教育年報1977年(S52)-193/357page
社会教育
第1節 社会教育一般
1 概 要
生がい教育の立場から社会教育をどのように体系化し、充
実するかについての検討を進めながら、社会構造の変化と県
民の余暇時間の増加という情勢の中で一人一人の生がいの各
時期における要求課題に対応し、"だれでも"”どこでも"
"いつでも”学べる機会と場を豊富に提供し、主体的に自己
啓発を可能にすることができる条件整備をすすめる施策を、
市町村教育委員会はじめ、関係機関団体との間に、明確な役
割分担のもとで緊密な連携と協力のもとに積極的に推進した。
今年度は特に、社会教育の機会の拡充、社会教育における内
容の充実、社会教育施設の整備充実、社会教育関係職員の資
質の向上、社会教育関係団体の育成と団体活動の助長、図書館
活動の推進の6つの重点施策を策定し、目的達成のため努力した。
(1)社会教育の機会の拡充
生がい教育の立場から家庭教育、青少年教育、成人教育
の各領域において各年齢階層の学習要求及び社会の要請に
対応するため、各種学級、教室、講座等の拡充を図るとと
もに、団体等がみずから行う学習活動等に対し積極的に育
成助長を行い、住民が主体的に自己啓発を継続できるよう
関係機関、団体との連携強化を図りながら条件整備に努め
た。
1) 学級、教室、講座の拡充
ア 乳幼児学級、家庭教育学級の拡充を図る
イ ガキ大将教室の開設を促進する
ウ 在学青少年教育の拡充を図る
エ 青年学級、教室、講座の拡充を図る
オ 婦人学級、高齢者学級の自主開設の促進を図る
カ 成人大学講座等の開設を促進する
2) 各種事業の拡充強化
ア 家庭教育相談事業の拡充を図る
イ 少年団体活動強化事業を推進する
ウ 青年学級、教室、リーダー研修事業の推進を図る
エ 青年学級生大会、婦人学級生大会の充実を図る
オ ユネスコ活動研修会の拡充と協会設立を促進する
カ 生がい教育研究大会を開催する
キ 視聴覚教育研修事業を推進する
ク 社会通信教育の普及とグループの育成強化を図る
(2)社会教育における内容の充実
社会構造の複雑化や、学歴構成の高度化に伴い、住民の
学習要求は多様化、高度化の傾向を示している。こうした
現状に対応して、年齢や地域の実態に応じた学習内容、学
習方法、学習媒体、社会教育への参加形態等の具体的な研
究を進め、その充実を図った。
1) 学習内容・方法の改善充実
ア 各時期における教育課題の明確化を図る
イ 実態調査に基づく要求課題のは握に努める
ウ 学習媒体の効果的活用を図る
エ 成人教育のための学習内容の研究を推進する
オ 個人学習、集団学習の拡充を図る
2) 教材、教具の整備充実
ア 教育機器の拡充整備を図る
イ 視聴覚ライブラリーの積極的活用を図る
(3)社会教育施設の整備充実
社会教育施設の充実は社会教育の振興上極めて重要であ
るので公民館については、地域住民の最も身近な社会教育
施設として重視し、国庫補助の確保とともに県費助成の拡
大を図り、その整備拡充を計画的に促進した。更に少年自
然の家等社会教育施設の整備に努めた。
1) 公民館設置の促進
ア 公民館の計画的な整備促進を図る
2) 青少年教育施設の整備促進を図る
ア 少年自然の家の整備促進を図る
イ 海浜青年の家の整備促進を図る
ウ 国立那須甲子少年自然の家の建設協力事業を推進す
る
3) 視聴覚ライブラリーの公立化促進
4) 県立図書館及び社会教育センター建設の研究
(4)社会教育関係職員の資質の向上
住民の学習要求が多様化し、高度化の傾向をしめしてい
る今日、これに対応した学習機会や場を提供するための指
導者、条件整備にたずさわる社会教育関係職員の充実と、
質的向上は緊要な課題であるので社会教育関係職員の定数
増を図るとともに、職員の現職教育事業の充実を図った。
1) 社会教育関係職員の拡充強化
ア 社会教育主事未設置町村の解消と専任化の促進をは
かる。
イ 公民館職員の定数確保と専任化の促進を図る
ウ 社会教育指導員の設置促進と役割分担の明確化を図
る
2) 社会教育関係職員の資質の向上
ア 現職教育の拡充と計画的参加を促進する
イ 指導者養成研修事業の改善充実を図る
ウ 国立社会教育研修所への積極的参加を図る
3) 民間有志指導者の養成と活用
ア 民間有志指導者の発掘養成と組織化を図る
イ 民間有志指導者の専門化の推進を図る
(5)社会教育関係団体の育成と団体活動の助長
社会教育は、住民の自発的な学習を基盤として成立する
ものであり、この点からみても自主的な学習グループ等の
社会教育関係団体を積極的に育成する必要がある。社会教
育関係団体に対し、必要な指導、助言、指導者の派遣及び
学習の場の提供など助成措置を講ずることができるよう体
制の整備に努めた。