教育年報1977年(S52)-207/357page
イ ユネスコ活動と指導者のあり方
ウ 国際理解と社会教育活動
エ ユネスコ協会設立のすすめ方と活動の推進
オ ユネスコ活動の推進(研究協議)
カ 人類はひとつ、太平洋にかける橋(映画)
第5節 家 庭 教 育
1 概 要
最近における科学、文化、経済の発展に伴う日常生活や家
族構成の変化、価値観の多様化は、親の子供に対する教育観
をも混迷させ、無責任な放任や必要以上の過保護等から、家
庭における教育機能の低下が指摘され、家庭教育の振興充実
が大きな課題となっている。このときにあたり、親が家庭教
育の考え方、あり方を理解し、実践する能力を高めるために
家庭教育に関する学習を行う機会と場を豊富に提供すること
が必要となってくる。この行政課題の解決のため
第1の施策として、家庭教育学級、乳幼児学級の拡充を図
った。家庭教育学級についてみると、本年度の補助学級は
107学級と昨年より213学級の減をみた。これは国庫補助の
減によるものであるが、無補助学級は316学級となり219学
級の増をみており、合計では423学級と昨年度より6学級増
となった。
乳幼児学級は、補助学級が29学級と昨年度より4学級の増
となり、無補助学級は10学級で2学級の減となったが合計で
39学級となり昨年度より2学級増となった。
今後は国庫補助による学級増は望めないので、市町村費に
よる単独開設の増加が図られる必要がある。
第2の施策として、家庭における幼児教育の振興を図る
ため、国の施策と相まって、昭和47年度より家庭教育(幼児
期)相談事業を実施した。これは、幼児期の家庭教育上の諸
問題について、3歳児を第1子にもつ県内約15,000世帯の親
に対し、はがき通信、テレビ放送により、直接家庭に学習資
料を届け、県内26か所で家庭教育上の疑問点について、直接
専門家と個別相談を実施し、幼児期家庭教育の拡充に実績を
あげている。
なお、これらの事業の推進に当たっては、次の指導方針に
基づいて拡充を図った。
(1)家庭教育学級、乳幼児学級
1) 関係者の理解を深め、開設の増加を図るとともに子供
の発達段階に応じた学級開設を促進する。
2) 家庭教育について、地区や市町村独自の研修会の開催
を促進し、学級運営の改善向上に資する。
3) 資料を提供し、その効果的活用をすすめる。
4) 学級の編成や運営及び学習内容、方法の改善充実を図
る。
5) 乳幼児学級については、開設中、乳幼児の保育の設備
や方法についてくふう、改善を図る。
(2)家庭教育(幼児期)相談事業
1) 事業の趣旨について対象者のみならず、広く県内全般
に周知するようあらゆる機会を活用する。
2) テレビ放送「ちいさな世界」については、特に対象者
や一般に周知徹底を図るとともに、放送内容の充実を図
る。
3) 巡回相談の実施については、市町村との連携を深める
とともに、方法についてくふう改善する。
4) 各種学級における「ちいさな世界」放送利用の促進を
図るとともに、放送内容の充実を図る。
5) 本事業の対象者等による「はがき通信」の輪読、「ち
いさな世界」視聴グループの育成を図る。
6) 家庭教育個別相談を公民館等の事業として開設するよ
う市町村教育委員会にすすめる。
2 家庭教育研究集会
(1)目 的
家庭教育学級、乳幼児学級の開設と運営、学習内容の編
成、学習方法について研究協議することにより、家庭教育
の振興を図る。
(2)主 催
福島県教育委員会、会津若松市教育委員会
(3)期日・会場・参加者
1) 期 日 昭和52年6月16日
2) 会 場 会津若松市公民館
3) 参加者 268名
(4)参加対象
1) 市町村教育委員会、公民館等の家庭教育担当者
2)小・中学校、幼稚園、保育所等の家庭教育関係者
3)家庭教育学級、乳幼児学級運営委員及び学級生代表等
(5)講 師
郡山女子大学短期大学部助教授 高館作夫
(6)助 言 者
県教育庁社会教育主事
〃 会津教育事務所社会教育主事
〃 南会津教育事務所社会教育主事
会津若松市教育委員会事務局職員
(7)研究内容及び方法
1) 研究主題
家庭教育学級、乳幼児学級を拡充するため、その開設
運営、学習内容、学習方法をどのように改善したらよい
か。
2) 講 義
家庭教育の意味
3) 分 科 会
第1分科会協議題
家庭教育学級の企画、運営をどう改善したらよいか
第2分科会協議題
家庭教育学級の効果的な学習方法はどのようにしたら
よいか
第3分科会協議題
乳幼児学級の企画運営をどう改善したらよいか
第4分科会協議題
家庭教育を振興するための行政施策はどのようにした
らよいか。