教育年報1978年(S53)-241/372page
保健体育
第1節 概 要
昭和53年度保健体育関係の重点施策として社会の急速な進
展と県民意識の変化に対応した「健康な人間の育成」をうけ
て、「社会体育の振興」と「全国高等学校総合体育大会の開
催」を設定した。これらを中心に体育・保健安全・給食の各
分野において相互連携を密にしながら各施策の推進を図った、
その概要は次のとおりである。
1 学校体育の充実
体育担当者の指導力を高め、児童・生徒の体力の向上をめ
ざして、各種体育実技講習会を開催するとともに、文部省指
定体力つくり研究推進校の実践研究及び公開発表、学校訪問
による指導、さらには、学校体育指導の手引き(中学校編)
の作成等学校体育指導資料の提供と指導者の資質の向上に努
めた。また、体育担当以外の教員を対象に、体育クラブ指導
者講習会を開催し、指導力の向上に努めるなど学校体育の充
実を図った。
昭和53年度全国高等学校総合体育大会の開催にあたっては、
県実行委員会、各会場地実行委員会を中心に県民挙げての協
力により大会準備に万全を期し、大成功裏に終始できた。
2 学校保健の振興
学校における保健教育、保健管理の充実を図るために学校
保健関係教員を対象として、保健主事講習会(県内3地区)、
保健安全指導者資質向上講習会(県内3地区)、新任養護教諭
講習会(県教育センター)、疾病異常対策講習会(県内2地区)
を開催し、資質の向上に努めた。
また、教職員、児童・生徒の健康管理に努めるとともに、
学校保健委員会の設置促進と活動の活発化を図った。なお第
2回学校保健体育(体育・保健安全・給食)研究大会におい
ては、当面する学校保健教育、管理の諸問題について研究協
議を行い、成果をあげた。
3 学校安全の徹底
安全教育、管理の強化を図るために、交通安全指導者講習
会(県内3地区)、高校生バイク実技講習会(67校7,362名)
を開催したほか、二輪車運転免許所持者の多い高等学校の訪
問(30校)を行った。
また、交通安全指導教具(県費補助1組220,000円×1/2)
の整備に努め、交通事故防止の強化を図った。
4 学校給食の改善充実
学校給食の実施状況は、前年と比較して大きな変化はみら
れなかった。完全給食の実施状況を児童・生徒数でみると小
学校が96.2%で全国平均97.4%とほぼ同じであり、中学校は
70.4%で全国平均57.6%を大きく上回った実施率となってい
る。
米飯給食の実施状況は、県の米飯導入基本構想に基づいて
行い、関係機関と相互連携を密にして導入推進を図ってきた。
その結果は前年に比較して実施率は12%の延びがみられ、小
中学校平均米飯給食実施率は54.1%となっている。
なお、学校給食の適正な管理運営と改善充実及び給食関係職
員の資質向上をはかるため、給食主任研修会、栄養職員研修
会、調理研修会、米飯給食協議会等を開催し、それぞれ所期の
目的達成に努めた。
また、給食物資は安全にして良質なものを安定した価格で年
間を通じて購入することができ、しかも父兄負担の軽減を図
る必要がある。このため、県学校給食会が行う、国及び県の
補助事業として昭和52年度に常温倉庫を建設し、昭和53年度
より業務を開始した。
集団給食において懸念される食中毒等の事故の発生は皆無
であり、衛生・安全管理の徹底が図られた。
5 第2回福島県学校保健体育(体育・
保健安全・給食)研究大会
児童・生徒の健康の増進、体力の向上をめざすとともに学
習指導の改善充実を図るため、学校体育、保健安全及び給食
の調和のとれた指導等について総合的に研究を進めるため、
約620名の参加を得て、白河市民会館を主会場に白河第一小
学校・白河中央中学校・白河女子高等学校の3校を分科会場
として2日間の日程で開催し所期の目的を達成した。
6 社会体育の振興
近年、県民の健康・体力に対する関心が高まり、体育・ス
ポーツヘの欲求も多様化の傾向を示しているが、県体育協会
をはじめとする各加盟団体等の組織的活動により、年々スポ
ーツを行う人びとが増加してきていることは誠に喜ばしい現
象である。このことは、特に、本年度のスポーツ安全協会傷
害保険の加入者が、前年度に比べて大幅に増加したことから
も知ることができ、本県社会体育が着実に進展していること
を物語るものといえる。
このような県民のスポーツ欲求への高まりと多様化に対応
するため、指導者を対象に各種講習会、研修会等を開催し、
資質の向上につとめた。
また、各種競技会を開催するとともに、東北総合体育大会、
国民体育大会等への選手派遣を行い、県民のスポーツ意識の
高揚につとめた。
第31回県総合体育大会は、17,718名の参加を得て盛大に開
催され、文字通り県民スポーツの祭典にふさわしい充実した
大会となった。
山形県下で開催された第5回東北総合体育大会には、970
名の大選手団を派遣したが、庭球他3種目の優勝にとどまり、
東北最下位という不振に終った。また、長野県下で開催され