教育年報1971年(S46)-043/255page

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(2) 奨学資金の貸与額

 1) 高等学校又は高等専門学校の生徒

              月額  2,000円

 2) 大学の学生   月額  5,000円

(3) 貸付期間

  奨学生の在学する学校の正規の修業期間

(4) 奨学資金の返還

  卒業の月の6ヵ月後から起算して7年以内に、貸与を受

 けた奨学資金の全額を半年賦で返還する。なお、利子は無

 利子とする。

  また、貸与期間の満了、退学、奨学資金の借受け辞退、

 奨学資金貸与制度の廃止の場合も同様とする。

(5) 募集

  毎年4月10日から5月10日まで募集期間とし、各高等学

 校、主要大学及び報道機関を通して広報する。

(6)昭和46年度貸付状況

区分 継続貸与 新規貸与 備考
応募者数 採用者数
   
高等学校 448 178 178 626  
大学 270 146 100 370  
718 324 278 996  

2.日本育英会奨学制度

 本会は政府からの借入金を主体として、これに返還金、育

英寄附金等を加えて運営している国家的育英機関である。各

県の教育委員会内に支部があり、県内の中学校、高等学校を

対象に奨学生の採用、補導、奨学金の貸与、返還等の各事務

を行なっている。

(1) 奨学生

  奨学生は、高等学校、高等専門学校、大学、大学院およ

 び国立工業教員養成所に在学する生徒、学生その他表1に

 該当する者で、在学校の校長、学長から推薦された者から

 採用する。

(2) 奨学生の採用

  表1のうち県支部が取り扱うのは、高等学校の一般およ

 び特別貸与奨学生の在学者採用ならびに高等学校・高等専

 門学校、大学および教育特別奨学生の予約採用である。

1) 高等学校一般貸与奨学生

   高等学校に在学する生徒で、学業、人物ともにすぐれ

  ながら、経済的理由によって修学困難と認められる者で、

  学校長から推薦される者について、支部選考委員会を経

  て採用される。

   貸与月額 3,000円(2年生以上および専攻科生は

  1,500円)で、募集は4月と9月の年2回である。

2) 高等学校特別貸与奨学生(在学者採用)

  高等学校に在学する生徒で、学業、人物ともにすぐれ

  ながら、経済的理由によって修学困難と認められる者で、

 学校長から推薦される者について支部選考委員会を経て

 採用される。

  貸与月額 4,000円(2年生以上および専攻科生は

  3,000円)募集は4月と9月の年2回である。

   卒業後一般貸与奨学生の貸与月額相当額を一定期間内

  に返還すれば残額は返還免除となる特典がある。

3) 高等学校・高等専門学校特別貸与(予約)奨学生

   中学校第3学年に在学する生徒で、学業、人物ともに

  優秀で進学希望を有するが、経済的理由により進学を断

  念ずることのないよう、あらかじめ奨学生の予約採用を

  中学在学中に行ない、高校・高専校進学後直ちに本採用

  となる。貸与月額は高等学校が4,000円、高専学校は自

  宅通学者1〜3年が4,500円、4〜5年が6,000円。

  自宅外通学者1〜3年が6,000円、4〜5年が10,000円

  である。

   卒業後一般貸与奨学生の貸与月額相当額を一定期間内

  に返還すれば残額は返還免除となる特典がある。

   採用は中学校長の推薦により、面接のうえ支部選考委

  員会を経て予約採用される。募集は年1回で4月上旬。

 4) 大学特別(予約)奨学生

   高等学校最高学年に在学、または卒業後1〜3年以内

  の者で、翌年度に大学進学を希望する者を対象とする。

   貸与月額は自宅通学者が8,000円(私立の場合は11,000

  円)、自宅外通学者が12,000円(私立の場合は17,000円)

  である。返還免除の特典があり、大学一般奨学生の貸与

  月額相当額を返還すれば残額を免除し、また免除職(小

  中・高校の教諭その他)に一定年限従事すれば全額が免

  除となる。

   採用は、高等学校長の推薦により、面接のうえ支部選

  考委員会を経て予約採用される。募集は年1回4月上旬。

5) 教育特別(予約)奨学生

   義務教育教員の資質向上に資するため、教員としての

  資質優秀な学生を国立大学の教員養成学部に誘致するこ

  とを目的とする制度。対象は前記4)同様であるが、面接

  は行なわず、高等学校長の推薦により支部選考委員会を

  経て予約採用される。

   貸与月額は自宅通学者が8,000円、自宅外通学者が

  12,000円である。4)との併願は認めない。

   返還免除の特典も4)と同じである。募集は年1回4月

  上旬。

  (注)この適用をうける私立の大学の教員養成を目的と

 する学部に、立正女子大学教育学部初等教育、中等教育

 課程がある。貸与月額は自宅通学者が11,000円

 通学者が17,000円である。

3) 奨学金の返還

  奨学金の返還は、卒業の6ヵ月後から20年以内に年賦、

 半年賦の方法で行なうが、病気、経済的理由等による場

 合は、申請することによって返還猶予が認められる。そ

 の他職場返還制度があるが、これは各事業所単位で、返

 還義務を有する者の返還金を毎月徴収し、一括して返還

 する。福島県は、小・中・高校および教育委員会関係が

 実施している。

  また、返還免除には次のようなものがある。

1) 死亡、不具、廃疾等により返還能力を失ったときは、

 申請により返還を免除される。


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