教育年報1970年(S45)-155/260page

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第2節 青少年教育

 1.概 要

 本年度の重点事項として「少年教育・勤労青年教育の推進」

をかかげ、とくに次のことについて努力し各事業の遂行にあ

たった。

 (1)地域性に立脚した青少年教育計画の樹立と指導体制の

  確立

 (2)家庭・社会における生活指導の充実

 (3)勤労青年学校、青年学級、青年教室の充実

 (4)青少年団体の健全育成と指導者養成

 (5)青少年健全育成指導資料の作成

 少年教育については、学校や学庭における教育機能と社会

における少年の生活指導的教育機能の理解と、その推進組織

の充実をはかり、生涯教育的教育観に立って、少年教育計画

の樹立と指導組織の充実につとめた。すなわち、少年団体指

導者研修会において、県内各地の中核的青年指導者に対し、

実践的研修を行なって、その効果を波及せしめ、少年生活指

導研究協議会を通じて少年教育関係の指導者に対して、指導

理念の共通理解や生活指導の協力態勢をつくるため・少年を

とりまく諸問題と課題について研究協議を行なった。

 勤労青年教育については青年学級研究協議会および・研究

青年学級において、社会の変ぼうに伴う地域類型による青年

教育のありかた等を検討し、その成果を資料として作成した。

とくに都市青年については、本年度より原町市を指定して、

青年教育計画と条件整備等について研究協議を行なった。ま

た、青年学級は、開設数は漸減したが、内容的には拡充して

おり、本年度から国庫補助対象となった青年教室の開設と関

連して、今後の拡充が期待される。

 青年団体の育成については、地域青年団や有志的小集団の

活動を奨励するとともに社会教育関係団体としての民主的運

営活動について助言し、地域振興学習活動を推進する青年集

団として発展するよう育成指導につとめた。これがため、青

年団体指導者研修会、青年国内研修を行なって、指導者養成

につとめるとともに、とくに本年より地域振興青年指導者セ

ミナーを県下四方部と中央において開催、所定の課程履修者

に修了証を与え、地域振興青年の結束を新たにしたことは成

果があったが、これら青年の今後の活躍か期待される。

 さらに、地域青少年教育の充実のため、旧教育事務所単位

に青少年教育指導員を設置しこれが活動により多くの成果が

上っているか。市町村においてもこれに準じて設置する動き

があるので、今後、これが奨励と助成に努力することが必要

である。

  2.少年生活指導研究協議会

(1)趣 旨

  少年の健全育成を推進する関係者が一堂に会し、社会に

 おける少年の生活指導について共通理解をはかり一致した

 態度と協力態勢を整えるとともに、地域に立脚した少年教

 育の充実方策を研究協議する。

(2)期日・会場・参加者数
対象地区 期日 会場 参加者数
いわき、相双 昭和45年6月30日 いわき市常磐公民館 133
県北、県中 昭和45年7月7日 二本松市立二本松中学校 123

(3)講師・助言者

 1)講 師 いわきスポーツセンター所長 青木四郎

       福島市中央公民館長     山河信海

 2)助言者

      県教育庁社会教育課員および県北・いわき・相

      双教育事務所員、いわき市および二本松市教委

      職員、県青少年教育指導員。

(4)事例発表会者

 ○いわき会場   好間中学校教諭 阿部郁夫

            浪江公民館主事 門馬登

            川部公民館主事 永野良夫

 ○ 二本松会場 二本松市社会教育指導員  佐々木道外

            梁川小PTA           横山幸子

            福島市教育委員会主事   鈴木俊彦

参加対象

  市町村社会教育、学校教育関係者、PTA校外指導関係

 者、子ども会等少年団体育成指導者、健全育成行政関係者・

 青年・婦人団体会員。

(6)内 容

 1)講義「少年をとりまく諸問題と地域の課題」

 2)事例発表「わが市町村における少年教育の現状」

 3)研究協議

  協議題 第1少年と環境―とくに少年と自然について―

      第2少年と家庭―とくに少年とマスコミにつ

        いて―

      第3少年団体活動と育成会―とくに市町村子連の役割について―

(7)効 果

   各会場とも婦人や壮年の参加者が増加し、活発な協議が

  行なわれ、少年の生活指導に関する各方面の施策や内容に

  ついて共通理解し今後の連けいや協力について話し合いが

  進んだことは有意義であった。協議されたおもなことがら

  は次のとおりである。

  1)少年に自然環境のなかで生活させ豊かな情操や、自主

   的な行動力を養う機会と場を積極的に与えることがたい

   つである。

  2)親は子どもの範となる言動を示し、明るい社会志向的

   家庭づくりが必要である。

  3)公共施設や公的な場で公徳心を高揚し、奉仕団体など

   の行為を賞揚し、連帯感を高めることが必要である。

  4)家庭、学校、町会等の代表が連絡会をもち、自主的に

   健全育成活動をすすめるとともに、関係行政の助言と指

   導が期待される。

  5)学校の成績や行動のみで少年を評価せず、社会的行動

   やその性格の傾向をしゅうぶん知って個人の能力を伸長

   させる生活指導が必要である。

  6)テレビやマンガに左右されない主体性をもつ少年に育

   つよう、家庭でも学校でも努力するとともに、そのため

   の少年団体活動を育成する組織を充実し活動の円滑を目


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