教育年報1968年(S43)-167/197page
4 福 祉 事 業
(1) 県費による事業
県単独の或は共済組合と合同して次のような福祉事業が
おこなわれた。
1) 教職員美術展覧会
美術をとおして相互の親睦を図ることを目的として、
福島市、須賀川市、会津若松市、富岡町の県内4方部で、
9月13日の福島市を皮切りに各会場3日間にわたって開
催された。
同じ教職員同志という気軽さも手伝って作品も多様
化し、新しいくふうのあとがみられる作品が多かった。
2) 教職員スポーツ大会
教職員の健康増進と友愛をはかるための福島県教職員
スポーツ大会が第10回目を迎え、8月26日県内福島市他
5会場で盛会裡に開催された。
競技種目は昨年と同じく陸上競技他9種目であったが、
各地区の実情に合わせ、取拾できることとしたため、地
域に適応した競技が随所にくりひろげられた。
3) 退職教職員福祉懇談会
教職員の福祉の向上と、教育の振興をはかるには、い
かにあるべきかの命題をもって、退職教職員福祉懇談会
が8月26日、知事・教育長を囲んで福島市内で開催され
た。
集まられた50名の元教職員からは、現職中より得た貴
い経験をもとに、在野における1民間人としてのきたん
のない意見が活発に出され、知事・教育長も教育の振興
と福祉の増進を約束した有意義な1日を過ごした。
4) 成人病予防巡回検診
共済組合と県の共同事業であるため、事業内容につい
ては後述の共済組合と県費の共同事業に詳述する。
5) 人間ドック
(4)、(5)の事業は教職員福祉事業中、最も大きな事業で
あり、県においてもその重要性を認め、共済組合との共
同事業として実施した。
事業内容の詳細については、共済組合の事業を参照の
こと。
6) へき地学校教職員用洗濯機補助
交通条件および経済的・文化的条件に恵まれないへき
地学校に勤務する教職員の保健衛生と生活の合理化を図
る目的をもって、電気洗濯機を設置するため、県費でお
の補助を行なった。
補助の対象は南会津郡桧枝岐小学校他11校で、県費の
補助額をもとに共済組合が購入し、へき地校に勤務する
教職員に貸与し、大変喜ばれた。
(2) 県費と共済組合費による事業
1) 成人病予防巡回検診
40才以上の教職員を対象として、ガン・高血圧・心臓
病の早期発見と早期治療を目的として、昭和40年度より
この事業を開始し4年目を迎えた。
本年度は"一人でも多くの人が検診できるよう"にと、
大幅に検診会場を設定し、県内25ヶ所に県成人病予防協
会の検診車を運行したが受診率は低調で、40才以上の教
職員数に対する受診率45%、受診希望者に対する受診率
80%であった。
検診会場及び受診者数は次のとおりである。
会場(市町村) 希望者 受診者
福島市 401名 379名
伊達郡川俣町 53 46
〃 保原町 131 95
二本松市 155 122
安達郡本宮町 53 48
郡山市 370 353
須賀川市 160 123
白河市 243 193
東白川郡棚倉町 91 80
〃 塙町 47 40
石川郡石川町 95 71
田村郡船引町 141 48
田村郡小野町 44 35
南会津郡只見町 26 26
〃 田島町 110 83
会津若松市 317 237
喜多方市 240 195
河沼郡坂下町 160 121
大沼郡 金山町 31 23
いわき市(平) 295 283
〃 (勿来) 125 146
〃 (磐城) 124 88
双葉郡 富岡町 154 81
相馬市 104 89
原町市 244 173
計25ケ所 3,914 3,128
2) へき地巡回検診
へき地学校(県へき地教育振興会指定を含む)に勤
務する教職員は、交通条件及び自然的諸条件に恵まれず、
かつ医療機関より隔離されているため、疾病に対して日
常不安な生活を営んでいるので、教職員とその家族の健
康管理を図るためこの事業を開始し、本年度で2年目を
迎えた。
検診項目は、聴打診・血圧測定・心電図・胸部間接撮
影・胃部透視・尿理学検査で、公立学校共済組合東北中央病院
及び県成人病予防協会の検診車に医師を同乗し、
相馬・双葉・北会津・耶麻及び石川・東白川・いわき教育事務所
管内のへき地学校教職員800名を対象として実
施した。
その結果、受診率は対象者に対し73%受診希望者に対
しては93%であった。
検査会場及び受診者数は次のとおりである。
会 場 希望者 受診者
相馬郡 草野中学校 30名 22名
飯樋 〃 35 37
双葉郡 津島 〃 41 36
葛尾 〃 33 26