教育年報1972年(S47)-052/285page
機会均等をはかり、健全な社会の発展に貢献することを目的
として、昭和27年に発足したものであり、その実施状況は次
のとおりである。
(1)出願資格
1) 高等学校(福島県内に所在するものに限る)高等専門
学校または大学に在学し、品行が正しく学術にすぐれ、
身体が強健であること。
2) ア 高等学校または高等専門学校に在学している者に
あっては、福島県内に引き続き6ヵ月以上住所を有
すること。
イ 大学に在学している者は、下記いずれかに該当し、
大学に入学するまでまたは大学に入学の目的をもっ
て住所を移転するまで、福島県内に引き続き6ヵ月
以上住所を有していた者であること。
○福島県内に所在する高等学校を卒業した者、
○大学入学資格検定規定(昭和26年文部省今第13号)
による大学入学資格検定に合格した者で、合格当
時福島県内に住所を有していたもの者。
3)経済的理由により、修学が困難であると認められる者
であること。
4)学力、収入状態が推薦基準に合致するものであること。
(重複採用を避けるため、日本育英会が夢集している
奨学生との併願は認めない。)
(2)奨学資金の貸与月額
区分 昭和46年度以前採用者 昭和47年度採用者 円 円 高等学校奨学生 2,000 3,000 高等専門学校 大学奨学生 5,000 7,000
(3)貸与期間
奨学生の在学する学校の正規の修業期間
(4)奨学資金の返還
卒業の月の6か月後から起算して7年以内に、貸与を受
けた奨学資金の全額を半年賦で返還する。なお利子は無
利子とする。
また、貸与期間の満了、退学、奨学資金の借受け辞退、
奨学資金貸与制度の廃止の場合も同様とする。
(5)募 集
昭和47年4月15日から5月15日まで募集期間とし、
各高等学校、主要大学及び報道機関を通じて広報した。
(6)昭和47年度貸与状況
区分 継続貸与 新規貸与 計 応募者数 採用者数 人 人 人 人 高等学校 393 186 100 493 高等専門学校 大学 263 187 100 363 計 656 373 200 856
2.日本育英会奨学制度
本会は政府からの借入金を主体として、これに返還金育英
英寄付金等を加えて運営している国家的育英機関である。各
県の教育委員会内に支部があり、県内の中学校、高等学校を
対象に奨学生の採用、補導、奨学金の貸与、返還等の各事務
を行っている。
(1)奨学生
奨学生は、高等学校、高等専門学校、大学および大学院
に在学する生徒、学生その他表1に該当する者で、在学校
の校長、学長から推薦された者から採用する。
(2)奨学生の採用
表1のうち県支部が取り扱うのは、高等学校の一般およ
び特別貸与奨学生の在学採用、ならびに高等学校・
高等専門学校、大学および教育特別奨学生の予約採用である。
1) 高等学校一般貸与奨学生
高等学校に在学する生徒で、学業、人物ともにすぐれ
ながら、経済的理由によって修学困難と認められる者で
学校長から推薦された者について、支部選考委員会を経
て採用される。
貸与月額3,000円(2年生以上および専攻科2年生は
1,500円)で、募集は4月と9月の年2回である。
2) 高等学校特別貸与奨学生(在学者採用)
高等学校に在学する生徒で、学業、人物ともにすぐれ
ながら、経済的理由によって修学困難と認められる者で
学校長から推薦された者について、支部選考委員会を経
て採用される。
貸与月額4,000円(2年生以上および専攻科2年生は
3,000円)で、募集は4月と9月の年2回である。
卒業後一般貸与奨学生の貸与月額相当額を一定期間内
に返還すれば残額は返還免除となる特典がある。
3)高等学校・高等専門学校特別貸与(予約)奨学生
中学校第3学年に在学する生徒で、学業・人物ともに優秀
で進学希望を有するが、経済的理由により進学を断念す
ることのないよう、あらかじめ奨学生の予約採用を中学
在学中に行ない、高校・高専校進学後ただちに本採用と
なる。貸与月額は高等学校が4,000円、高等専門学校は
自宅通学者1〜3年が4,500円、4〜5年が6,000円。
自宅外通学者1〜3年が6,000円、4〜5年が10,000円
である。
卒業後一般貸与奨学生の貸与月額相当額を一定期間内
に返還すれば残額は返還免除となる特典がある。
採用は中学校長の推薦により、面接のうえ支部選考委
員会を経て予約採用される。募集は年1回で4月上旬。
4) 大学特別(予約)奨学生
高等学校最高学年に在学、または卒業後1〜3年以内
の者で、翌年度に大学進学を希望する者を対象とする。
貸与月額は自宅通学者が8,000円(私立の場合は
11,000円)自宅外通学者が12,000円(私立の場合は
17,000円)である。返還免除の特典があり、大学一般学
生の貸与月額相当額を返還すれば残額を免除し、また免
除職(小・中・高校の教諭その他)に一定年限従事すれ
ば全額が免除となる。
採用は、高等学校長の推薦により、面接のうえ支部選
考委員会を経て予約採用される。募集は年1回4月上旬。
5)教育特別(予約)奨学生
義務教育教員の資質向上に資するため、将来優秀な教