教育年報1977年(S52)-323/357page

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福島県立図書館

  第1節 概     要

  1 は じ め に

 生がい教育のにない手としての役割をふまえながら、県内

の資料センターを目ざして資料の整備を図り、館内一般閲覧

業務のほか、利用者及び諸施設に対する参考調査、広く県民

に対する移動図書館による館外奉仕、読書普及活動の推進、

県内図書館等との相互協力等に重点をおいて運営してきたが

本年度も引き続いて下記の重点目標を設定し、利用者の期待

と要求にこたえるよう努力した。

(1)図書館資料の質的充実

  蔵書診断にもとづく基本図書の収集整備、未受け入れ資

 料の整備促進、「小野崎文庫」の整理等を行った。

(2)調査相談機能の充実と奉仕活動の強化

  参考資料の整備と館外個人貸し出しの大幅な伸長を図っ

 た。

(3)書庫内スペースの効果的活用

  書庫の狭隘を打開するために、逐次刊行物、新聞、特許

 公報類等の効率的保存の検討、書架の増設等を行い、また

 一部他に保管を依頼するなどの方途を講じたものの、大幅

 に増加する資料の保存の根本的解決には至らなかった。

(4)相互協力事業の推進

  資料相互貸借の充実に努め、公民館等においても積極的

 に実施するところがでてきている。

(5)移動図書館「あづま号」の効果的運用

  予約制度の充実や、市町村読書施設の協力を得て大幅な

 利用増を見せている。

(6)親子読書文庫の充実

  セット内容の改善、配本時における参考資料の提供等に

 より、積極的に活用されている。

(7)読書普及活動の推進

  関係諸団体との連絡協調、県図書館大会の開催等を通し

 て、各地に気運が盛り上ってきている。

(8)職員研修事業の強化

  研修会、講習会、県外研修等、対象に応じて実施し、職

 員の資質の向上に資した。

  2 図書館協議会

(1)委員の任命

  改選期に当たり関係団体の推せんを得て任命され、昭和

 52年8月10日の第1回協議会で、議長に辺見正治委員、副

 議長に小林忠道委員が互選された。

  委員は次のとおりである。

             任期 自 昭和52年6月13日

                 至 昭和54年6月12日

  高橋哲夫 県立福島女子高等学校長

  原田俊子 二本松市連合婦人会長

  山口善吉 河東町公民館長

  辺見正治 福島市教育委員会教育長

  猪俣良記 県議会議員

  堀口知明 福島大学教授

  小林忠道 福島商工会議所専務理事

  高山聡 県信用保証協会専務理事

  南沢馨 NHK福島放送局長

  浅見高由 郡山市少年センター所長

(2)協議事項

  第1回  (昭和52年8月10日)

   1 図書館の組織及び運営について

   2 52年度予算の概要について

   3 県立図書館の現状と課題について

  第2回  (昭和52年11月1日)

   1 53年度予算について

   2 県立図書館運営に対する意見聴取

  第3回  (昭和53年2月22 23日)

   1 県立図書館運営の基本方針について

   2 53年度移動図書館の巡回奉仕計画について

   3 身体障害者に対する奉仕について

  第2節 整理事務

  1 資料の収集

(1)一般資料の収集

  基本図書,参考図書を中心に、更に利用者の多様な資料

 要求に対応して、各部門の均衡を保つことに意を用い、収

 書委員会においてじゅうぶん検討を加えながら、その充実

 整備を図った。また、昭和51年度の蔵書診断の結果に基づ

 き推せんのあった哲学・宗教部門は、購入計画を立てて優

 先的に収集に努め充実を図った。

(2)郷土資料の収集

  郷土関係資料は、官公庁の行政資料と民間の出版物とに

 大別できるが、これらの資料は、県内公共図書館の中心

 館的性格を考慮して、対象となる図書館資料の中でももっ

 とも重視している。しかし、現実には収集のためのルート

 がしゅうぶんでないために、極めて困難な状況にある。そ

 れでも、年度当初に市町村長、市町村教育長、公民館長等

 に対し文書その他の方法で強く要請したことが好結果をも

 たらし、市町村勢要覧 広報紙、文化財調査報告書 地域

 開発計画書などの資料が数多く寄せられた。民間出版物は

 出版情報の入手が困難なため、しゅうぶんな収集には至ら

 なかった。

(3)資料の受贈

  まとまったものとしては、月館町在住の長谷部俊一郎氏

 から詩集278冊、福島市在住の詩人高橋新二氏から904冊


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