教育年報1970年(S45)-258/260page

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 7 長期研修講座

本研修は主題研究を中心とし、専門領域の資質を高めると

ともに、現場での教育実践に役立つ理科教育上の諸問題につ

いて研究することにより、本県理科教育の向上をはかるもの。

(1) 期  日

   8月1日(土)〜10月31日 (土)   3か月

(2)研修人員

   小学校 2名  中学校 2名  高等学校 2名

(3)研修内容

   ア、基礎研修

    1)教育研究法、学習指導法などの教育理論

    2)理科教育の動向

    3)理科実験法についての理論と実習

    4)理科教材の製作実習

    5)機器操作法

   イ、主題研究

    1) 日光による物の暖まり方の実験法について、

     色や表面のちがったものに光をあてると、もの

      の暖まり方がどう変わるか。光源は太陽や電球

      の光をつかって研究した。

     原町市立大甕小学校    教諭  佐藤敏夫

    2) 堆積作用についての実験的研究

      3年「土しらべ」を中心として、変化させるも

     のとしての水との関係で堆積現象などをとらえ

      させる実験方法について研究した。

     会津若松市立鶴城小学校 教諭  渡辺悦夫

    3)イオンモデルの深化をはかる実験

     塩化第二銅水溶液、塩化第一銅溶液などの電気

     分解において析出する量から、イオンの電荷の

     比較ができる実験方法について検討した。

     岩瀬村立岩瀬中学校    教諭  館美文

    4) 生物光反応実験への光源利用

     光合成や走性等の光に対する反応やはたらきを

     調べるための条件統制と定量化を重視する立場

     から多目的光源の試作と活用を試みた。

     安達町立安達中学校    教諭  山田恒人

    5)静電クーロン実験の改善と電気量の測定

     電界、磁界、電磁気量、インダクタンス等、高

     校程度では測定が容易でないので、具体的な把

     握がしがたい、電磁気の基本量をMKSA単位

     でできるだけ定量的に測定する実験法、装置を

     検討した。

     県立相馬高等学校     教諭  星稔文

    6)電磁誘導に関する実験と考察

     電磁気現象を現代の測定機器を用いてすこしで

      も数量化し、難解な数式によらなければ正確に

     表現できなかった法則をモテルを用いてある程

     度まで正しく平明に表わすことを考えた。

     県立南会津高等学校    教諭  山内博允

  ウ、部外講師

    1)電子顕微鏡の取扱い

     福島大学           講師 松崎守夫

    2)X線回折装置による結晶構造の解析

      福島大学         助教授 伊藤翼

    3)残留磁気について

      福島大学         助手  真鍋健一

    4)教育研究法

      教育研究所     研究係長  河野利作

    5)教師と人生

      県教育庁総務課     嘱託  今井豊蔵

   エ、視察研究

    NHK放送センター(理科放送スタジオ)、東京都

   立教育研究所、五島光学製作所、科学技術館等の視察

   見学を行なった。

  第3節 研究・教育相談・広報

   1 理科教育に関する所員の研究

  本年度は、つぎのようなテーマについて研究を進めた。

(1) 共同研究テーマ

学習指導要領改訂にともなう新教材の研究(小、中学校理科)

   小学校関係

   ア、こん虫の成長や活動と温度(佐川清美)

    ショウジョウバエを素材として「こん虫の成長と活

    動」の指導を実施し、児童の活動や反応を観察や調

    査により検討した。

   イ、トリの卵           (佐川清美)

    実験方法や考え方、情意的問題事例を探り、参考資

    料を紹介した。

   ウ、物の溶ける様子        (花沢繁)

    溶解現象をよくとらえさせるための材料を検討した。

   エ、日光と虫めがね        (佐藤亘)

    理科学習指導における理科実験の位置づけ、実験内

    容、方法、実験器具などについて、小学校第4学年

    「日光と虫めがね」を通じて検討した。

   オ、気体の溶解          (花沢繁)

     固体の溶解概念を気体の溶解にも通用して考えら

    れる実験法について検討した。

   カ、水溶液の混合         (花沢繁)

    混合しても変化しない場合の実験方法および材料に

    ついて検討した。

   キ、地温、気温の変化       (渡辺専一)

    太陽、地表、地表をおおう大気とのエネルギーの相

    互関連をとらえる器具の開発と実験をした。

   中学校関係

   ア、沸点の測定           (大和田寅弥)

    純粋な物質や混合物の沸点測定方法を生徒の実践活

    動を通して検討する。

   イ、気体分子運動のモデル実験

    (大和田寅弥、遠藤徳)

    鋼球を用いるモデル実験装置の試作および実験デー

    タを検討する。

   ウ、気体の温度と圧力の関係    (柴田宣教)

    体積一定のままで温度をあげたら圧力はどう変化す


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