教育年報1968年(S43)-115/197page

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社会教育

   第1節 社会教育一般

1.概     要

 今日の経済・社会のめざましい発展と科学の進歩による技

術革新、産業技術の急速な発達は、人々に新しい知識、技術

を要求しており、他方、余暇や消費の増大、都市化現象の進

行等は生活様式の変革、多様化をもたらしめ社会教育におい

ては、これら流動する社会の実態を的確に把あくし、住民の

実生活の必要に即応する広範な施策をより体系的に講じ、青

少年教育より成人教育、高齢者教育に至る一貫した生涯教育

の構想を確立する必要にせまられている。

 本年度は市町村教育委員会ならびに関係機関団体との協力

体制を強化し、教育行政の果す固有の役割と独自の領域を明

確にして、本県社会教育伸展に努力した。

(1) 社会教育諸施設の拡充整備

  本県における社会教育諸施設設備の現況は、量的・質的

 にじゅうぶんとはいえない。社会教育の発展をはかるため

 その基幹的施設である公民館の計画的整備について指導し

 拡充をはかった。

 1) 公民館の整備をはかるための県費補助(150万円)

   国庫補助による公民館新築  (4館)

 2) 県立文化センター建設

 3) 施設設備の充実と併置館の解消

 4) 社会教育諸施設の調査と適正配置

(2) 指導体制の充実強化

  多くの住民に学習意欲を喚起し、魅力ある学習を提供す

 るためには指導者により高い専門的資質が要請される。

 指導者の研修を強化し、また民商指導者との提携を図り指

 導層の拡充に努めた。

 1) 社会教育主事の設置の促進 設置率62%

 2) 社会教育基幹的指導者の研修機会の提供と積極的参加

  の奨励

 3) 国立社会教育研修所の研修事業に参加 14名

 4) 県社会教育委員、青年、婦人教育指導員、青年学級研

  究協議会委員等の活動強化

(3) 学級・講座等の内容の刷新充実

  期待される生涯教育は、自主的な自己教育にあるが、実

 生活の多面な課題の解決のため、積極的に各種の学級・講

 座に参加することである。本年度は青年学級 131

 成人学校13、家庭教育学級293.婦人学級782、高等学校

 開放講座6、高齢者学級138の開設をみた。

 1) 研究学級・実験学級の指定

 2) 研究集会等の内容の充実

 3) 資料の作成提供

(4) 社会教育関係団体の育成助長

  地域の生活に密着し、都市化に流動する地域社会にあっ

 て、新たな秩序を確立し、市民性と活気を回復する健全な

 各種団体、集団の育成をはかり、その指導者の養成につと

 めた。

 1) 指導者の養成と研修機会の提供

 2) 団体育成助長のための県費補助

 3) 団体指導者のための資料作成

(5) 芸術文化の振興と文化財の保護

  人間性に培う創造性豊かな県民の育成と文化的な香り高

 い県土の建設をめざす芸術文化の振興はきわめて重要であ

 る。また民族文化活動の所産である文化財を正しく理解し

 愛護する精神を培う効果的な施策を講じた。

 1) 県民のすぐれた芸術文化活動の育成助長

 2) 文化施設、設備の充実

 3) 開発事業に伴う文化財保存施策の充実強化

 4) 指定文化財の保存・管理の強化

 5) 文化財愛護思想の高揚

  以上昭和43年度社会教育行政の概要についてのべたが、

 県土の限りない発展のため、本県社会教育の歩みを冷静に

 反省し、県・市町村が協力し一体となって推進をつづけた

 い。

 2.市町村社会教育主事研修会

(1) 目   的

  社会経済め急激な進展にともない、本県社会教育のいっ

 そうの充実振興を期するため、市町村社会教育主事に対し

 こんにちの社会教育を進めてゆくために必要な基礎的教養

 の研究を行ない、もってその資質の向上と指導力の強化を

 はかる。

(2) 期日・会場・参加者数

 1) 期 日  8月5日〜8月10日

 2) 会 場  耶麻郡猪苗代町県積慶寮

 3) 参加者数 30名

(3) 講   師

  文部省社会教育局社会教育課長    林部一二

  東京学芸大学教授          佐藤正

  東北大学教育学部助教授       塚本哲人

  福島大学経済学部教授        三宅皓士

  日本銀行福島支店営業課長      清水盛一

  福島県立猪苗代高等学校長      藤井勇

  福島県教育庁社会教育課長      佐藤正義

  福島県教育庁社会教育課主査     今野栄八

(4) 参 加 者

  市町村社会教育主事

(5) 日程・研究内容および実施方法
  内容 講師 方法
8/5 午後 開会式    
8/5 午後 国際情勢と日本の経済 清水盛一 講義・討議
8/6 午前 本県社会教育の現状と課題 佐藤正義
8/6 午後 当面する社会教育行政上の諸問題 林部一二
8/7 午前 国民生活と経済 三宅皓士



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