教育年報1969年(S44)-219/241page
第9章 県立図書館
第1節 概 要
1 は じ め に
情報化時代における図書館の役割はますます多方面にわた
ってきており、図書を貸し出すということは勿論、社会の情
報機械化とともに、それらに対応していかなければならなく
なってきている。
これらに対処するために、図書館としても、既存資料の体
系化、複写サービス、マイクロンステムの導入等、着々体勢
を整えつつある、特に本年は長年の懸案であったマイクロン
ステムの導入が実現し早速新聞のマイクロ化に着手したこと
は本県図書館史上特筆される年度である。
また移動図書館"あづま号"の県内巡回によって、市町村
の読書施設である公民館図書室活動の活発化、それがための
県公共図書館協会加入等の増加等、県内中心館として果たし
ている役割は大きく評価されるべきものであり、今後は更に
関係者の更に上の段階に対する読書施設の重要性を認識して
もらうような方向をとるべきものと考えられる。
本年度における業務の主なものを以下詳述し、謙虚に反省
すると同時に、新たな方向に向かって大いなる前進を歩むも
のである。
2 福島県立図書館協議会の開催
(1) 委員氏名 (任期 自 昭和44年4月 1日
至 昭和46年3月31日)
田中泰雄 福島県立福島西女子高等学校長
渡辺盲雄 福島市立北信中学校長
木幡久枝 福島県婦人団体連合会副会長
合津定之 福島県PTA連絡協議会副会長
吉田農夫雄 福島県公民館連絡協議会理事
(双葉郡大熊町公民館長)
宮森啓治 福島県社会教育委員
大野雅人 福島県議会厚生文教委員
辺見正治 福島市教育委員会教育長
辺見和郎 福島民友新聞社論説委員会幹事
平井博 福島大学教育学部教授
(2) 開催状況
第1回
日 時 昭和44年7月11日
場 所 県立図書館
出席委員 9名
議 題
1) 本館業務の概要について
2) 北日本図書館協議会理事の選出について
3) そ の 他
第2回
日 時 昭和44年10月30日
場 所 県立図書館
出席委員 7 名
議 題
1) 第17回福島県図書館大会について
2) 第15回地方史研究講習会について
3) マイクロンステム導入について
4) 昭和45年度県立図書館関係当初予算編成について
第3回
日 時 昭和45年3月27日
場 所 県立図書館
出席委員 7 名
議 題
1) 昭和45年度県立図書館関係当初予算内容について
2) 奉仕および整理係業務報告について
3) そ の 他
第2節 整理事務
1 図書館資料の収集
資料の収集にあたっては、各部門の基本図書に重点をおい
たが、とくに郷土資料については、県関係を中心として、県
内における個人、各種団体等の出版物を重点に積極的に収集
を図るとともに、本県に関係のある県や市の県市史を整備す
ることに努めた。
本年度において収集した郷土資料のうち、一つの特色はマ
イクロフィルム資料の収集である。情報産業の発達にともな
い今日まで入手することのできなかった貴重な資料が、つぎ
つぎにマイクロフィルム化され市販されるようになり、しか
も原資料を求めるよりはるかに安価で入手できるようになっ
た。
本年度受入れた資料は4,452冊であるが、過去3カ年と対
比してみると次表のようになる。
42年度 43年度 44年度
購入 2,278冊 2,702冊 2,892冊
寄贈 1,489冊 1,643冊 1,317冊
編入 704冊 864冊 243冊
計 4,471冊 5,209冊 4,452冊
購入については、43年度に比して4%の増に止まり総体的
には15%の減である。この原因は、寄贈資料の伸びが鈍化し
たことと、編入図書の大部分を占める合冊雑誌の受入れを留
保したことによる。
雑誌はもともと消耗品扱いであるが、これを合冊製本して
備品扱いとして一般図書と同じ取扱いをしていたものである。
しかし、年々増加する図書館資料の整理能力も限界にきてい
るため、事務合理化の一環として、一般図書と同様の取扱い
による受入を留保したものである。
2 マイクロンステムの導入
図書館業務の近代化施策の一環として、マイクロンステム