教育年報1969年(S44)-213/241page
自己理解をはからせることは、容易でないことを痛感し
た。継続研究が必要である。
2) 行動・性格面の項目を精選、集約することが必要とな
り、次のように試案を作成した。
ア. 観察・指導の結果から、相関関係の高いものと実態
から今後特に指導を要する項目を引きだす。
イ. 文献研究の結果から項目を精選、集約する。
その結果、基本的な生活習慣、意欲、判断、実践、適
応の5項目に精選、集約した。この5項目の妥当性、
信頼性の検証が必要である。
5 研究結果の普及
研究結果については、本庁ならびに教育事務所の指導主事
への研究中間報告を行ない、また、研究報告書(研究紀要)
を刊行し各学校に配布し、その内容の理解をはかり、指導改
善の資料として活用されるよう、その普及に配慮する。
(1) 所報および研究紀要の発行
教育に関する調査・研究の結果得られた資料や、教育内
容方法の改善のため必要と思われる資料を提供するととも
に、当研究所の研究内容を広報し本県教育の向上に資する
目的をもって、「研究所報」を年5回発行し、それを県内
の小・中・高校に配布し、活用に供する。
当研究所で取りあげている研究については、その結果を
「研究紀要」として刊行し、各学校に配布し、指導改善の
ための資料として活用できるようにしている。
1) 研究所報の内容
ア. 昭和44年度事業計画 (第25号)
イ. 学校経営の基本問題 (第26号)
ウ. 教育工学 (第27号)
エ. 教育工学・研究所連盟協議会内容 (第28、29号)
オ. 本年度の研究内容 (第30号)
2) 研究紀要
ア. 地域研修指導者養成講座報告書 (第6回)
イ. 研究集録第2号 ―地域研修講座修了生―
ウ. 社宅における母親の育児態度に関する研究
(研究紀要60号)
エ. 学習指導改善に関する研究 (研究紀要61号)
3) 研究報告会
本年度とりあげている研究について、その趣旨、内容
の理解を深めるとともに指導の資料として活用すること
をねらいとして、指導主事を対象として研究報告会を開
催した。
ア. 期 日 昭和45年2月19日、20日
イ. 参加者 本庁および教育事務所ならびに地教委の指
導主事32名参加
4) 教育研究法講座
教育研究の進め方および調査結果の統計処理の方法に
ついての理解をはかり、学校や地域における研究・研修
の推進に役立てることをねらいとした。
ア. 期日、会場
昭和44年5月20日 白河中央公民館 (県南方部)
昭和44年5月23日 原町一中 (相双方部)
イ. 参加者
県南方部、相双方部の小・中校各学校1名ずつ
第3節 研 修
研究所がおこなう研修は、学校、地域の教育実践を推進さ
せるため、主として教育研究を中心とした研修であり、今年
で6回になる地域研修指導者養成講座と、新たに本年開設し
た学校経営講座であり、その概要はおよそつぎのとおりである。
1 学校経営講座
(1) 趣 旨
福島県教育研究所条例による教頭を対象とした研修で、
学校経営の諸問題について研修を深め、指導者としての識
見を高め、本県の学校経営の改善、充実をはかろうとする
ものである。
(2) 研修期間
昭和44年6月より昭和45年2月までの期間で、その間研
究所に定期的に来所しての研修は12日(3日ずつ4回)で
ある。
(3) 研修内容と方法
1) 研修の内容
ア. 学校経営の機能
イ. 学校経営の目標と計画
ウ. 学校経営の組織と運営
エ. 教育課程と学習指導、生徒指導
オ. 現職教育と教育研究
カ. 学校経営と指導者
2) 研究の方法
ア. 研究主題についての研修
学校経営上の諸問題から各自研究主題をえらび、現
職校で主として調査研究をすすめる。
イ. 研究所に来所しての研修
(ア) 外部の学識経験者による講演と、義務教育課管理
主事、指導主事および研究所員による講議。
(イ) 研修生の研究討議。ケースコンファランス・ブレ
ーンストーミング等による演習。
(ウ) 研究主題、研究計画、研究のすすめかたとまとめ
かたについての所員との相談。
(4) 研修生と研究主題
1) 教師ののぞましい人間関係
福島三中 橋谷田千代士
2) 職場の人間関係を深めるコミニュケーション
伊達小 高橋良一
3) 職員会の効果的運営をどうずればよいか
大山中 桑原光男
4) 教育目標の具体化をどうすればよいか
開成小 相楽吾平
5) 校内研修推進上の問題点
須賀川二中 平岩敏雄
6) 学校経営の診断
羽鳥小 荒川義弥
7) のぞましい人間関係と、モラールを高めるためのくふう
滝根中 宗像幹夫