教育年報1973年(S48)-256/273page
事例の講義と協議
各教師の体験に基づく話し合い。
第4節 教育相談に関する事業
1.児童・生徒・教師・父兄への相談・助言
(1)児童の治療は、原則として遊戯療法(プレーセラ
ピイ)を実施しているが、ケースによっては行動療
法・絵画療法などを併せて行っている。
(2)生徒に対しては、クライント・センタード・カウン
セリングが主技法として使われるが、自律訓練法な
どもケースに応じて実施している。
(3)父兄に対しては、原則として児童・生徒の治療と並
行して面接指導を行っている。
(4)治療効果を高めるため、来談児童・生徒の担任教師
に対しては、資料の提供を依頼すると共に、指導徹
底協力をお願している。
(5)必要に応じて、学校集団では問題のおおい個人検査
(知能・性格)を実施し、その結果を学校にお知ら
せしている。
(6)現場で生ずる教育相談分野の諸問題の理論的研究を
行い、各現場からの質問にお答えしている。
2.教育相談の実施状況
(1)相談者の人数(相談ケース数)
年 度 幼児 小学生 中学生 高校生 一般 教員 計 昭和48年度 18 40 5 9 1 14 87
(2)来談者の内容別件数(延人員)
年度\内容別 面接相談 通信 電話 計 知能学業 性格行動 進路適性 身体神経 教育一般 昭和48年度 154 153 3 25 6 4 7 352
(3)相談者地区別数(相談ケース数)
地区別 県北 県中 県南 会津 南会津 いわき 相双 計 来談者 67 9 1 5 1 2 2 87
3.教育相談の現状と課題
○県下小・中・高の各学校において、年々教育相談を定期的
あるいは継続的に実施する傾向が強まつできたことは、大変
に喜ばしいことである。今後も学校教育相談の発展のために、
最新の理論と技法を研さんし、現場の先生方と共に歩んでい
きたい。
○年間3回、小・中・高校教師各1回の数育相談講座を3泊
4日の日程で実施してきたが、希望者が予想外に多く、次年
度にまわる教師も多い状態である。
教育センターの開講日程以外の日(長期休業中)などにも
数多く利用され、研修を積まれることを希望する。
○近年急激に登校拒否児(学校恐怖症児)、かん黙児が増え
てきたため、現在のスタッフでは十分の治療がまにあわなく
なり、現在、福島大学教育学部臨床心理研究会の諸兄の援助
を受けながら共同研究を重ねている。
○相談のケースは、一般に重症になり過ぎてから来談する傾
向が強いので、できる限り早期発見、早期治療が受けられる
よう、関係諸機関に連絡されるよう希望する。
4.関係機関
関 係 機 関 相 談 内 容 児童相談所 ・登校拒否、非行、性格異常など 福島大学 ・心理学的な諸問題について 福島医科大学 ・精神疾患、神経症、身体疾患など 各養護学校 ・病弱、虚弱児の問題について 各ことばの教室 ・言語障害の問題について 各難聴学級 ・難聴児の問題について 情緒障害学級 ・情緒不安定児の問題について 弱視教育学級 ・弱視児の問題について
第5節 教育資料および
普及に関する事業
1.方 針
(1)教育に関する専門図書館、資料センターとしての機能を
果たし得るよう、教育専門図書および各種資料の収集を計
画的に行い、その効果的な活用を図る。
(2)学校・地域における教育実践、研究活動をより推進させ
るため、研究成果の普及および文献・資料等の提供を行う。
3)学校・地球等の研究成果の展示・紹介を行う。
2.奉仕活動
(1)教育図書・資料の収集・整理・保管
教育図書については、本年度1,000冊の増加を図って、
17,000冊を数えるようになった。教育資料については、1
1,400冊の新規供与を得て10,900冊の整備をみることにな
った。
これらの配架については、教育資料では検索・活用の便
を図るため、「都道府県指定都市教育研究所長協議会」が
作成した「教育関係資料分類基準」によって分類し、索引
カードを作成した。これにもとづき教育図書目録とともに、
教育資料目録を作成する予定である。
整理・保管は、書庫(図書・資料の整理・保管)第2書
庫(小・中・高校教科書の整理・保管)で管理しており、
教育関係定期刊行物(教育雑誌類)は約70種類を購入して
いる。
(2)図書・資料の貸出
利用の対象は、教職員およびセンター所員、所長の承認
あるもので、1人、1回、2冊、3週間の原則で貨し出し
ており、本年度は600件の貸し出しがあった。
(3)研究物等の展示紹介
教育展示室では、各教育研究機関、学校、地域などにお
ける教育研究成果、児童・生徒作品等の展示、紹介を行っ
た。
(4)教育センター所報の発行