教育年報1975年(S50)-221/303page

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保健体育

第1節 概    要

 保健体育課においては、県教育委員会が昭和50年度の重点

施策として掲げた「体格・体力の向上とスポーツの振興」を

目指し、保健、体育、給食の分野で緊密な連携をとりながら

施策の推進を図った。その概要は、次のとおりである。

 1 学校体育の充実

 体育の授業における指導力を高め、児童・生徒の体力向上

を図るため、各種体育実技講習会を開催するとともに、体育

研究学校による実践研究、学校訪問による指導、体育研究大

会等を開催し、学校体育指導者の資質向上を図った。また、

体育担当以外の教員を対象に体育クラブ指導講習会を開催し

指導力の向上に努めるなど、学習指導要領の充実した展開を

図るための諸事業を行った。

 更に、昭和53年度全国高等学校総合体育大会本県開催の内

定に伴い、中学校、高等学校の体育授業の充実と相互の連携

に努めた。

 2 スポーツ選手の競技力向上

 各種体育大会における県代表の成績は、国内における本県

スポーツの水準を示すものであり、県民の士気にも大きく影

響するので、前年に続いて競技力の向上に努めた。

 昭和50年度全国高等学校総合体育大会の陸上競技の成績は

めざましく、塚原由美子(安達高)が槍投で優勝の外、加藤顕人

(安達高)が砲丸投で、石森ユキ子(郡大附)が槍投げでそれぞ

れ第2位に入賞し、岡部晃子(白女)が100mで、石森ユキ子(郡

大附)が、円盤投げでそれぞれ第3位に入賞している。自転車

競技の荒木光利(白農)が10,000mポイントレースに優勝し、

その外5種目で3位に入賞した。レスリングでは渡辺友幸(田

島高)が65kg級で優勝し、1月には日本代表としてアメリカに

遠征し優秀な成績を収めて帰国した。スキー競技では相原美

知子(猪苗代高)が5キロ競技で第2位に入賞等、高校生の

活躍が目立ち、昭和53年度全国総合体育大会に明るい希望が

持たれる。更に第31回国体スケート競技で笠原美也子(堀川

商事)が3,000mで優勝を成し万丈の気を吐いた。

 3 社会体育の振興

 県民の体育・スポーツに対する欲求が高まり、市町村体育

協会等関係団体の活躍によって、スポーツが県民の日常生活

の中に定着しつつある。(財)県体育協会加盟種目競技団体登

録者83,300余名、スポーツ少年団登録者17,000余名、県総合

体育大会家庭バレーボール、壮年ソフトボールの県大会出場

者1,846名、スポーツ傷害保険加入者161,740名等の数字は

本県の社会体育の充実を表すものである。

 このような県民の盛り上がりの中で、指導の養成、各種ス

ポーツ大会の開催、各種大会に県代表選手の派遣等を行った。

オリエンテーリング講習会において67名の指導者が誕生した

のをはじめ、各講習会を通じて指導者の資質向上等、初期の

目的を達することができた。また、県民のスポーツの祭典で

ある第28回県総合体育大会には、17,979名が参加する盛況

を呈し、第2回東北総合体育大会においては、28種目に987

名の選手団を派遣し、馬術、ハンドボール、庭球、クレー射

撃の4種目で総合優勝した。

 更に、スポーツ少年団においては、西ドイツに団員2名を

派遣し、西ドイツからは団長以下20名の団員を本県に迎え、

国際交流に努めた。その他の各体育スポーツ関係団体におい

ても、それぞれ年間にわたって充実した活動を展開し、社会

体育の振興を図った。

 4 体育施設の整備

 明治100年記念事業として計画した県総合運動公園の建設

事業として、前年度に引き続き予定地の地質調査(水位観測)

と気象調査を実施した。

 また基本計画作成業務を3業者に委託し、その資料を基礎

として県総合運動公園建設プロジェクトチームによる検討を

加え、基本設計を作成した。

 南会津野外活動センター内にグランドを建設するため予定

地の測量・設計を完了し建設の基礎固めを図った。

 市町村の施設としては水泳プール35か所、運動場3か所、

学校施設開放施設として3か所が新設された。

 5 学校給食の改善充実

 本年度の完全給食実施状況は、前年度と比較すると、児童・

生徒数に対して小学校0.6%・中学校2.0%、学校数に対し

ては小学校0.8%・中学校△0.2%とそれぞれ上昇を示し普

及が図られた。中学校の普及率は、全国平均を上回っている

が、小学校の普及率と比較するとまだ低いので、今後なおい

っそう市町村、学校及びPTA等と連携を密にして、地域の

特性に応じた完全給食の実施を推進し、"学校教育の一環"と

しての学校給食が全児童生徒に行われるよう努力する必要が

ある。

 給食費は、1食当たり県平均小学校123円85銭・中学校147

円93銭で前年度と比較すると約25%の増額となっている。し

かし年度内における給食用牛乳または諸物価の高騰が極力抑

制されたので、経済的には給食運営が容易であった。

 本年度の特記事項は、児童・生徒に必要な栄養確保の見地

から「学校給食用小麦粉品質規格規程」の一部が改正され、

5月使用小麦粉から「L一リジン塩酸塩」が添加されること

になった。しかし、当該L一リジンから「34ベンツ・ピレ

ン」が検出されたことに伴い、その安全性について世論の喚

起するところとなった。この結果、文部省は、「L一リジンの

有効性・安全性に疑義はないが、学校給食の円滑な実施を継

続するため、当分の間、リジンの使用は都道府県の判断に委

ねる。」との見解を示すとともに小麦粉品質規格規程のL一リ


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