教育年報1968年(S43)-172/197page

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  伊達中学校  国語、社会、数学、理科、英語、音楽、

         美術、技家、体育

  伊達小学校  国語、※社会、算数、※理科、

  伏黒小学校  国語、社会、※算数、理科

  箱崎小学校  ※国語、社会、算数、理科

   (注 ※印は継続研究教科)

   そして、小学校では継続研究教科を全員で、他の3

  教科はそれぞれ分担して研究を進め、中学校は全教科

  で研究することにした。

 イ. 町教育研究会中心の共同研究は、つぎのようにして

  進めてきた。

  (ア)3小学校を会場にて、同一日にそれぞれの学校が

   継続研究を中心とした授業研究をする。それには、

   小学校から拡大した研究教科の担当者と、中学校か

   ら該当教科担任か参加して研究を進めてきた。

  (イ)中学校を会場にして、国語、社会、教学、理科、

   英語の授業研究をする。これには各小学校教員が、

   それぞれ公担した教科に参加して研究を進めてきた。

  (ハ)研究テーマは、「組織化の洗練」「教科指導と生

   徒指導の一体化」などについて、小中一貫のあり方

   を中心にすえて研究を深めるように努めてきた。

 ウ. 第3次における授業研究の回数は次のとおりである。

  (ア)校内研究

   中学校 (含事前研究)   23回

   各小学校(含事前研究)   24回

  (イ)小・中学校合同研究    4回

 エ. 研究報告会

  43年11月12日、県下の小中学校の教員ならびに教育庁、

  各教育事務所指導主事を対象にして3ヵ年間の研究実

  践の研究報告会を開いた。

  〇内  容 授業観察、各教科毎分科会

        全体会(研究経過報告)

  〇参加人員 約300名

 3) 研究実践にみられる変容の状態(一部)

 (1) 学力検査の結果

   検査問題は、福島県教育研究所編「診断的性格を帯

  びた福島県標準学力検査問題」を用いた。次の表は、

  昭和41年度小学校4年生であった児童と、中学校1

  年生であった生徒ののびの状態を追跡してみたもので

  ある。

小 学 校
年度別 学年 国語 社会 算数 理科
41年度末 4年 58.3 59.1 59.2 51.5
42年度末 5年 58.7 60.8 63.6 55.5
43年度末 6年 63.3 61.8 65.0 59.8

中 学 校
年度別 学年 国語 社会 教学 理科 英語
41年度末 1年 55.6 55.5 55.5 51.8 53.2
42年度末 2年 56.9 55.8 56.3 53.4 55.4
43年度末 3年 57.3 57.3 57.4 56.8 56.2

  小学校、中学校ともに各教科および各年度ともにわ

 ずかずつではあるが向上のあとがみられる。

(2) 家庭における学習態度の変容

 〇 生活のリズムについて

   われわれは、子どもの生活の内容を、学習、作

  業、遊び、休息の4点からこれをは握し、これらが

  バランスのとれた状態にあることを最も理想的な姿

  として、「生活のリズムをととのえよう」というこ

  とをモットーとして実践を続けてきた。3年間の実

  践によって、「生活のリズム」がどのように整えら

  れていったか、この点について、当時4年生と5年

  生、および中学1年生を対象にしてその変容を追跡

  した。〔調査は質問紙法による悉皆調査(家庭学習

  の時間、テレビ視聴、家事の手伝い、抽出児の生活

  時程表)詳細は紀要59号参照)

 その結果

  1.家庭における学習の時間は、年を追うごとにふ

   え、その内容も充実してきている。

  2.テレビ視聴の時間には少しも変化が見られない。

  3.遊びに要する時間は、全体として少しずつ減少

   する傾向にある。

  4.休息とか趣味を生かすための時間を意識的に設

   けるようになってきた。

  5.作業(お手伝い)に要する時間はひじょうに短

   く、学年が進むにつれて、この傾向が強まる。

   結局、増加した学習時間は、遊びや作業の中から、

   さかれたわけで、これがこの地域の子どもの「バラ

   ンス」のとり方ということになる。学習時間の増

   加を「家庭学習の習慣化」と見るならば、休息や

   読書、作業の時間の増加は、趣味や保健への傾斜

   ということになり、これを「余暇の善用」と受け

   とることもできる。ともに望ましい傾向であり、

   好ましい変容のしかたであった、ということがで

   きるであろう。

 2 学習指導法改善に関する研究

(1) 研 究 目 的

 知識注入主義的な学習指導法を改善し、発展的な学力を育

てるための学習指導法を確立しようということが叫ばれてい

る。本研究は、福島県の実態にもとづき、教科の本質をふま

え、発展的な学力を育成するための指導法を究明しようとす

るものである。

(2) 研 究 計 画

 1) 研究教科

   社会、理科、英語とする。ただし、理科は2年次より

  行なう。

 2) 実験学校

   福島市立松陵中学校に委嘱する。

(3) 研 究 経 過

 1) 第1、2年次(昭和41、42年度)

   文献研究と調査および授業研究によって、仮説を設定

  した。

 2) 第3年次(昭和43年度)

  ア. 実験授業による仮説の検証

  イ. 11月13日、教育庁ならびに各教育事務所指導主事を

   対象に中間報告会を開催

   〇内 容  ・授業観察

         ・研究経過報告

  ウ. 研究報告書の作成

(4) 各教科の本年度(第2年次)の研究の概要

         社   会   科

 1) ね ら い

   問題解決学習を効果的にするための学習過程の組織化

  をはかり、問題解決学習が発展的な学力の育成に有効で

  あることを実証的に研究し、学習指導の改善に資したい。

 2) 内   容

  ア. 学力の実態調査

   (ア)福島県診断 標準学力テスト  (小学6年)



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