庁ならびに教育事務所の指導主事

への研究中間報告会および、各学校への研究紀要の刊行配布

などにより、その内容の理解をはかり、指導改善の資料とし

て活用されるよう、その普及にも配慮した。

(1) 所報および研究紀要の発行

  教育に関する調査、研究の結果得られた資料や、教育内

 容方法の改善のための必要と思われる資料を提供するとと

 もに、当教育研究の研究内容を広報し本県教育の向上に資

 する目的をもって「研究所報」を年5回発行し、それを県

 内の小・中・高校に配布し、活用に供した。

  さらに、当教育研究所で取りあげていく研究については、

 その結果を「研究紀要」として発刊し、各学校に配布し、

 指導改善のための資料として活用できるようにしている。

  本年度発刊の所報のおもな内容および紀要は次のとおり

 である。

 1) 研究所報の内容

  ア. 「授業を計画する」ということについて (15号)

  イ. 学力形成の根底

    ―相互主体性における対話の成立―   (16号)

  ウ. ブルナーの「教授理論の一般原理」に関説して

                       (17号)

  エ. 学校教育の機能と危機に関する議論   (18号)

 2) 研究紀要

  ア. 地域指導者養成講座報告書     (第四次生)

  イ. 地域研修終了生の研究報告書  (研究集録第1号)

  ウ. 高等学校における学力形成過程の研究 (級要57号)

  エ. 福島県診断標準学力検査結果の分析研究 (紀要58号)

     ―小学校3年・4年算数、6年国語の指導―

(2) 研究報告会

  本年度は伊達町地区の小・中学校を実験学校として研究

 を進めてきた研究の趣旨・内容について理解を深めるとと

 もに、今後の研究の進め方について意見を求め、充実した

 研究とすることを目的として、本庁ならびに教育事務所の

 指導主事への中間報告会をおこなった。

 1) 期日・内容

   昭和43年2月5・6日の両日

  ア. 第1日 (研究所)

   〇 研究の趣旨・内容について   (所長)

   〇 研究の経過と概要       (所員)

  イ. 第2日 (伊達中、伊達小、伏黒小、箱崎小)

   〇 小学校における授業研究と研究討議 (午前中、

    伊達小、伏黒小、箱崎小において)

   〇 中学校における授業研究と研究討議 (伊達中)

 2) 会    場

   研究所、伊達町地区小・中学校

  第3節 研    修

 研究所においておこなう教職員の研修は主として、長期的

におこなわれる研修および、教育研究法を習得し、地域の教

育活動の推進をはかることを目的とする研修で、本年度に実

施した研修事業とその内容は次のとおりである。

  1 長 期 研 修

(1) 目    的

  研究所でとりあげている研究に現場の教員を参加させ、

 学習指導法および教育研究法を体得させ、学校および地域

 における教育活動の推進者とする。

(2) 研究内容

 1) 国語、社会、算数・数学、理科、英語についての教材

  研究。

 2) 児童・生徒の認識、思考過程の分析。

 3) 望ましい学習指導法。

 4) 学習指導と生活指導の統合。

 5) 小学校、中学校一貫した教育の進め方。

 6) 高等学校における数学、英語の学習指導法。

 7) 福島県診断・標準学力検査問題の作成。

 8) 福島県における戦後の教育変遷。

(3) 研究の場所

 1) 福島県教育研究所

 2) 「地域教育振興に関する研究」の実験学校、

  伊達町立小・中学校

 3) 「学習指導法改善のための研究」の実験学校、

  福島市立松陵中学校

(4) 研修の期間

  昭和42年4月1日より昭和43年3月31日までの1か年間

(5) 研  修  員


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