教育年報1975年(S50)-040/303page
び団体自ら行う指導者研修事業の修了者とし、段階
別指導を徹底すること。
(2) 専門指導者の確保
1) 専門指導者の計画的養成を図るため、研修課程の作
成による資格取得制度を確立すること。
2) 地域別・専門分野別の指導者名簿を作成し、これを
関係機関・団体等に提供するとともに、民間団体等が
行う社会教育活動の講師としてあっせんを積極的に行
うなど、活用に努めること。
3) 学校教職員の社会教育への積極的な参加を奨励する
ため、その活動に伴う経費について、財政的援助の措
置を講じること。
4) 指導者の活動中に生じた事故に対する傷害保険制度
を確立し、安心して活動を推進できるようにすること。
社会教育施設の充実のための
施策
1章 公民館の拡充整備について
1 現状と課題
(1) 公民館は、住民が学習し、交流を深め、また各種の社
会教育関係団体が連携する場であり、市町村における社
会教育活動の中心的拠点である公民館を利用する住民の
学習要求の多様化・高度化に伴ない、公民館に対する期
待は大きい。したがって公民館の拡充整備は、現下社会教育
振興の不可欠の要件である。
(2) 公民館は基本的には、日常生活圏内の住民を対象とす
る社会教育施設であるから、市町村は計画的設置促進を
を図る必要がある。
本県の公民館の設置状況は下表のとおりで、中央館、
地区館の整備を図る必要がある。
公民館数 類似施設
部落館
集会場等本館(中央館・地区館)・分館の施設内容 本館 分 館 合 計 基準以上のもの
(建物のべ面積330m2)基準以下のもの 中央館 地 区 館 計 中央館 地区館 分館 中央館 地区館 分館 独立 併 置 計 独立 併 置 計 独立 併 置 計 独立 併 置 計 新築 転 用 新築 転 用 新築 転 用 新築 転 用 85 137 222 284 506 1,869 60 7 13 80 40 23 19 82 12 0 3 2 5 6 22 27 55 272
(3) 本館222館のうち、中央館が85館(38%)、地区館137
館であり、各市町村とも中央館方式の運営に移行しつつ
あるので、地区館分館の位置づけを検討する必要がある。
(4) 公民館222館中、独立館161館、併置館61館であり、
基準以上の本館は162館、基準以下60館で27%に当たり
基準以上の本館をもたないのが2市6町村である。
2 課題に対する対応策
社会教育に関する施設は社会教育活動の内容や方法が多
様であるのに対応し多種にわたっている。なかでもその中
心施設である公民館を拡充するに当たっては、次のような
対応策が必要である。
(1) 県は市町村の実態に基づく基本的施設の整備計画を策
定し、施設の建設補助について財政措置を強化する必要
がある。
(2) 施設の計画的整備と体系的配置
1) 市町村は公民館の利用範囲、地域人口、交通条件等
を考慮しながら、必要と要求に即応するように、中央
館、地区館の整備計画を樹立する必要がある。
2) 都市では中学校区に地区館、町村では小学校区に地
区館を設置し、全市町村の体系的な配置を計画する。
(3) 内 容の高度化に対応する条件の整備
1) 社会教育に高度の活動と魅力ある施設内容が強く要
求されるので、施設設備の充実が必要である。
2) 公民館が住民の多様な要求にこたえうるように、体
育レクリエーション、住民への資料の提示、相談事業
幼児保育コーナー等の設置についても考慮する必要が
ある。
3 施策実施上の留意点
(1) 市町村が地域開発計画等を策定する場合は、社会教育
施設の計画的配置を考えるとともに、必要な土地の先行
的確保について配慮すること。
(2) 学習要求の高度化に伴い、専門施設の整備が要求され
るが、広域圏的設置と各施設の総合的連携が必要である。
(3) 施設の運営において、専任職員の設置がきわめて重要
なことである。(社会教育指導者の充実強化のため施策
参考)
2章 青少年教育施設の拡充整備
について
1 現状と課題
(1) 今日青少年の全人的成長、発達を図るうえで、生がい教
育の観点から社会教育の諸条件を整備することが極めて
重要である。青少年の自主的活動を促し、その個性の伸
長、社会性の発達を助長する青少年教育施設の整備が緊
急な課題である。
(2) 本県における青少年教育施設は、青年の家4、少年の
家3、少年自然の家1、児童文化施設2で、今後在学青