教育年報1971年(S46)-241/255page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

作成委員によって原案を作成した。その原案を12名の問題審

議委員によって内容的な妥当性についてじゅうぶん検討し成

案を得た。


(3) 標準化のためのテスト実施

 採点基準を作成するため、テスト実施のための標本校を無

作為に抽出し、下記のとおりテストを実施した。

  1) 標本校数および調査延人数

    標本校数………小学校18校、中学校18校

    調査延人数………小学校5560人、中学校638人

  2) 偏差値の作成

    本県の偏均値を基準点とし、準偏差をめもりとしたも

   のさしによる点数換算表(偏差値)を作成した。


(4) テスト問題の活用

 本年度は小学校全校の約1/3の学校が活用している。



  5.児童・生徒の生活意識と社会観に関する調査

(1) 調査の目的

 現在世界的な規模で進行している性解放の風潮のなかで、

わが国の性文化も次第に解放的になりつつあるが特にマスコ

ミによる露骨な性の表現が子どもたちに大きな影響を与えて

いることが予想される。これは単に言葉や服装などの表面的

なことだけでなく、その脊景には、性や男女関係をめぐる人

間のあり方が基本的に問われているという因難な問題が含ま

れている。そこで今回は、子どもの社会認識の中の重要な項

目の一つとして性文化を中心に児童・生徒の性意識の実態と

社会認識との関連を調査した。


(2) 調査方法

 小学校6年、中学校2年、高校2年生を対象とし、男女そ

れぞれ250名ぐらい、計500名を基準とする。

 また地域性を考慮して都市部と農村部とほぼ同数になるよ

う抽出する。全部で1613名の調査人員となり、質問紙による

調査を行なう。調査票は、小・中・高の3種類にわかれてい

るが、発達段階による差異をとらえるため、共通した内容で

調査を行なった。


(3) 調査の項目

●社会観の調査(生活の満足度、生活の興味、関心

        今の社会のみかた、人生観など)

●性文化の反応(性映画、情報との接触、服装など)

●異性への意識(好きなタイプ、価値観、男女交際の程度、

         純潔観、車に誘われたときの態度)

●性行動への反応(スカートめくり、男女の腕ぐみなど)

●生活環境(兄弟、家庭環境、居住地など)

●生理発達(声がわり、初潮、親からの指導の有無)


(4) 調査結果の分析と考察

 10月上旬に調査を完了し、単純集計を終了した。めまぐる

しく変動する社会のなかで、現代の性表現、性モラルにとま

どいを持っている人々、しかし性が人間の成長に欠くことの

できない力であり、人格形成にかかわるものとして考えられ

るし、教育のなかで重要な意味をもつものだといわれている。

 家庭環境と性意識一兄弟関係、家庭環境によって性行動、

性文化への反応や異性に対する意識の差異をみる。

 生理発達と性意識一性成熟への発達現象として変声や初潮

の有無、早熟、晩熟などが性意識、社会観とどのような関連

があるか その他性に対する関心と情報への反応、男女交際

についての考え方と純潔観など、実証的なデーターをとりえ

たことは、現場の教育資料として役立つものでないかと考え

られる。

 この調査結果は、紀要第7号に報告してあるので、ご覧い

ただきたいと思う。

 さいごに、本調査は、全国教育研究所連盟の共同研究として

全国的な規模で実施されるので、今後の性教育についての重

要な基礎資料になるものと考えている。



  第4節 教育相談に関する事業

  1.児童・生徒の教育相談

 児童・生徒の教育に関する諸問題の相談に応じて、受付、

通知発送、資料受理、面接調査、遊戯観察、助言治療、事例

研究、追跡調査したことをまとめるとつぎのとおりである。

相談区分 対象 件数
面接による相談 知能・学業などの相談 小・中学生 10
性格・行動などの相談 小中高校生 39
進路・適性などの相談 小中高校生 2
教育一般の教育相談 小中高教員 9
文書による教育相談 両親・教員 27
電話による教育相談 両親・教員 6
  93

 

 2.教育相談についての研究

 相談の方法・内容・組織・施設設備などの理論と実践の研

究をすすめた。おもな内容はつぎのとおりである。

教育相談に関する実務の研究 千葉・福島
登校拒否に関する研究 所報 3号
情諸障害者に関する研究 所報 4号
絨黙・神経症に関する研究 所報 4・5号

 3.学校における教育相談活動の援助・推進

 学級担任、校内相談員などの研修と運営方法への助言、関

係諸機関への紹介連絡、普及などその内容はつぎのとおりで

ある。

相談活動の援助区分 推進の機会
学校における教育相談の援助 講座・出張・電話等
関係機関への紹介・連絡 児相・医大・病院等
教育相談の普及活動 新聞・県民便り・所報


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2000-2001 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。