教育年報1971年(S46)-240/255page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

そのため学年(学年団)の組織を分業・協業が可能であるよ

う配慮するとともに、その作成が勤務時間に位置づけられる

ようにする。

  2) 教材、発達段階・経験に応じた単位集団の再編成

 教科の性質、あるいは教科内容に応じ、子どもの発達段階

・経験によって、既成学習集団を合わせて大集団にしたり、

グループに分けて小集団にしたりすることである。そのため

には、単位学年の教師が協力して、生徒指導力府なわれる体

制にする。

  3) 教師の特性を生かしたティーム・ワーク

 効果的な授業として、教師の特性を生かし、かつ、教育機

器の導入を可能にするため、TL、RT、STといった役割

で協力し合い、本質的な授業を展開する。その役割は固定し

たものでなく、教材の内容によって弾力性をもたせ、機能発

揮をはかる。このことは、ティーム・ワークをはかることにも

なり、また経験の少ない教師のグルーピングによる自校研修

の一式とも考えるようにする。


 (3) 研究のねらい

 本県の教授組織ならびに教育活動の実態については、昭和

44年12月1日現在で悉皆調査をし、その結果は、紀要62号、

 「教授組織に関する研究」で報告したとおりであるが、それ

を基盤とし、機能的構造としての学校組織を想定し、教授組

織の改善をはかることにする。

 その研究のねらいを「教育活動の効果的・効率的な実践の

ための教授組織」とし、次のような具体事項をあげることに

 した。

  1) 教師の特性を生かした、複数担当での交換授業

  2) 弾力的な集団の取り扱いによる合併授業

  3) 教育機器の導入と体系化・個別化の複数授業

  4) 小規模校における協力組織による授業


 (4) 実験学校による検証

 実証のために、昭和45年度より、福島市立吉井田小学校を

実験学校に委嘱し、一体となって実践研究をすすめることに

 なる。

 研究の推進母体については、教師の専門性や特性を単位学

年に固定することなく、かつ、多面的な生徒指導をたてまえ

 として、低・中・高の学年団におき、協力体制をとり、教育

活動は、各学年団の責任による展開とする。

  実際指導のための単元指導計画は、単位教師ティームによ

 る共同作成とし、研究教科については、前年度からの研究教

科である理科を継続研究することにし、さらに当校の具体目

標の一つである「元気で明るい、じょうぶな子」をめざして

体育をとりあげることにする。

  弾力的な集団の再編成としては、体育については、時に小

集団による程度別(能力別)編成、あるいはローテーション

方式の採用が可能である合併集団による授業をとりあげるこ

 とにし、理科については、教授、資料の提示、発問の体系的

 な指導のため、教師の複数編成による授業をとり入れること

 にする。

  教節の協力体制については、TL、STといった役割・分

担で分業・協業する。この役割・分担は固定したものでなく、

教材内容などによって交替することにし、かつ各立場で主体

 制をもつようにする。

教材の取り扱いについては、

  1) 低学年は、体育について、1/3単位時間の3クラス3

   教師、2クラス2教師による合併授業とし、程度別中

   集団を加味する。

  2) 中学年も体育であるが、2/3単位時間を2クラス2ま

   たは3教師による合併授業とし、個別的奪取り扱いを

   考慮する。

  3) 高学年については、体育と理科をとりあげ、体育は、

   2クラス3または4教師による合併授業とし、能力別

   取り扱いを考慮する。理科は、教育機器を導入した複

   数授業とする。

 その結果の検証については、今後の実践にまつことが多い

が、現段階で各教師は、授業に充足感・満足感をもてるとい

っており、子どもの学習活動も意欲的で活発になり効果的で

あると思われる。

 本年度は、さらに「子規模校における協力組織による授業」

のあり方を実証するため、安達町立下川崎小学校を実験学校

に委嘱し、組織とその体制を検討している。



  3.学習指導上の問題点の分析的研究

(1) 研究の目的

福島県診断標準学力検査問題の標準化のためのテスト結果

を分析研究し、学習指導上における問題点を明らかにし、学

習指導改善の資料として役立てる。


(2) 研究の方法

  1) 各問題の正答率、各領域の平均正答率などから指導

   上の問題点をとらえる。

  2) 各教科について、全答案から100部の答案を無作為

   に抽出し、それらの答案を用いて誤答分析を行なう。

  3) 以上の資料をもとにして学習指導上における問題点

   を明らかにする。


(3) 研究の内容

 この研究は、小学校1年から6年までの国語、算数、およ

び、小学校4年から6年までの社会、理科について行ない、

その研究の結果はつぎのように報告書にまとめて、学習指導

改善の資料に役立てるため、各学校に配布した。

  ● 福島県診断標準学力検査問題報告書(紀要3号)

     一国語編一

  ● 福島県診断標準学力検査問題報告書(紀要4号)

     一算数編一

  ● 福島県診断標準学力検査問題報告書(紀要5号)

     一社会・理科編一


 4.福島県診断標準学力検査問題の作成

(1) 作成の趣旨

 全県的な視野に立って学校および学級、そして個々の児

童・生徒の学力の実態をとらえ、学習指導改善の資料として

役立てることを目的として、新指導要領に準拠した「診断的

性格を帯びた福島県で標準化した学力検査問題」の作成をと

りあげた。


(2) 作成の方法

 昭和45年度からの継続事業として小学校1年から6年まで

の国語、算数、4年から6年までの社会、理科の問題を問題


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2000-2001 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。