教育年報1977年(S52)-241/357page
保健体育
第1節 概 要
教育委員会は昭和52年度保健体育関係重点施策として「社
会体育の振興」「全国高等学校総合体育大会開催準備の推進」
を設定した。これらを中心に体育・保健安全・給食の各分野に
おいて相互連携を密にしながら各施策の推進を図った。その
概要は、次のとおりである。
1 学校体育の充実
体育担当者の指導力を高め、児童・生徒の体力向上をめざ
して、各種体育実技講習会を開催するとともに、体力つくり
推進校の実践研究、学校訪問による指導、さらには、学校体
育指導の手引き(小学校編)の作成等学校体育指導資料の提
供と、指導者の資質向上に努めた。また、体育担当以外の教
員を対象に、体育クラブ指導者講習会を開催し、指導力の向上
に努めるなど学校体育の充実を図った。
昭和53年度全国高等学校総合体育大会については、県実行
委員会を設立、また、各会場地実行委員会を設立し、それぞ
れの事務局が中心となって大会準備に万全を期している。
2 学校保健の振興
学校保健教育、管理の充実を図るために、保健関係教員を
対象として、保健主事講習会(県内3地区)、保健・安全指導
者資質向上講習会(県内3地区)、養護教諭講習会(県教育セ
ンター)を開催し、資質の向上に努めた。
また、教職員、児童・生徒の健康管理に努めるとともに、
学校保健委員会の設置促進と活動の活発化を図った。
なお、第1回学校保健体育研究大会(須賀川市)において
当面する学校保健教育、管理の諸問題について研究協議し、
多大の成果をあげた。
3 学校安全の徹底
安全教育、管理の強化を図るために、交通安全指導者講習
会(県内3地区)、高校生バイク実技講習会(58校、6,187名
の生徒)を開催し、安全教育、管理の徹底に努めるとともに
新規事業として、高校生の二輪車運転免許証を多く持ってい
る学校及び交通事故が発生しやすい環境に位置する学校等に
ついて、27校を訪問し、高校生の二輪車事故防止に努めた。
また、交通安全指導教具(県費補助1組220,000円の1/2)
の整備に努め、事故防止の強化を図った。
4 学校給食の改善充実
本年度の完全給食の実施状況は、前年と比較すると大きな
変化はみられなかった。完全給食の実施状況を全国平均に比
較すると、中学校においては学校数でみると全国62.4%、本県
71%で8.6%上回り、生徒数でみると全国55.4%、本県68.7%
で13.3%上回っている。小学校の実施率と比較すると若干下
回っているので、市町村、学校及びPTA等と連携を密にし
て、地域の特性に応じた完全給食の実施を推進し、学校教育
の一環として、給食が行われるよう努力する必要かある。
給食費は、一食当たり県平均小学校157円76銭、中学校186
円83銭で前年度に比較すると約11%の増額となっている。
本年度の特記事項は、米飯給食導入校の増加である。51年
に米飯給食の採用措置が構じられ、52年5月1日現在で完全
給食校に対する米飯導入校の比率をみると、小学校40.2%で
前年より16.2%増加し、中学校49.2%で前年より26.2%増と
なった。米飯は食事内容が多様化され、児童生徒から大変好
評であるとの意見が多く出ている。今後とも米飯給食は逐次
増加するものと考えられる。
また給食物資は年間を通し、安全にして良質なものを安定
した価格で購入し、父兄負担の軽減を図り、給食運営をより
円滑にする必要がある。これがため52年度には(財)福島県
学校給食会に対し、常温倉庫建設費として国及び県の補助に
より、福島市松川地内に693.8m2の倉庫が建設され、今後の
学校給食物資運営について大きな希望と期待がよせられてい
る。
5 第1回福島県学校保健体育研究大会
児童・生徒の健康の増進、体力の向上をめざすとともに学
習指導の改善を図るため、学校体育、保健・安全及び給食の
調和のとれた指導等について総合的に研究を進めるため、約
800名の参加を得て、須賀川市立須賀川第二小学校を会場に
開催した。特別講演、シンポジウム、全体会、分科会(12)
の内容をもって2日間にわたる日程で行われ、本研究大会の
めざす初期の目的が達成された。
6 社会体育の振興
近年、県民の健康に対する関心が深まり、体育・スポーツ
ヘの欲求は高く、多様化傾向を示しているが(財)福島県体
育協会はじめ市町村体育協会等関係団体の組織的活動により
スポーツが日常生活の中に定着しつつある。(財)福島県体育
協会加盟種目競技団体登録者は97,491名、スポーツ少年団登
録者17,205名、市町村におけるスポーツ人口は県人口のおよ
そ10%余で本県社会体育の発展充実を表すものである。
このような県民スポーツ欲求の高まりと多様化に対応する
ため、スポーツ指導員の養成等、各種研修・講習会の開催、
各種競技会の開催、さらに東北・全国大会への選手派遣を行
った。
指導者養成と資質の向上については、有資格スポーツ指導
員養成講習会、野外活動指導者講習会、学校体育施設開放事
業運営指導者講習会等を実施し、初期の目的を達成すること
ができた。
県民スポーツの祭典である、第30回県民総合体育大会は、従
来の大会内容を大きく改善し、県民総参加をめざし、国民体
育大会県予選会、スポーツ小年団体育大会、県民スポーツ大