教育年報1973年(S48)-247/273page
福島県教育センター
第1節概要
当センターは、昭和46年4月1日に、従来の福島県教育
研究所および福島県理科教育センターを統合して福島県教育
センターとして発足してから、本年度は第3年目である。
昭和48年度は、前年度の実績をもとに、さらに当センター
の設置目的である教育の振興および充実を図るため
1.教育関係職員の研修事業
2.教育に関する専門的、技術的事項の調査研究事業
3.情報処理教育に関する事業
4.教育相談に関する事業
5.教育に関する図書および資料の作成、収集および活用に
関する事業
6.教育史の編さん事業
などいっそう推進してきた。事業実績については第2節以
下のとおりであるが、これらの事業を実現するための組織は、
次のとおりである。
1.組 織
2.施設・設備の概要
(1)施設の整備
施設の整備については、下記概要のとおり昭和46年度
まででしゅん工した。
建物名・構造規模 延面積 竣 工 年 月 日 第1棟(本館)
鉄筋造り、地下1階
地上5階建4,365m2 昭和46年3月31日竣工 第2棟(理科棟)
鉄筋造り.4階建1,590m2 昭和40年7月30日竣工 第3棟(情報処理棟)
鉄筋造り、2階建1,073m2 昭和46年3月29日竣工 宿泊棟
鉄筋造り、4階建2,112m2 昭和46年6月20日竣工
※昭和47年9月30日増築の渡り廊下164m2を含む車庫、焼成室その他 65m2
昭和48年度の整備状況は、次のとおりである。
1)建物は一応の整備をみたが、外部環境が未整備で
あったので4,073千円の経費により庭園樹の新植1
38本、門標、門扉の新設、西側境界の擁壁およびフ
ェンス取付工事128mが完了し、教育センターにふ
さわしい環境が整備された。
2)また、内部的には、火災報知器、放送設備の拡充
整備370千円、換気設備工事545千円等を行い、災
害の防止と早期発見の整備を行った。
(2)設備、機器等の整備
研修用設備、機器をはじめ、実験、研究、教育相談
および図書資料関係の設備、機器については、昭和46
年度教育センター発足以来着々と整備されているとこ
ろであるが、急激に変動する社会情勢と、高度に発展
する科学技術の進歩に対応する、現代教育に即応する
ための教育を推進するためには、さらに設備、機器等
を整備充実していく必要がある。
第2節 教育研究に関する事業
1.学校経営改善に関する研究
(1)研究の概念
学校教育の直接的な研究の対象として、教育内容、教育方
法・技術とならんで教育経営があげられよう。教育経営を広
義に解釈した場合は、教育の本質をめざした、「協力活動の
努力の体系を維持する作用である」ということになろうが、
狭義には学校経営と同義に扱い、「組織活動の体系を維持す
る作用である」とみることができよう。こうした考え方に立
って学校経営を取り上げることにした。
(2)研究のねらい
研究を進めるに当たっては、学校経営と学校組織を区別し、
学校組織を「現実的な学校の教育活動に関係する諸要団の機
能的な構造である」とし、学校経営を組織活動の役割を内部
調整をしながら、体系的に継続作用を図ることであるとする。
こうした立場をとり、その相互関係を明らかにしょうとする。
このことは言葉を換えれば学校組織の機能化をはかり、その
具現化としての学校経営をとらえることにする。
学校組織を教授・学習組織と事務組織、運営組織とし、各
系列の機能化とその統制のあり方を追求し、今後の学校経営
のビジョンを明らかにする。