教育年報1974年(S49)-289/303page
4) 教育相談の基礎的研究報告書
昨年度は、小・中学校児童・生徒の長欠及びかん黙の
治療的指導に関する基礎研究を実施したが、本年度は、
県下各高等学校において、時おり発生を見る自殺(未遂)
に研究の焦点を当て、自殺(未遂)行為を防止するには、
いかなる指導と対策がとられなければならないかを探っ
てみた。なお、本研究は、分析と考察が加えられ、現場
での実践に役立つよう工夫されているので、各学校での
精神衛生の指導に利用されることを望むものである。
第6節 福島県教育史の編さん
事業
1 編集方針
昭和44年度から6ヶ年に互って推進されてきた、福島県教育史
の編さん事業は、本年度で完結することになった。編集
方針としては、学制領布前後から、先人の文化史的業績を発
掘し、その遺産を受け継ぐとともに、本県教育の振興を図る
という方針のもとに。
(1)福島県の政治・経済・文化等の各領域の発展の中で本県
教育がどのような特殊性をもって進展したかを明らかにす
る。
(2)わが国の教育と本県教育との関連の中で、本県教育がど
のような特殊性と役割をもって発展したかを明らかにする。
(3)本県における教育現場の教育実践や教育研究およびこれ
を推進した教育思潮等具体的な資料を集め、本県教育発展
の姿を明らかにし、本県教育の振興を図る。
2 計画・内容
44年度より6か年計画で着手し、本年度は次のような刊行
をした。
(1)本史第5巻(統計・年表編)
統計編、年代を戦前(太平洋戦争まで)の部と戦後の部に
分け、学校教育、社会教育を中心として計数を掲げる。
年表編は、学制頒布ころから昭和47年度までの、本県並
びに国の教育的事項を中心に掲げる。
(2)資料集 8集
福島県教育史の調査委員が、本史第5巻の年表を作成す
る段階で、発掘・調査・収集した資料に基づき、各担当郡
の年表としてまとめたものである。