教育年報1975年(S50)-064/303page
(重複採用を避けるため、日本育英会が募集している奨学
生との併願は認めない)。
(2) 奨学資金の貸与月額
区分 昭和46年度
以前採用者昭和47年度
以降採用者高等学校・
高等専門学校 奨学生2,000円 3,000円 大学奨学生 5,000円 7,000円
(3) 貸与期間
奨学生の在学する学校の正規の修業期間
(4) 奨学資金の返還
卒業の月の6か月後から起算して7年以内に、貸与を受
けた奨学資金の全額を半年賦で返還する。なお、利子は無
利子とする。
また、貸与期間の満了、退学、奨学資金の借り受け辞退、
奨学資金貸与制度の廃止の場合も同様とする。
(5) 募 集
昭和50年4月15日から5月15日まで募集期間とし、各高
等学校、主要大学及び報道機関を通じて広報した。
(6) 昭和50年度貸与状況
区分 継続貸与 新規貸与 計 応募者数 採用者数 高等学校
高等専門学校人 176 人 93 人 86 人 262 大学 275 121 100 375 計 451 214 186 637
2 日本育英会奨学制度
本会は政府からの借入金を主体として、これに返還金、育英
寄付金等を加えて運営している国家的育英機関である。各県
の教育委員会内に支部があり、県内の中学校、高等学校を対
象に奨学生の採用、補導、奨学金の貸与、返還等の各事務を
行っている。
(1) 奨 学 生
奨学生は、高等学校、高等専門学校、大学及び大学院
に在学する生徒・学生その他表1に該当する者で、在学校
の校長、学長から推薦された者から採用する。
(2) 奨学生の採用
表1のうち県支部が取り扱うのは、高等学校の一般及
び特別貸与奨学生の在学採用、並びに高等学校、高等専門
学校、大学および教育特別奨学生の予約採用である。
1) 高等学校一般貸与奨学生
高等学校に在学する生徒で、学業、人物ともにすぐれ
ながら、経済的理由によって修学困難と認められる者で
学校長から推薦された者について、支部選考会を経て採
用される。
貸与月額3,000円で、募集は4月と9月の年2回であ
る。
2) 高等学校特別貸与奨学生 (在学者採用)
高等学校に在学する生徒で、学業、人物ともにすぐれ
ながら、経済的理由によって修学困難と認められる者で
学校長から推薦された者について、支部選考会を経て採
用される。
貸与月額4,000円で、募集は4月と9月の年2回であ
る。
卒業後一般貸与奨学生の貸与月額相当額を一定期間内
に返還すれば残額は返還免除となる特典がある。
3) 高等学校、高等専門学校特別貸与(予約)奨学生
中学校第3学年に在学する生徒で、学業、人物ともに
優秀で進学希望を有するが、経済的理由により進学を断
念ずることのないよう、あらかじめ奨学生の予約採用を
中学在学中に行い、高校、高専校進学後ただちに本採用
となる。貸与月額は高等学校が4,000円、高等専門学校
は自宅通学者1〜3年が4,500円、4〜5年が8,000円。
自宅外通学者1〜3年が6,000円、4〜5年が12,000円
である。
卒業後一般貸与奨学生の貸与月額相当額を一定期間内
に返還すれば残額は返還免除となる特典がある。
採用は中学校長の推薦により、面接のうえ支部選考
会を経て予約採用される。募集は年1回で4月上旬。
4) 大学特別(予約)奨学生
高等学校最高学年に在学、又は卒業後1〜3年以内の
者で、翌年度に大学進学を希望する者を対象とする。
貸与月額は自宅通学者が8,000円(私立の場合は15,000
円)自宅外通学者が12,000円(私立の場合は23,000円)
である。返還免除の特典があり、大学一般奨学生の貸与月
額相当額を返還すれば残額を免除し、また免除職(小・
中・高校の教諭その他)に一定年限従事すれば全額が免
除となる。
採用は、高等学校長の推薦により、面接のうえ支部選
考会を経て予約採用される。募集は年1回4月上旬。
5) 教育特別(予約)奨学生
義務教育教員の資質向上に資するため、将来優秀な教
員としての素質を有する学生を国立大学の教員養成学部
に誘致することを目的とする制度。対象は前記4)と同様
であるが、面接は行わず、高等学校長の推薦により支部
選考を経て予約採用される。
貸与月額は自宅通学者が8,000円、自宅外通学者が
12,000円である。4)との併願は認めない。
返還免除の特典も4)と同じである。募集は年1回4月
上旬。
(注) 特例としてこの適用を受ける私立大学の教員養成
を目的とする学部に、立正女子大学教育学部初等教育、
中等教育課程がある。貸与月額は自宅通学者が15,000円
自宅外通学者が23,000円である。
(3) 奨学金の返還
奨学金の返還は、卒業の6か月後から20年以内に年賦、
半年賦の方法で行うが、病気、経済的理由等による場合は
申請することによって返還猶予が認められる。
また、返還免除には次のようなものがある。