教育年報1973年(S48)-257/273page

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  本県教育の進展向上に資する目的をもって、新しい教育

 思潮の紹介、探究的に学習をすすめるための研究等につい

 て第10号〜第15号を刊行した。

(5)研究報告書の刊行

 1) 学校経営改善に関する研究報告書

  学校経営の概念を明確にし、その組織体制や弾力的な

  作用について、本県の実情を明らかにし、児童・生徒ひ

  とりひとりの伸長をめざした「機能的な学校経営のあり

  方」を究明し、今後の学校経営の改善資料とする。

 2) 小学校における教授組織に関する研究報告書

   学校組織体制の中心を教授・学習組織におき、教育内容

  容、教育方法・技術のかかわりあいから、教授過程の構

  成とその役割分担を明らかにし、ひとりひとりの子ども

  の学習成立をより確かなものにするために実験学校によ

  る研究実践を行い、その成果を提供するものである。

 3) 児童・生徒の社会認識に関する研究報告書

   児童・生徒は、それぞれの社会での共同生活において、

  さまざまな機会をとおして、それなりの社会認識を形成

  している。その機会でどういう事実にふれ、それをどの

  ように受けとめながら形成しつつあるのか、「性意識の

  認識」を中心として究明し、その成果を提供するもので

  ある。

 4) 教育相談の基礎的研究報告書

   児童・生徒の教育上の問題について診断し、処置・治

  療するといった教育相談活動は、臨床心理学を中心とし

  て、ある程度の訓練を受けた専門性が必要になる。しか

  し各学校においては、必ずしもその条件が整えられてい

  るとはいえない。そこで相談事例を基にして、診断・治

  療のあり方をまとめ、各学校に提供することにより、各

  学校での教育相談を援助し、その推進を図ることにした

  ものである。

 第6節 福島県教育史の

              編さん事業

 1.編集方針

(1)福島県の政治経済文化等の各領域の発展の中で、本県教

 育がどのような特殊性をもっているかを明らかにする。

(2)わが国の教育と本県教育との関連の中で、本県教育がど

 のような特殊性をもっているかを明らかにする。

(3)本県における現場の教育実践や研究およびこれを推進し

 た教育思潮等具体的な資料を集め、本県教育発展の姿を明

 らかにする。

 2.計画・内容

 44年度より5ヵ年計画で着手、本年度は次のような刊行を

した。

(1)第3巻 現代編1

  終戦直後から昭和31年までの時代区分で、教育制度の改

 革、学校教育の実情、社会教育、教職員、教育関係団体の

 活動などをその内容とする。

(2)第4巻 現代編II

  昭和32年以降、現在までを中心として教育行財政、学校

 教育の内容・方法の改善、学校教育の実情、総合社会教育、

 教職員、関係団体の活動などをその内容とする。

 この間、古文書・県庁文書の調査・収集約1,000冊、官報

・県報等の整備・集録約250冊をはじめとし、各方面よりの

調査員の協力により、各部を中心とした資料を収集した。

 貴重写真・絵画や図画などは、現物または復写し、「福島

県教育史史料目録カード」により整理し保管する。その数

1,700点におよんでいる。

 これらの資料は、「写真による教育史」としても普及価置

があるものと思われる。


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