教育年報1968年(S43)-143/197page

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保健体育

  第1節 概     要

 昭和43年度県教育委員会の努力目標の一つである「スポー

ツの振興と健康・体力の向上につとめる」を受けて、保健・

給食・体育の各分野で密接な連けいをとりながら、総合的に

施策を推進し、二百万県民の健康の増進と体力の向上のため

この一年間努力をかさね、大きな成果を収めることができた。

その概要次のとおりである。

 1 全国学校体育研究大会開催

 昭和43年10月7日より3日間、会津若松市において、北は

北海道から南は沖縄まで、各県の学校体育関係者1,500余名

参加のもとに、第7回全国学校体育研究大会を開催した。長

年にわたって会津若松市内の小・中・高等学校の関係者一体

となっての実践と研究の成果を発表して成功裡に終了するこ

とができた。この大会を契機に本県の学校体育は一段と向上

するものと期待される。

 2 県体に新種目実施

 一般県民を対象の家庭バレーボールと40才以上のソフトボ

ールを43年度県総合体育大会の新しい種目として実施したが、

日ごろ、体育・スポーツに親しむことの少ない県民の間にも、

理解と関心がもたれ、スポーツを楽しもうとする気運が急速

に高まりつつある。

 3 スポーツ選手の強化

 ここ、数年間、選手の競技力の向上のためには特に努力し

てきたが、去る、8月上旬、郡山市を中心とする、県南各地

に開催した県総合体育大会は134の新記録を生み、記録向上

の跡が目立った。又、福井県下で開催された第23回国民体育

大会では、弓道をはじめ5種目に計21.5点をあげ天皇杯順位

20位を占めた。さらにメキシコオリンピック大会には重量挙

競技の大内、木村、バレーボールの佐藤の県出身三選手が参

加して、大内選手の銅メダル獲得をはじめ、それぞれ活躍し

て県民の期待に応えてくれた。

 4.体育施設の充実

 昭和43年度は体育施設の整備充実にも努力した。高等学校

水泳プール10、柔剣道場4、小・中学校・市町村民用プール

32、その他数多くの体育館、グランド等が建設された。また

いわき市の県営陸上競技場、明治百年記念総合体育センター

等の建設が内定しており、着々と本県の体育施設も充実して

きており、体育・スポーツの振興が期待される。

 5. 学校給食について

 昭和43年度末における本県の学校給食普及の現状は別掲の

とおりであるが、完全給食の普及率の伸びは近年にない低率

であった。

 完全給食の実施にあたっては、施設設備の整備に多額の経

費を要し、かつ人員の新規増員を必要とするため、財政硬直

化対策ともからんで困難性が大きかったことに起因している

ものと思われる。

 しかし、学校給食が教育課程上もその位置づけが明確化さ

れている現在国の目標に副って総ての学校において完全給食

が実施されるよう、市町村における積極的な配慮が望まれる。

 本年、学校給食上大きな問題として、米の問題があった、

国内産余剰米の消化対策として、学校給食に米を使用するこ

とについて、生産者団体を中心として、学校給食に米を使用

することについて、各市町村単位に強い要望が出されたが、

近年、国内生産米の豊作は恒常化しており、国の食糧政策、

食管制度の改善が抜本的に考えられない限り、この問題は尾

を引くものと思われる。県教育委員会としては、学校給食の

本旨にのっとり、且つ、学校給食運営上の方法論的にも米飯

給食には問題が多いことから、従来のパン・ミルク・おかず

の組合せによる給食形態を維持するよう指導してきた。

 6. 学校保健の振興について

 学校保健研究指定校による研究の推進は、学校保健の振興

に大いに貢献している。また、楢葉町において開催した第16

回福島県学校保健研究大会および福島市において開催した第

4回福島県学校安全研究大会は、本県学校保健の向上のため

に、あずかって力があったものと思われる。

 本県の学校保健についての水準は全国的にみて、決して劣

ってはいないが、地域または学校による格差はまだ大きく、

その解消については、今後の努力にまつところが大である。

 7 学校環境衛生指導の強化

 昨年に引き続き、学校環境衛生の維持改善について学校薬

剤師および保健主事の職務内容を明確にし、特に学校環境衛

生の定期検査および日常検査を強化することを主題とした講

習会を開催し、関係者の資質向上と実施の強化をはかった。

 8 学校病対策の強化

 学校病のうち、寄生虫、トラホームについては漸減してい

るが、むし歯、近視は年々増加する傾向にある。

 学校病の撲滅には例年努力しているところであるが、治療、

予防対策を強力に進めるため、県内16ヵ所で学校病予防講習

会を開催し、関係者の理解を深めて予防箪の強化をはかった。

 むし歯予防については、例年どおり、きれいでよい歯の学

表彰を行ないこの道の奨励をはかった。

 9 教職員の保健管理の強化

 教職員の結核健康管理については、県内全職員の間接撮影

を実施し、有所見者に対しては、直接撮影を行ない、さらに

精密検査を要する者に対しては面接指導をするなど、その管

理と強化をはかった。

 また、近年神経、精神疾患が漸増の傾向にあるので、教職



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