教育年報1975年(S50)-276/303page
2) 主な内容
○ FANUC 260-Aによるプログラミング
○ NC操作及び切削実習
14 教育相談講座
(1) 小学校教育相談講座
1) 期日・人員等
ア 6月16日〜6月19日
イ 小学校教員 31名
2) 主な内容
○ 教育相談の問題点
○ 事例研究法とロール・プレーイング
○ Y-G性格検査法
○ ソシオメトリック・テスト
○ 児童期の精神障害
(2) 中学校教育相談講座
1) 期日・人員等
ア 11月18日〜11月21日
イ 中学校教員 30名
2) 主な内容
○ 教育相談の問題点
○ Y-G性格検査法
○ 適応性診断テスト
○ 事例研究法
○ 思春期の精神医学
(3) 高等学校教育相談講座
1) 期日・人員等
ア 9月9日〜9月12日
イ 高等学校担当教員 30名
2) 主な内容
○ 教育相談の問題点
○ 心理診断法
○ 自律訓練法
○ 生徒指導上の諸問題
○ 事例研究の進め方
第4節 教育相談に関する事業
1 児童・生徒、父母への相談・助言
(1) 児童の問題行動の治療矯正には、原則として遊戯療法を
用いているが、ケースによっては、行動療法・絵画療法な
どをあわせて行っている。
(2) 生徒に対しては、カウンセリングを主として用いている
が、自律訓練法・行動療法などもケースによって行っている。
(3) 父母に対しては、原則として児童・生徒の治療と並行し
て面接指導を行っている。
(4) 治療効果を高めるため、来談児童・生徒の担任教師に対
しては、資料の提供を依頼するとともに、指導の徹底と協
力をお願いしている。
(5) 必要に応じて、児童・生徒の知能検査、性格検査を実施
し、その結果を学校に知らせている。
(6) 現場で生ずる教育相談分野の諸問題の理論的研究を行い
各学校からの質問に答えている。
2 教育相談の実施状況
(1) 相談者の人数 (相談ケース数)
年度 幼児 小学校 中学生 高校生 一般 教員 計 昭和50年度 17 48 21 17 8 23 134 % 12.7 35.8 15.7 12.7 6.0 17.1 100.0
(2) 来談者の内容別件数 (延べ人員)
年度/内容別 面接相談 通信 電話 計 知能学業 性格行動 進路適性 身体神経 教育一般 昭和50年度 69 199 2 165 31 1 8 475
(3) 相談着地区別数 (相談ケース数)
地区別 県北 県中 県南 会津 南会津 いわき 相双 計 来談者 110 17 2 0 0 1 4 134 % 82.1 12.7 1.5 0 0 0.7 3.0 100.0
3 教育相談の現状と課題
各学校では、登校拒否児をつくらないために、予防対策を
積極的に進めていることは喜ばしい傾向である。
家庭にあっては、子供のしつけについて父母の考え方を一
致させることが先ず基本である。過保護のしつけから自律性
忍耐力を養うようなしつけをしていくことが必要である。
このようなしつけができれば、登校拒否児も少なくなり、
望ましい性格の子供として育っていくと思われる。
昨今、幼児のことば遅れのことで来談する父母が多くなっ
ている。これは、親と子の話し合いの少ないこと、親が子に
話を聞かせる時間の少ないことなどが、主な理由と考えられ
る。幼児が一人でおとなしく遊んでいるからといって、放任
することのないよう母親は特に考慮すべきであろう。
県下小・中・高の各学校において、教育相談に対する研究
が高まり、校内で教育相談が、定期的に実施されていること
は望ましいことである。
特に、県下の高等学校では、教育相談研究会発足の気運が
あり、また、養護教諭の先生方が、身体的な治療ばかりでな
く、心の治療にまで関心をむけられて、教育相談の研究を深
められていることは心強い限りである。
相談ケースの中には、一般に重症になり過ぎてからの相談
が多いようである。早期発見・早期治療が教育相談の本筋で
あることを考え、早目に来談されることを希望する。