教育年報1968年(S43)-055/197page

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ということであり、もう一つは、その時点において最善の教

育を営み得る条件をつくりだすことである。

 とくに、へき地の学校は概して小規模校であり、かつ分校

も多いため、単級や複式学級が多い。したがって可能なかぎ

り学校の統廃合を推進し、教育諸条件の改善、とくに、へき

地学校の教職員構成上の格差を解消し、へき地学校に優秀な

教職員を確保することが緊要である。

(1) へき地優先の人事行政の推進

  「昭和43年度末小・中学校教職員人事に関する方針」に

 おいて、「へき地学校の教職員組織の充実を期するため、

 都市、'平地、へき地相互間の交流を促進する」ことを重点

 事項にかかげるとともに、「実施要項」においても都市と

 農村、及びへき地との計画的な交流を推進することとした。

  また、へき地派遣制度の推進、校長・教頭への昇任にへ

 き地学校勤務を資格要件とするなどの施策もあわせて実施

 した。

 1) へき地交流

  ア. 地域区分

    県内の地域区分を次のとおりとする。

   (ア)各教育事務所管内の学校をA、B、Cの3地区に

    区分する。

    A地区学校 市、主要町村の学校

    B地区学校 平地の学校

    C地区学校 へき地の学校(人事委員会、へき地教

          育振興会、教育事務所の各指定学校)

   (イ)全県下の学校をA、B、Cの3地区に区分する。

    A地区学校 旧4市の学校(福島、郡山、会津若松、

          いわき)

    B地区学校 A、C地区以外の学校

    C地区学校 各管内の人事委員会指定のへき地学校

  イ. 地域交流

   (ア)昭和28年度以降採用者のうちで、へき地学校勤務

    の経験のない者については、都市、又は平地の学校

    に2年以上勤務の後、原則としてへき地学校に転出

    させる。

   (イ)相当期間へき地学校に勤務し、都市または平地の

    学校に転出を希望する者については、優先的に考慮

    する。

   (ウ)管内の地域交流は、アの(ア)の区分によって行なう。

    ただし、AからAこCからCの交流は原則として行

    なわない。

   (エ)管外の地域交流は、アの(イ)の区分によって行なう。

    ただし、AからA、CからCの交流は原則として行

    なわない。

    なお、昭和43年度末人事における「へき地交流件数」

   は下表のとおりである。

        人事交流地域区分の交流
学校別管内別 A→C B→C C→A C→B C→C 交流合計
小学校 管内 60 85 114 125 57 441 1,284
管外 20 50 18 53 52 193 400
中学校 管内 67 66 89 77 20 319 864
管外 19 17 15 41 10 102 287

 
学校別管内別 A→C B→C C→A C→B C→C 交流合計
養護学校 管内   1   1   2 2
管外              
管内 127 152 203 203 77 762 2,150
管外 39 67 33 94 62 295 687
合計   166 219 236 297 139 1,057 2,837
注 A→A、A→B、B→Bの件数を除く。

 2) へき地派遣教員

   都市、または平地の小学校・中学校に勤務する教員の

  うち、とくにへき地教育に熱意を有する成績優秀な中堅

  教員を選考し、計画的にへき地学校に派遣し、その教育

  実践をとおしてへき地教育の振興に役立て、当該教員が

  相当期間勤務し、その勤務成績が良好の場合は、抜てき

  人事等の優遇措置を講ずることとした。相当期間は、本

  年から3年とした。

   ちなみに、昭和43年度末人事において派遣された教員

  および派遣校は下表のとおりである。

      へき地派遣教員、派遣学校名一覧
  昭40末 昭41末 昭42末 昭43末
管内名 派遣校 派遣前の管内 派遣校 派遣前の管内 派遣校 派遣前の管内 派遣校 派遣前の管内
岩瀬     羽鳥小
湯本小
湯本中
田村
信夫
西白河
    湯本小 相馬
東白川     青生野小
青生野中
岩瀬
いわき
片貝小
那倉小
田村
郡山
真名畑小
那倉中
西白河
郡山
石川     大久田小 岩瀬 論田小 西白河 大久田小 田村
田村     古道小 郡山 都路一中 岩瀬 古道小 岩瀬
南会津 朝日小
桧枝岐中
朝日中
耶麻
両沼
両沼
舘岩小
伊南小
大宮中
北会津
信夫
耶麻
朝日小
南小
桧枝岐中
伊達
耶麻
両沼
上郷小
伊南中
大宮小
両沼
両沼
安達
耶麻 奥川中 北会津 奥川小
桧原中
両沼
両沼
裏磐悌小
奥川中
両沼
北会津
奥川小
桧原小
伊達
郡山
両沼 喰丸中
昭和中
北会津
北会津
下中津川小
西山小
耶麻
北会津
喰丸小
昭和中
北会津
伊達
喰丸小
昭和中
耶麻
北会津
いわき 田人二小
小白井小
相馬
双葉
貝泊小 双葉 貝泊中
小白井小
双葉
相馬
貝泊小 双葉
双葉 葛尾小
川内中
いわき
相馬
津島二小 相馬 葛尾小
葛尾中
いわき
相馬
津島小 いわき
相馬 小宮小 いわき 飯樋小 双葉 長泥小
飯樋中
双葉
いわき
比曾小 いわき
小学校 7 13 10 12
中学校 6 4 7 3
13 17 17 15

   なお、昭和41年度及び42年度の派遣教員のうち、管理

  職資格考査を受考しない2名は平地の中心校へ、中堅的

  な立場で転出し、他は指導主事1名、教頭として16名が

  転出した。

 3) 昇任の場合の資格要件

   校長に昇任させる場合に、へき地学校2年、または農

  山村5年以上の経験を有することが必須の資格条件とさ

  れ、また、昭和43年度において、はじめて実施された

  「管理職資格選考試験」の受験資格条件も、へき地、ま

  たは農山村の経験を有することとされたために、へき地



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