教育年報1978年(S53)-331/372page
中学生は登校拒否、高校生は登校拒否・神経症の相談が
多い。
2)全体を内容別にみると、登校拒否が圧倒的に多くみら
れ、全体数の43%を占めている。
3)両親の養育態度のまずさから、年齢相応に発達すべき
耐性の欠如している子供が多く、子供は危機場面に出合
うと、自分のからの中に閉じこもり、逃避する傾向が強
くうかがわれる。
4)早期に症状を発見し、来談した子供ほど、比較的早く
治ゆしている。
5)早期発見・早期治療は、今後とも重要視されなければ
ならない。
6) 学校においては、管理的発想による教育相談ではなく、
前向きの指導的な発想に基づく教育相談を確立する、必要
がある。
第5節 教育資料
1 教育資料の収集・整備
教育に関する専門図書、及び教育資料のセンター的な機能
を果たすよう努力してきた。そのため当センターにおける研
修、調査・研究、相談事業の充実と、県内各学校の教育実践、
教師の研究活動の推進に十分寄与できるよう、教育図書及び
教育資料の収集・整備につとめた。
(1)教育図書・教育資料の収集・整理・保管
教育図書は、本年度554冊の増加を図ることができ約17,000
冊の蔵書数となった。その中で小・中・高等学校の教育課
程に関する図書の整備ができた。
教育資料については、全国各教育機関や研究機関等の紀
要、研究報告書及び県内各学校の研究物等の収集で本年度
740冊を得た。
教育関係定期刊行物(月刊誌等)は、購入及び寄贈によ
り70点が常備できた。
これらの整備は、図書についてはNDC、教育資料は原
則として、都道府県指定都市研究所長協議会で作成した「教
育資料分類基準」により分類し配架した。
(2)教育図書・教育資料の利用
本年度の利用者は、研修者をはじめ県内教職員と学生等
で、延べ約1,000名を数えた。
教育資料については冊数の制限はしないが、教育図書は
1回に2冊まで、3週間を期限として貸し出してきた。
(3)教育センター所報の発行
県内各学校の教育実践に関する資料並びに研究の情報を
提供するため、当センターにおける研修、調査・研究、相
談事業の成果を中心に編集し、第36号〜第40号を刊行して、
県内公立小・中学校と県立各学校に配布した。
2 教育資料の刊行
(1)学校経営評価に関する研究
学校経営評価の理論的追究と、実際の学校経営における
経営評価の事例についての調査研究をし、3年計画で行う
本研究の第1年次としての基礎的研究をまとめ紀要第36号
を刊行した。
(2)授業研究に関する基礎調査
本県公立小・中学校における授業研究に関する調査研究
を行い、その実態と問題点を明らかにした。
調査は現職教育主任812名(小学校561名、中学校251名)
を対象とした質問紙によるもので、その結果を紀要第34号
にまとめて刊行した。
(3)教育相談の基礎的研究報告書
登校拒否の症状で来談する件数が増加している現況から、
登校拒否児をどのように理解し、どう指導すればよいかと
いう観点から「登校拒否に関する研究」としてまとめ、紀
要第37号を刊行した。
(4)学習指導に関する研究
県内各学校における学習指導の改善・充実のための資料
として、当センターの研究活動の成果を紀要第35号にまと
め刊行した。
内容は次の通りである。
1)実験・観察教材の開発に関する実験研究
○ 温度計の特性と使用例について
○ 血液とその循環に関する実験
○ 放射線と物質の相互作用に関する実験
2)学習指導の改善に関する研究
○ 作って遊ぶ活動を通しての指導の一考察
○ バレーボールのゲームの様相について
○ 教育機器の活用とそのための研修状況について
第6節 情報処理教育生徒実習
1 電子計算機の実習
センターでの生徒実習は、学校からの要望により主として
県立高校の生徒を対象として行い、昭和47年度から実施して
いる。
センター利用の方法には、1、来所しての利用と2、メー
ル方式の利用との二つがある。後者は、本県がわが国第3位
の広域県なので、遠隔地の学校の利用に対処してとられた方
策の一つである。
(1)来所しての利用
情報処理教育の共同利用施設としての教育センターを主
に県立高校が授業の一環として利用している。
なかでも、商業科、工業科の生徒の利用が多く、全体の
99.5%を占めている。
本年度は、商業科、工業科ともに利用実人数が増加して
参り、喜ばしい傾向である。
反面、最近遠隔地からの利用が減少している。
県内高等学校生徒の電子計算機利用人数
利用数
学科別学 校 数 実 人 数 延 べ 人 数 県立高校 商 業 科 5校 645 (50.6%) 656 (39..1%) 工 業 科 5 623 (48.9%) 1,011 (60.2%) 普 通 科 1 6 (0.5%) 12 (0.7%) 計 11 1,274 (100%) 1,679 (100%) そ の 他 1 57 114 合 計 12 1,331 1,793