教育年報1978年(S53)-369/372page
福島県文化センター
第1節 概 要
福島県文化センターは、地方自治法第244条第1項の規定
に基づき、県民の文化の振興を図ることを目的として設置さ
れたもので、福島県文化会館、福島県美術博物館、福島県歴
史資料館の三つの施設をもって構成されている。
県は昭和45年9月開館当初からこの施設の管理運営を財団
法人福島県文化センターに委託し、同法人はこの施設の設置
目的に沿って各種の文化事業を展開し、あるいは資料の収集、
調査研究等を行うほか、この施設をその管理のもとに一般県
民の文化活動の場として利用に供している。
福島県文化センターを構成する各施設の業務内容は、概ね
次のとおりである。
(1)文化会館
○ 文学、音楽、演劇、舞踊等の芸術の振興に関すること。
○ 社会科学、自然科学等の学術の振興に関すること。
○ 文化会館の施設、設備の利用に関すること。
(2)美術博物館
○ 美術資料の収集、保管及び展示に関すること。
○ 美術資料に関する専門的又は技術的な調査研究に関す
ること。
○ 美術資料に関する講演会、講習会等の主催及びその開
催の援助に関すること。
(3)歴史資料館
○ 県に関する文書資料、考古資料、民俗資料その他の歴
史資料の収集、整理、保管及び展示に関すること。
○ 歴史資料の利用に関すること。
○ 歴史資料に関する講演会、講習会、研究会等の主催及
びその開催の援助に関すること。
昭和53年度はたまたま改正消防法に基く防災設備の整備事
業が年度後半の11月から3月まで、5ヵ月間にわたって実施
されたため一部の事業については縮少せざるを得なかったが、
こうした事情をふまえて、過去7年にわたる実績の上に更に
よりよい教育文化施設づくりをめざし、次の事項に重点を置
いて館の運営に当った。
1) 美術博物館、歴史資料館の資料の充実及び研究紀要、
収蔵目録の作成。
2) 美術展、舞台芸術の鑑賞の機会を拡充し、「動く文化セ
ンター」としての教育活動の充実。
3) 施設の改良保全による適正な維持管理
4) 関係機関、団体との協力連けいの強化
尚上記防災設備工事は法律改正による義務的なものではあ
るが、約2億円の巨費を投じて施工された。工事の主要部分
はスプリンクラー及びガスによる消火設備及びこれに附随す
る火災報知設備、非常用放送設備、避難誘導灯の増設工事等
であり、こうした工事は過去3年間にわたって一定規模以上
の公立文化施設にあっては全国的に行われたものである。こ
れによって非常の際の来館者の安全が一層確保されることと
なったことは、館の管理運営にたづさわる者にとって力強い
限りである。
第2節 施設・設備の概況
1 施 設
所 在 地福島市春日町5-54
敷地面積 21,600m2
建築面積 5,850m2
建築延面積 11,335m2
構造鉄骨、鉄筋コンクリート造り
地下1階、地上3階、塔屋1階
竣工昭和45年9月1日
施設の概要
(1)本 館
地階=中央監視室、空調・電気機械室、奈落
1階=大ホール(1,951席)、小ホール(448席)、楽屋(4室)
リハーサル室(109m2)、和室(20畳2室)、小ホール
控室(37m2)、浴室(2室)、視聴覚室(108席)、会議
室(24名)、ITV室、事務室、収蔵庫その他。
2階=会議室兼展示室(466m2)、事務室、収納室、食堂等
3階=展示室(505m2×2室)、ギャラリー(363m2)、事務室、
倉庫等
塔屋=空調機械室、エレベーター機械室
(2)歴史資料館
1階=展示室(180m2)、消毒室、消火機械室
2階=研究室(64m2)、閲覧室(45m2)、マイクロフィルム
室(61m2)、文書庫(272m2)、事務室等
3階=文書庫(272m2)、文化財収蔵庫(455m2)
2 設 備
(1)一般設備
空気調和設備=冷暖房、換気設備
給排水衛生設備=給排水、ガス、浄化槽
防災設備=スプリンクラー、ドレンチャー、ガス消火設
備(炭酸ガス及びハロンガス)消火栓、非常用放
送設備、避難誘導設備、煙、熱感知器等
エレベーター設備=乗用(11人乗)、荷物専用(荷重4ト
ン)
電気設備=一般照明(螢光灯、白熱灯)、内線電話(自動
交換)、ITV設備、TV中継設備、館内放送設備、
自家発電設備(100KVA)、電気時計等
(2)舞台設備
舞台照明設備=フットライト(68灯)、ボーダーライト(3
列225灯)、サスペンションライト(4列84灯)、ホ
リゾンライト(上下各72灯)、シーリングライト(23
灯)、各種スポットライト、調光卓