教育年報1968年(S43)-144/197page
員の採用、休職および復職に関し、その神経・精神面の健康
状態を審査するための審査委員会を設置し、その管理の強化
をはかった。
10 学校安全の徹底
安全教育の手びきの活用並びに福島県学校安全研究大会の
開催等により、安全教育の普及および振興をはかる一方、県
補助金による交通安全指導教具の整備をはかり、新たに13市
町村17セットを設置した。前年度までのものを併せると30市
町村47セットに及んだ。
また、国及び県の補助金による交通安全教育センターを県
内5市に設置した。これらの施設・設備の活用による安全教
育の実践的指導訓練は大きな成果が期待される。
11 へき地学校保健の強化
へき地学校保健の振興は本県の重要な課題の一つである。
国庫補助による給水施設、学校風呂の設置、へき地学校保健
管理費の活用と内容の充実等のほか、専門医によるへき地学
校巡回診療を実施し、へき地の児童・生徒の保健管理の強化
と指導につとめた。
また、学校保健研究学校のうち、3校がへき地校であった
が、これ等研究学校の研究成果は、へき地学校保健の振興に
あずかって力があった。
第2節 学校保健
1 第16回福島県学校保健研究大会
昭和43年9月26・27日の2日間、双葉郡楢葉町立楢葉中学校
において開催した。
標題は「学校保健を推進し、健康で安全な生活のできる明
るい子どもを育てよう」とし、校長、保健主事、養護教員、
学校医、学校歯科医、学校薬剤師、一般教員、PTA、児童、
生徒など県内の学校保健関係者約300名が参加し、第1日は
開会式、表彰式、研究発表、分科協議会。第2日全体協議会、
講演の日程で行なわれ、学校保健の理解と深化に役立った。
全体研究発表は
「集団検尿実施とその成績について」
双葉郡楢葉町立楢葉中学校養護教諭 西山キミイ
「わが校の保健教育について」
相馬市立中村第一小学校養護教諭 百瀬ももよ
「学校環境衛生の日常検査を推進するための方策」
安達郡安達町立渋川小学校長 萩原盛良
の三つがありそれぞれの分野での深い研究内容は学校保健
の振興に大きな貢献をもたらすものであった。
分科協議会は、8領域10分科会に分かれて、各領域それぞ
れの立場から研究発表ならびに研究討議が行なわれた。特別
講演「学校保健の近代化」と題する東京大学教育学部講師
詫間晋平氏の講演は、学校保健を新しい志向でとらえ、示さ
に富んだ講演として参会者に深い感銘を与えるとともに、今
後の本県学校保健の振興に大いに役立った。なお、本大会に
県内の学校保健功労者並びに学校保健優良学校が表彰され
た。
2 第4回福島県学校安全研究大会
昭和43年11月5日、福島市立清明小学校において開催した。
「学校安全を推進し、特に交通災害の絶滅を期そう」と
いう標題のもとに、県内小・中・高校および幼稚園、保育所
の学校安全関係者約250名が参加し、開会式、表彰式、研究
発表、分科協議会、特別講演を内容として学校安全に関する
具体的な問題について終始熱心な研究が進められた。研究発
表は日本学校安全会福島県支部依頼のつぎの2校である。
「本校における交通安全指導と管理」
福島市立清明小学校教頭 鈴木光雄
「交通安全指導の効果をたかめるためどうしたらよいか」
郡山市立郡山第四中学校教諭 大竹七郎
また、特別講演は、東京工業大学教授 桶谷繁雄氏の「世
界の交通事情」と題する広い視野に立った交通事情の紹介と
今後め問題点の提示があった。
なお、開会式に続いて学校安全優良校および準優良校計12
校が表彰された。
3 保健主事・学校薬剤師講習会
学校環境衛生を主題とした講習会を職務内容から共通の立
場にある保健主事と学校薬剤師に対し併せて、県内4地区で
開催した。
(1) 期日および会場
昭和43年1月13日 北会津事務所
1月14日 須賀川市立須賀川第一小学校
1月16日 福島大学教育学部付属小学校
1月20日 原町市役所
(2) 講 師
福島県教育庁保健体育課保健係長 三瓶善治
福島県学校薬剤師会長 野崎善雄
福島県厚生部薬務課主任技師 川上義雄
(3) 内 容
学校環境衛生の定期検査および日常検査をどのように進
めているかについて各会場とも参会者の中から保健主事、
学校薬剤師の研究発表があり研究討議を進めた。また薬品
の取扱いについて講義をした。
(4) 参加者 500名
4 養護教員講習会
養護教員の職務内容について理解を深め、その資質の向上
をはかるため下記の研修会を開催した。
(1) 期日および会場
昭和44年2月 3日 郡山市立橘小学校
2月 4日 北会津事務所
2月 5日 いわき市立平第二小学校
2月 6日 原町市役所
2月13日 福大教育学部付属小学校
(2) 講 師
福島県立医科大学付属病院小児科助教授 都通彦
福島県教育庁保健体育課保健係長 三瓶善治
日本学校安全会福島県支部主任 加藤潤
(3) 内 容 講義、研究協議