教育年報1968年(S43)-088/197page

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   また、農業高等学校や、小学科の配置については、今

  後の推移を考慮し、これに対応できる明確なビジョンの

  もとに年次計画を作成し、これによって充実を図る必要

  がある。

 2) 農業関連産業分野の拡大と技術者の需要に即応するた

  めに、食品化学科、造園科等の設置について検討する必

  要がある。

   また、農業教育の専門性を高め、社会の要請にこたえ

  るため専攻科ならびに産業科(別科)の併設を図る必要

  がある。

 3) 農業教育の現代化を進めるために、生徒の能力、適性、

  進路の実態、地域営農類型等を分析し、教育内容をこれ

  に対応させる必要がある。

 4) 同一地域、または近接地に農業に関する学科が設置さ

  れている場合には、それぞれの学科の特色が発揮できる

  よう適切な教育課程を編成する必要がある。

 5) 生徒の創造能力を発揮させるため、総合実習、ホーム

  プロジェクト、スクールプロジェクト、現場実習等を計

  画的、継続的にとり入れ、理論と実際の一体化を図る必

  要がある。

(2) 工業に関する学科

 1) 工業教育の専門性を高めるため、工業高等学校及び各

  学科の目標を具体的なものとし教科、科目の選択制をと

  り入れるなど、指導内容を生徒の実態にあわせ、その能

  力、適性の伸長がじゅうぶん図られるような教育課程を

  編成する必要がある。

 2) 工業科に女子生徒が増加する傾向にあるので、女子の

  特性に応じた小学科の設置について考慮する必要がある。

 3) 社会の要請に即応し、土木科、衛生工学科等の増・新

  設について考慮する必要がある。また専攻科の設置につ

  いて検討する必要がある。

 4) 工業教育多様化の効率を高めるために、隣接する工業

  高等学校においては、地域の実情に応じて、学科配置を

  適正にする必要がある。

 5) 近年、普通課程の卒業者が工業界へ多く進出している

  現状にかんがみ、職業教科としての工業科、とくに工業

  経営、電気一般など基礎教養科目を履修させることにつ

  いて配慮する必要がある。

(3) 商業に関する学科

 1) 商業教育の専門性を高め、特色ある教育を推進するた

  めに、小学科制による多様化を検討する必要がある。

   新設すべき学科には、事務科、経理科、営業科(また

  は販売科)等が考えられる。

 2) 学科を新設するに当たっては、産業界の現況に即応し

  た施設・設備を保有できるよう特段の配慮が必要である。

 3) 併置校における商業科については、実態に即応して、

  隣設校商業科に統合するなどして、規模の適正化を図る

  必要がある。

 4) 商業科が、近接して設置されている場合には、それぞ

  れの特色が発揮されるように、教育課程の編成について

  特段の配慮が必要である。

 5) 商業高等学校の女子生徒数が、増加する傾向にあるの

  で、女子の特性を生かすために、女子商業高等学校の設

  置についても検討する必要がある。

(4) 水産に関する学科

 1) 水産教育の専門性を高めるために、生徒の実態、漁法

  及び水産業の動向等をよく分析し、これに対応する教育

  課程を編成する必要がある。

 2) 水産教育の合理的な経営を図るために、学科の目標を

  検討し、乗船実習や、海技試験等との関連を吟味して、

  効果的な指導を講ずる必要がある。

 3) 同一地域に、同一学科がある場合には、学校間におい

  て、それぞれ学科の特色が発揮できる教育課程を編成し

  教育効果をいっそう高める必要がある。

 4) 沿岸漁業後継者の養成を図り、時代の要請にこたえる

  ために漁業経営科を設置する必要がある。学科設置に当

  たっては、水産業界の現況に即応した施設・設備が保有

  できるよう特段の配慮をすべきである。

(5) 家庭に関する学科

 1) 家庭に関する学科の専門的な知識・技術を高め、女子

  の職業的教養を社会にじゅうぶん生かすため、被服科、

  食物科等の学科設置について、検討する必要がある。

   学科設置に当たっては、科学・技術の進歩に即応した

  施設・設備が充足されるよう特段の配慮が必要である。

 2) 保育科については、社会の要請を考慮し、教育内容を

  いっそう改善し、充実する必要がある。また、各地域の

  実態に即して保育科の増設を図る必要がある。

 3) 家政科教育の現代化を図り、特色あるものにするため

  地域の実態、生徒の能力、適性、進路等を勘案して、教

  育課程の改善を図る必要がある。

 4) 各小学科において、科目の選択や教育課程の類型制が

  効果的に実施されるためには、家庭に関する学科の学級

  数を1学年2学級以上とすることが望ましい。

(6) その他の学科

  社会の要請に基づき、衛生看護科の設置について検討す

 る必要がある。

        定時制・通信制

(1) 定時制・通信制教育の実態(昭和43年5月1日現在)

 1) 昼間定時制課程

  ア. 設置学校数

   本校1校 併置校3校 分校18校(うち募集停止校3

   校全日制変換校4校を含む)

  イ. 設置学科及び生徒数

    普通科237名 農業科1,749名 家政科1,254名

      計  3,240名

 2) 夜間定時制課程

  ア. 設置学校数

    本校6校 併置校11校 分校1校

  イ. 設置学科及び生徒数

    普通科2,604名 工業科1,473名 商業科684名

   計 4,761名

 3) その他

  ア. 定通併修校1校、技能連携実施校2校3施設

 4) 別科(産業科の課程)

  ア. 昼間の課程 車輌整備科4、測量科1、水産通信科1



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